ダイハツの新型「ミラ イース」に試乗。度肝抜く安全装備・コスパ最強のウルトラ軽

2020-05-26

本日、ダイハツの新型「ミラ イース」に試乗。
元々試乗予定リストには入れていなかったこちらの個体ですが、予てよりフルモデルチェンジし、デザイン・質感が向上し軽自動車初の安全機能が多数標準装備されたということで、今現在の軽自動車のポテンシャルや質感を確認するためにインプレッションさせていただきました。


【外観インプレ】

今回試乗させていただいた個体は、「ミラ イースG”SAⅢ”」という最上位グレードで、以下の【安全機能】が全て装備されている、とても軽自動車とは思えない贅沢なモデルとなります。
※ちなみに”SA”とは「Smart Assist(スマートアシスト)」の略で、安全装備が備わっていることを意味します。

【安全機能】
①衝突警報機能(対車両・歩行者)/衝突回避ブレーキ(対車両・歩行者)
 ~車だけでなく、歩行者との衝突回避もサポート~

走行中に前方の車両と歩行者を認識し、衝突の危険性があると判断した場合にドライバへ注意喚起。
更に危険性が高まった場合には緊急ブレーキで減速。衝突の回避や、衝突時の被害軽減に寄与。

②車線逸脱警報機能
 ~高速道路で起こりやすい、車線からのはみ出しを防ぐ~

約60km/h以上で走行中にステレオカメラが車線を検知している場合、道路上の車線から逸脱しそうになると、ドライバへ警報し、逸脱回避操作を促す

③誤発進抑制制御機能(前方・後方)
 ~駐車場でペダルを踏み間違えたとき、急発進を抑制~
約10km/h以下で障害物を認識後、踏み間違い(アクセルペダルを強く踏み込んだ場合)を判定してエンジン出力を抑制し、ブザー音とメーター内表示でお知らせ

④先行車発進お知らせ機能
 ~信号待ちでうっかりを防止~
信号待ちなどで前のクルマが発進したことに気付かないとき、ブザー音とメーター内表示にてお知らせ。

⑤オートハイビーム
 ~夜道でも遠くにいる歩行者を見逃さない~
対向車のヘッドランプなど前方の明るさを検知し、ハイビームとロービームを手を煩わせることなく自動で切り替え。先行車や対向車などがいないときにはハイビームにし、遠くまで見通しを確保。安心を高める。

ちなみに、上記の安全機能以外にも

・LEDヘッドライト(ロー/ハイビーム・マニュアルレベリング機能・LEDクリアランスランプ付)
・オート格納式(キーフリー連動・カラード)ドアミラー
・シートヒーター(運転席/助手席)
・運転席シーフリフター(シート位置の高さ調整)
・チルトステアリング

が標準装備されていますね。
ボディカラーは「マゼンタベリーマイカメタリック」という、女性向けの強烈なカラーとなります。

まず、フロントデザインについては、前モデルよりも丸まった印象が無くなり、全体的に角のあるスポーティを意識したスタイリングになっていますね。
ヘッドライトのデザインも非常に特徴的で、最近のスバルの”コの字”型又はボルボのシームレスライトにも見え、非常に質感が向上しています。

サイドを確認していくと、まず一番気になったのは非常に長いホイールベース。
実はこの個体、全長3,395mm×全幅1,475mm×全高1,500mm、そしてホイールベース2,455mmは変更されていないのですが、非常に引き締まったボディラインとなった影響か、スタイリッシュかつスポーティなホットハッチのようにも見えますね。

ちなみにホイールベースは、スズキの新型「スイフト」よりも5mm長いという事実もあります。
ホイールは、「G”SAⅢ”」グレードの標準装備となる14インチアルミホイールとなります。

続いてはリヤですが、凹凸を付けることでメリハリのあるスタイリッシュなスタイリングとなり、とても軽自動車とはおもえない程のデザイン性を感じますね。
ちなみに、リヤもLEDライトが採用されています。

【内装インプレ】

内装は、非常にシンプルなブラックとオフホワイトのツートンカラーのファブリックシート。
シートカラーはこの一色になるみたいですね。

ダッシュボード周りもブラックとオフホワイトが見事に調和されていて、特に掘込み式インパネドリンクホルダ付近のホワイトは非常にオシャレで、高い質感が見られますね。

センターコンソール付近は非常にシンプルですが、写真中央のハザードボタンの左側に奥行きのあるスペースがありますね。
こちらは、助手席用のインパネロングアッパートレイとなっていて、メガネなどの小物を収納できるスペースとなっています。

【主要諸元・スペック】

 ・排気量0.66L 水冷直列3気筒12バルブDOHC横置エンジン
 ・最高出力:49ps、最大トルク:57Nm
 ・全長/全幅/全高:3,395mm/1,475mm/1,500mm
 ・ホイールベース:2,455mm
 ・最低地上高:155mm
 ・最小回転半径:4.4m
 ・車両総重量:670kg
 ・燃費:34.2km/L

【試乗インプレ】
さて、早速「ミラ イース」に乗り込むため、ドアパネルを開けますが、非常に軽く開けやすいですね。
サイドシル部も非常に低く設計されており、そこまで足を上げることなく、簡単に乗り込むことができます。
※この辺りは、上述の安全機能の標準化も含め、高齢者ドライバを意識して設計されていることから、車からの乗降りは相当に工夫されていると思われます。

早速「ミラ イース」のエンジンをかけてみます。
ブレーキを強く踏みながら、ステアリング右下にあるエンジンスタートスイッチでエンジン始動です。
エンジン音は、軽自動車特有のサウンドではありますが、意外と静かで、エンジンの振動がシートに伝わってくるといった印象は無いように感じられますね。
ちなみにキーは、今回試乗させていただいた上位グレード「G”SAⅢ”」のみがスマートキーとなります。
(G”SAⅢ”以外のグレードはキーレスエントリー)

早速、ダイハツディーラを後にしますが、まず国道に入るために大きな段差を乗り越えます。
この大きな段差を乗り越えたときの印象として、かなりのインパクトを受けたのは、軽自動車でありながらも非常に剛性が高く、車体の揺れがほとんど無かったということ。
今回の「ミラ イース」では、新開発プラットフォームの”Dモノコック”という軽量高剛性ボディが採用されており、優れた操縦安定性と乗り心地・静粛性を両立させているとのことです。

正直、この時点で「ミラ イース」の高い性能に圧倒され、「自分は今の軽自動車を舐めていた」と大きく後悔。
「ミラ イース」を見る目が変わり、早速国道に入り周りのスピードに併せながら一気に加速していきます。

加速性においては、軽自動車仕様ギリギリの最高出力49psということもあり、パワーに欠ける部分はあるも、アクセルレスポンスは意外と早く、伸びのある加速を実現していますね。この辺りはやはり、車体の軽量化と高い空力性能を実現(前モデルよりも-3%の空気抵抗値を達成)していることにより、「ミラ イース」の加速力を最大限に発揮しているのだと思われます。

ハンドリング操作においては、ステアリングはかなり軽く、前輪駆動(FF)でありながらも加速しながらカーブに差し掛かるときの切れ味も抜群。
車体も非常に軽く、ホイールベースも長いので、高速領域に入ってのグリップ力が高くハンドリング操作も安定していて、路面が若干ウェットになっていても、意外とスンナリ操作できる個体なのではないかと思いますね。

ちなみに、乗り心地については、サスペンションが少々固めに設計されていますね。
ボディ剛性がかなり高い分、縦揺れや横揺れがほとんどなく、安定した乗り心地を提供しています。

なお、車内の居住空間においては圧迫感が無く、身長182cmの私でも頭上から天井までこぶし2個分の隙間があり全く問題ありませんでした。
※担当者曰く、新設計のフロントシートによりヒップポイントを下げ、斜め上の視界も拡大させるだけでなく、頭上空間のゆとりと前方視界を広げているとのこと。

【価格について】
「ミラ イースG”SAⅢ” 2WD」の車両本体価格は約121万円となりますが、安全機能が全て標準装備されており、おまけにスポーティな走りが実感できる個体としてはかなりコスパの高い個体と思われますね。

【総括】
以上より、ダイハツ「ミラ イース」は、高齢者を意識した安全性能がフル装備されていて、乗用車においても中々採用されていないシートヒータ等も標準装備されていて高いコストパフォーマンスを発揮し、新開発のプラットフォームによりスポーティな足回りを実現した、老若男女問わない究極のウルトラ軽自動車と言えますね。

これまでの試乗記録はコチラにてまとめております。