解離性障害について考える。「失ったモノ」を受け入れることは難しい

以前から公開を続けている精神病の一つ・解離性障害について。
まだまだわからないことが多くある解離性障害ですが、この症状を理解できるかどうかはある意味一番最初で全て決まってしまうような気がします。
前回の記事にも記載した通り、解離性障害という症状は、当人とは違う別の人格が表に出てくることを指しているため、「自覚症状が無い」という大きな障壁を持つこととなります。しかし、今回私が支えたいと決意した大切なヒトというのは、自身が解離性障害であることを十分自覚しており、この症状に幾度となく悩まされ続けてきました。ただ、いくら自分がこの症状を自覚していたとしても、どうすることもできないのが現実で、以下のような理由から誰にも解離性障害を持っていることなど明かすことはできませんでした。

・どうすれば解決することができるのかもわからない
・自分自身がこのような症状を持っていることなど言えない(っというか信じてもらえない恐れがある)

そのヒトは、小さなころからその障害と向き合っているため、小学校・中学校・高校・大学、そして社会人になっても、毎日その症状によって「失われたモノ」も多数あったと言います。
その多くは「時間」と語りますが、自分本来の人格が抑えつけられ、別の人格達がそのヒトを支配することになります。
そのヒト本来が過ごすであろう時間を奪われ、失ってしまったことになるため、自身の人格が戻ったとき、気が付けば1週間という日数が過ぎていました。おまけに全く身に覚えのない男性が暮らすベッドで目が覚めたときは、とてつもない恐怖に襲われたと言います。

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もう一つは「友達」と語りますが、どうやらそのヒト本来の人格が大切にしていた友達も、別の人格によって「友達」を切り捨ててしまい、更には携帯メールに入っていた連絡先を削除してしまう等、本来の人格が望んでいない失態を繰り返してきたこともまた恐怖たる事実。こればっかりは、どうしても説明することができず、一人ずっと悩んできたと言います。

そしてこれは、あまりにもツライ内容ですが、それは「お腹の中の小さな命」と語りました。
何を言いたいのか、説明したいのかは理解されてる方がほとんどだと思いますが、そのヒトが一週間記憶を無くし、気が付けば知らない男性のベッドで寝ていたということは、そういった男性との行為に走る人格が、そのヒトの精神状態を崩壊させることになっていました。
そんなことが度重なり、気が付けば自身のお腹の中には小さな命が宿っていたと言います。
しかし、当時そのヒトは誰とも付き合っていなかったと(そのヒト本来の人格は)自覚していたため、身に覚えの無い小さい命をおろすという苦しい決断をしました。
そのヒトは、望まない行為を、望まない命を自身の体で行ってしまい、最終的に自身の体を傷つけてしまったわけです。
そして、小さな命をおろすという事実は、自分以外の家族や学校のクラスメイト、ご近所にまで広まってしまったと言います。そのヒトは、自分の精神が少しずつおかしくなっていったことに気付き始めながらも、そんなことを考える余裕すらなく、気が付けば学校を卒業し、社会人になっていました。

大きくは「3つ」になりましたが、その3つが自身の人生を大きく狂わせてしまうのです。
私自身も、この話を聞いたときは大きなショックを受けましたし、涙を流さずにはいられませんでした。
それだけ、この症状の恐ろしさを物語るものがあるわけで、自然とそのヒトの話を聞くことに集中できました。
冒頭にも挙げた通り「この症状を理解できるかどうかは、ある意味一番最初で全て決まってしまう」というのは、解離性障害は精神病の一つであるため、聞く人によっては「ただの言い訳」だとか「現実逃避」という人たちもいます。しかし、この症状を受け入れて、そのヒトを支えるためには、一番最初にその話を受け入れなければ、その後も受け入れることは難しく、常に一方通行になってしまうと思います。だからこそ、そのヒトのことを信じ、苦しんできた時間を少しでも共有し、一緒に乗り越えてこの症状と向き合おうと決心しました。
当然、これら「失われたモノ」を取り戻すことも、克服することも難しく、受け入れることは不可能なレベルだと思います。

しかし、それでもそのヒトは生き続けてきました。
そのヒトは、自分の感情が失われてしまい、自分発信の(つまり自分の感情をさらけ出す)言葉が発せなくなっていました。

これは、以前にも記載しましたが、私が初めてそのヒトを見たときは、非常に明るくて、気さくに誰とでも話せる人気のあるヒトでした。
周りから頼られ、色んな人から話しかけられる程にとにかく人気が高く、常にそのヒトは笑顔で誰とでも対応します。そのヒトの笑顔は、周りの雰囲気を和やかにする不思議な力を持ったヒトでした。
そんな笑顔がとても素敵なヒトですが、その表情が強制的に作られたものであったために、そのヒトの感情を押し殺してしまい、更にはその笑顔が自分の体を傷つけてしまう…そんな日々が訪れてしまいます。

解離性障害に関する記録はコチラにてまとめております。

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