個人的に最近ツボなフェラーリ「GTC4ルッソ/GTC4ルッソT」。その姿を改めて画像にて確認

2020-05-26

フェラーリの4人乗りシューティングブレークモデル「GTC4ルッソ」とダウンサイジングモデルとなる「GTC4ルッソT」。
前モデルは同スタイリングの「FF(フェラーリ・フォー)」となりますが、実用性を考慮したファミリースーパーカーとしての一面を持つ一方で、その美しさが大きく評価され「最も美しいスーパーカー賞」を受賞する等、海外ではとにかく人気の高いモデルとなっています。
そんな、美しくも実用性高き「GTC4ルッソ/GTC4ルッソT」ですが、最近になって強い興味を持ち始め、(シューティングブレーク好きの私としては)とにかく注目している一台でもあります。


上述の通り、「GTC4ルッソ」は、「FF」の後継モデルとして2016年に発表・登場し、1960年代の往年の名車でもあるフェラーリの旧モデルの復活版としても登場。
「GTC」という名称は、過去にフェラーリが販売した「330GTC/356GTC」から来ており、「ルッソ」はイタリア語で”贅沢”を意味し、非常に有名な旧車でもある「250GTCルッソ」から受け継いだものとなります。

「GTC4ルッソ」のパワートレインは、排気量6.3L V型12気筒自然吸気エンジンを搭載し、最高出力690ps、最大トルク697Nmを発揮するフラッグシップ顔負けのスペック。
駆動方式は四輪駆動(AWD)で、更には「F12ベルリネッタ」にも採用された四輪操舵という先進的な機能も装備。

一方の「GTC4ルッソT」は、「GTC4ルッソ」のダウンサイジングモデルで、名称末尾に付けられた”T”はターボを意味。
パワートレインは、「カリフォルニアT」と同様に排気量3.9L V型8気筒ツインターボエンジンを搭載し、最高出力610ps、最大トルク710Nmを発揮し、「GTC4ルッソ」よりも50kgの軽量化に成功。
おまけに4シータモデルで、V8エンジンを搭載した個体は「GTC4ルッソT」が初めて。

さて、スペック面については何一つ不満の無い「GTC4ルッソ」ですが、個人的にツボとなっているのはフロントエンドデザインとスタイリング。
まず、フロントエンドデザインについては、近年のフェラーリのデザインベースにもなっている奥行きあるフロントヘッドライトで、そこに加えてまるで表情を書き加えたかのようなシームレス・デイタイムランニングライト、そして口角を付けたかのようなフロントのシングルグリルとの相性は何とも愛着のある表情をしており、アグレッシブさよりもアタッチメントの強い一台ではないかと考えています。
もちろん、このフロントグリルは、エンジンをはじめとした冷却に必要な気流を流し込むための効果を発揮するだけでなく、視覚的なパワー感も与えているとのことで、性能的・外観的といった相乗効果をもたらすデザインというのは、フェラーリのクレバーな技術だと考えています。

続いてはスタイリングについて、これは正直なところ人によって大きく好みが変わるため、自身の一方的な嗜好になってしまうのですが、シューティングブレークタイプの「GTC4ルッソ」は、流線形を描く美しいスタイリングを持つことはもちろん、実用性も持たせるために、大人一人が入れるほどのラゲッジスペースを確保しているわけですね。
こういったデザインは他のスーパーカーメーカには無く、フェラーリ独自の強みでもあると考えています。そういったスペースを確保しながらもダイナミックで彫刻的なラインを演出する「GTC4ルッソ」のフォルム&デザインは、スポーティさに加えて優雅さ、そして上品さを忘れない唯一無二の独自性を発揮しているのではないかと思うのですね(ちなみに強豪モデルは、まさかのランドローバー「レンジローバー」)。

こういったスーパーカー且つ一般車両としての要素を全てつぎ込んだモデルというのは、「他のモデルでは無いんじゃないのか?」と思ってしまうわけですが、その割には国内ではそこまで人気が高くないというのも不思議なところで、その理由にはやはりアンリアルスティックな要素が抜けていることが大きいこと、そしてフロントマウントエンジンということなのかもしれません(スーパーカー=ミドシップの印象が少し強い)。
いずれにしても、こういった個体はやはりフェラーリブランドである以上は、特別な一台であると思いますし、一度試乗の機会があれば細かくインプレッションしていきたいところですね。

Reference:AUTOGESPOT