アメリカ版Autoblogが2017年上半期のベスト・スポーツカー9台を選出。全て最新モデルも、それぞれの個性を明確に表現

2020-05-26

自動車ニュースサイト「Autoblog」が、2017年上半期に試乗したスポーツカー達の中で、特に度肝を抜いた個体を9台ピックアップ。
2017年に試乗したモデルということで、何れも最新モデルで旧世代がピックアップされていないのはちょっと残念ですが、どの個体も走行性能に優れていることはもちろんのこと、やはりジャーナリストが感じる独特の感性によって、スポーツカー本リアの特徴を明確に示しているように感じますね。


早速1台目は「フォードGT」。
ジェイ・レノ氏が所有している個体としても有名な、アメリカスーパーカー。
V6ツインターボというダウサイジング化を図り、価格帯としても”フォードGT史上最も安い個体”で価格は約5,400万円
なお、Autoblogジャーナリストは、新型「フォードGT」について以下のようにコメント。

フェラーリやランボルギーニ、マクラーレンがいる上に、ミドシップとなる次期型シボレー「コルベット」の登場を控えるこの世界において、フォードは自分自身のやり方で、スーパーカーを作り上げた。まだ新型GTに乗ったことがある人は少ないだろうが、運転したことがある人は同意してくれるはずだ。このクルマが当初の誓いに忠実であり、フォードが本物のスーパーカー・メーカーとしての潜在能力を存分に発揮したということに。野心、それに実行力こそ、フォード GTがこの地位に君臨できた理由だろう。本当に特別なクルマなのだ。

2台目はアストンマーティン「V12ヴァンテージS」。
ダウンサイジング化が図られるスーパーカーが多い中で、その考えを敢えて捨てて、ダイキ排気量のV12エンジンを搭載し、マニュアルを搭載するという現代では考えられないコアなスーパーカー。

これについて、Autoblogジャーナリストは

今後、各自動車メーカーは、例えばマクラーレンのように、最先端技術の粋を集めたクルマを作り続けるだろう。V12 ヴァンテージSは、アナログで自然主義的な最後のスーパー・スポーツと言える。最新の優秀なクルマが、単に動力性能だけでこのクルマを打ち負かしたとしても、我々の心は決してアストンマーティンから離れない。忘れてはならない存在だ。

3台目はシボレー「カマロZR1 1LE」。
シボレーの4シータ・クーペモデルとなる「カマロ」に、これまでラインナップされたきたモデルで”史上最速”となる「カマロZL1 1LE」を発表しました。
この個体は、車体重量を約30kg軽量化し、かなり強烈なヴィジュアルとなるフロントデザインに更なるアクセントとなるカナードが装着され、カーボンファイバー製リヤウィング、更にはフロントスポイラーやサイドスカート、リヤディフューザーといったエアロキットも装着されていますね。

これについて、Autoblogジャーナリストは

あなたをイライラさせずにきちんとアイドリングする、ビンテージ物のストックカーを思い描いてみてほしい。非常に楽しめるが、それは単に限界が高いからというだけでなく、限界までの危険領域の幅が、粘着力の高いグッドイヤーのタイヤと同じように幅広いからだ。これによって、1LEは最高のドライバーズ・カーに仕上がっている。また、我々が今年試乗したスポーツカーの中で、1LEを最も素晴らしいクルマの1つとして挙げる理由だ。

4台目はブガッティ「シロン」。
ブガッティ「ヴェイロン」の後継モデルで、基本的なパワートレインとなる排気量8.0L W16気筒クワッドターボの航空機エンジンをそのままに最高出力1,200psまで向上させたモンスターともいえますね。
価格ももちろん高額の約3億円で、購入するためにブガッティの厳しい審査を受けて合格しなければならない”どんなにお金があっても簡単には買えない”一台ですね。

これについて、Autoblogジャーナリストは

今回、評価を担当した我々のスタッフは、シロンの凄まじいパワーを何度も飛行機に例えていた。ゆっくりと運転することなど不可能だ。重量は大きく、価格は無慈悲なほど高額。だから、コーナーを鋭く走り抜けるスポーツカーというよりも、膨大なパワーを発揮して突き進むロケットのようなツアラーと考えた方がよい。そして周囲にこれほど速いクルマがないことだけは、紛れもない事実だ。

5台目はフェラーリ「812スーパーファスト」
フェラーリ「F12ベルリネッタ」の改良モデルであり、最高出力800psを発揮するというフェラーリが作る”V12NA最後のモデル”としても有名。
市販モデルでありながら、日本国内のディーラでも既に完売が続出しており、こちらも入手が困難な一台となっています。

これについて、Autoblogジャーナリストは

各部に多数のベントやスラットが設けられたスタイリングは、目的に適っているし、ハンサムには見えるが、美しいとは言えない。装備面も進歩した。800馬力を制御するために、「488」では否定的な意見もあったEPS(電動パワーステアリング)が採用され、トラクションおよびスタビリティ・コントロール、ダンパーとも連動して車体の安定を維持する。
通常生産のモデルとしてはフェラーリ史上最速であり、どの観点から見ても普通以下ということはない。だが、我々が求める純粋なドライビングを味わうには、少々複雑すぎた。

6台目はポルシェ「911GT3」。
ポルシェの新型となる「911GT3」には、デュアルクラッチ式PDKを採用の他、オプションとして6速MTも準備されることになったため、”転売目的”で購入するユーザーが多いのでは?という意見の多いいわくつきの個体。
パワートレインは、「911GT3RS」と同様に排気量4.0L 水平対向6気筒エンジンを搭載し、最高出力500psを発揮します。

これについて、Autoblogジャーナリストは

典型的な911の人間工学に基づいた快適性と、バンシー(アイルランドの妖精)が路面を蹴りながら上げる物悲しい叫び声のような音の組み合わせは、このマシンの持つ人を惹き付ける二面性だろう。ターボチャージャーが席巻する現在、GT3のパワーユニットから感じられる純粋性は貴重だ。こんなクルマが作れるのはポルシェのような特別なメーカーだけである。

7台目がマクラーレン「720S」。
Autoblogジャーナリストが今年最高の1台と謳うスーパーカーで、その見た目からにアンタッチャブルなスタイリングとデザインはまさに芸術。
先代となる「650S」よりも更に軽量化を重ね、エンジンは新型の排気量4.0L V型8気筒ツインターボを搭載し、最高出力は720psを発揮します。

これについて、Autoblogジャーナリストは

最近すべてが刷新されたマクラーレンのニュー・モデルは、真のオールラウンド・プレイヤーと言えるだろう。快適で速く、ハンドリングに優れ、大胆なほど未来志向だ。

8台目はメルセデスベンツAMG「GT C」。
「GT C」といえば、AMG「GT R」譲りの排気量4.0L V型8気筒ツインターボエンジンを搭載し、最高出力557ps、最大トルク680Nmに改良された個体。
コンバーチブルモデルの中でも、エキゾチックでハイパワー、おまけに安定性抜群と評判の高いスーパースポーツですね。

これについて、Autoblogジャーナリストは

この派手なコンバーチブルに試乗した時、我々は何度もある言葉を使って表現していた。こいつは”凶暴だ”と。まさしく諸刃の剣だろう。もう少し凶暴さを抑えたドライビングを求める我々には、”C”の付かないモデルがちょうどいい。固いシートはサポート性に優れるが、乗り心地は超ハードだ。

最後は、キャラウェイ「コルベットSC757・エアロワゴン」。
シボレー「コルベットC7」をベースとした、キャラウェイ製スポーツワゴンで、かなり意外な1台が選出されていますね。
パワートレインは、シボレーの持つ排気量6.2L V型8気筒スーパーチャージャーを搭載し、最高出力は驚異の757psを発揮。

これについて、Autoblogジャーナリストは

ボディの組み付けや仕上がり具合も見事である。しかし、この改造は決して安くはない。ハッチ(と、その取り付け)には約1万5,000ドル(約166万円)ほど掛かる。だが、これによって素晴らしいプラットフォームに独自性が加えられる上、SC757のパワーが持つ純粋な暴力性に、我々はすっかり心を奪われてしまった。

Reference:autoblog part1, autoblog part2, autoblog part3