2018年モデル・ポルシェ「911GT2RS」が1,000台全て即完売。転売対策は大丈夫か?

2020-05-26

ドイツのAuto Bildより、ポルシェより世界限定1,000台のみ販売された「911GT2RS」が全て即完売したことを発表しました。

今回完売した「911GT2RS」のパワートレインは、「911 Turbo S」同様に排気量3.8L 水平対向6気筒ターボエンジンが採用されるものの、最高出力は約700ps、最大トルク730Nm以上を発揮し、0-100km/hの加速時間は驚異の2.4秒と、ポルシェ最速でありながらブガッティ「シロン」よりも速い加速力を持つことになっています。
(厳密にはブガッティ「シロン」の0-100km/h加速時間は2.5秒”以下”)

その他にも以下のようなオプションが構成。

・駆動方式は「後輪駆動」で、マニュアルギヤボックスは無し(つまりはPDKのみ)
・ローズジョイントは、シャシーが非常に硬い模様
・ダンパーのスプリングレートを変更することが可能
・車体重量は1,500kg以下
・セラミックブレーキは標準装備
・ニュルブルクリンクでのラップタイムは、7分フラットになる可能性有
・「918スパイダー」専用のオプションであったヴァイザッハ・パッケージの設定が可能(軽量のカーボンファイバーやマグネシウムホイール、レース用シートベルト、エアロパーツが備え付けられながらも約36kgも軽量化)


以前に、下記の記事でも、限定 or 自然吸気(NA) or ミッションモデルの「投機目的での購入」については、ポルシェのGT部門を率いるアンドレアス・プレナンガー氏が何かしらの対策を検討していることを記載したように、恐らく「(転売)投機目撃で購入」したオーナーに関しては、今後以下のような条件をもとに転売を阻止することを検討している一方で、転売と判断されたオーナーに関しては、今後は限定モデルやミッションモデルといったプレミア価値が付くものに関して、購入者候補リストから優先的に除外される可能性が高いとのこと。

【条件(検討レベル)】
・どれだけの期間所有していたか
・どれだけの距離を走行したか
・どういったルートで売却されたか。またどの程度の金額で売却されたか

ちなみに、現時点でドイツでの市場価格は既に約3,500万円を超えると予想され、徐々に納車されるタイミングにて、更に価格が跳ね上がると予想されます。

Reference:autoevolution

関連記事:ポルシェ幹部が苦言「ポルシェは利益や転売目的で購入するものではない。今後は転売させないように計画中」

最近では少し落ち着いてきたポルシェの自然吸気(NA)&ミッションモデルとなる「911R」の価格高騰による転売。
これについて、ポルシェのGTモデルのヘッドでもあり、幹部でもあるAndreas Preuninger氏が、「911R」を始めとする、今後マニュアル仕様等の特別モデルを購入するオーナーへ苦言を呈しています。

過去に、「911」の空冷時代に、ほんの短期間だけ「911R」が少量生産されていたのですが、このモデルが爆発的な人気となり、ポルシェオーナーからの絶大な支持があったとのこと。
そんな支持のもと、昨年の夏ごろに復活した「911R」が世界限定911台のみ生産されたわけですが、これが即完売。

早速「911R」は、その希少性の高さからオークションサイトや中古車サイトに即転売するオーナーが続出し、新車本体価格の約2600万円から、中古車市場にて最大でも約1億円にて販売されていたことも明らかとなりました。

これについて、Andreas氏は、「私たちポルシェは、ユーザーがお金稼ぎをするために車を作っているんじゃない。そのようなビジネス目的で購入するためのものではなく、”走り”を楽しむために購入していただくことが本来の目的だ。転売目的等で購入するオーナーは大嫌いだ。」とコメント。

今後、ポルシェサイドとしては、オーナーが転売目的で購入することや、購入後の高額転売を避けるために何かしらプランを検討しているとのこと。

なお、先月の4月から受注を開始している新型の「911GT3」においても、オプションにて”PDK”から”ミッション”に変更することが可能のため、転売目的で購入するオーナーは相当に多いのではないかと考えられています。そういった行為を避けるよう、日本国内でも何かしらの呼びかけを受ける可能性がありそうですね。