実は意外と知られていない奇妙なモデル。ランボルギーニの4人乗りGT「エスパーダ」をプレビュー【動画有】

2020-05-26

ランボルギーニの4人乗りモデルと言えば、最新モデルとなる「ウルス」やその先代に位置する「LM002」、コンセプトモデル「エストーケ」、「ポルトフィーノ」等が挙げられますが、実は意外と知られていないのが4人乗りモデルの「エスパーダ」(スペイン語で”剣”を意味)。

この個体は、1968年から1978年まで10年間製造された4人乗りGT(グランツーリスモ)モデルで、3ドアのハッチバッククーペデザインでありながらも、「400GT」や「ミウラ」同様に排気量4.0L V型12気筒自然吸気エンジンを搭載し、最高出力325psを発揮。0-100km/hの加速時間は6.6秒と中々に速く、最高時速は260km/hを実現。
駆動方式は後輪駆動(FR)で、トランスミッションは5速MTと3速ATがラインナップされました。


スペックだけを見ると、やはりランボルギーニが作り上げた一台だけあって、ハイパフォーマンス性を発揮するには十分ではありますが、それ以上に実用性も考慮していたのが「エスパーダ」。
リヤハッチを開けてみると、その荷室の広さは何とトヨタ「プリウス」並み。
ラゲッジスペース下にはスペアタイヤがしっかりと1本入る程の余裕があり、その上にはゴルフバッグ等も複数設置できる程。

ランボルギーニがぶっ飛んだデザイン性を考慮するよりも前に、敢えてこうした実用性を重視したモデルもあったわけですが、この個体も実はそこそこに売れているという事実も。
約10年間製造されたこの個体は、1,217台販売されており、途中には2回のモデルチェンジを実施済み(S1・1968~1970年・生産台数186台、S2・1970~1972年・生産台数575台、S3・1972年~1978年・生産台数456台)。

1970年のS2モデルではパワーステアリングがオプション設定可能となったり、1974年のS3モデルからはようやくオートマチックトランスミッションが採用される等、安全性と実用性を更に向上。何気に先進性を求めた一台として注目を集めるはずだったのですが、1978年にはランボルギーニが倒産するとともに生産も中止されるという結果に(ってかランボルギーニは一度倒産していることにも驚き)。

意外にも知られていないランボルギーニ「エスパーダ」のプレビュー動画は以下にて。

【The Lamborghini Espada Is the Weirdest Lamborghini Ever Made】

Reference:CARSCOOPS

関連記事:かなりレア。オランダにて、爽やかなブルーのランボルギーニ「イスレロ」が目撃に

オランダ・ハウトヘムにて、何とも珍しすぎるランボルギーニ「イスレロ」が目撃に。
「イスレロ」と言えば、1968年から1970年に生産されたモデルで、親会社(オーナー)が初代のフェルッチオ・ランボルギーニだったときですね。
しかもこの年代には、「イスレロ」以外にも有名な「ミウラ」や「イオタ」「エスパーダ」が登場していた黄金世代でもあります。

「イスレロ」は、実はそこまでメジャーな個体では無かったと聞きますが、ランボルギーニとしてはかなり力を入れていたV型12気筒自然吸気エンジンを持つ2+2シートのGTモデルとなります。

旧世代モデルとなる「400GT」を発展させた個体でもあるため、実用性を向上し、更には排気量4.0Lと大排気量エンジンで、最高出力320psを発揮するスペシャルモデル。
もちろん、生産台数は非常に少ない225台で、現在発見されている台数は150台以下。
しかも、雨の中で駐車されている(つまりは移動用として使用している)個体は今回が初めてですね。

ボディカラーは何とも珍しいベイビーブルーですが、当時のランボルギーニモデルでは意外と主流のボディカラーで人気も高かった模様。
ライトは昔ながらの折り畳み式となるリトラクティブライトを採用しています。

ちなみに、「イスレロ」という名前は、ランボルギーニの伝統でもある闘牛の名前にちなんでおり、有名な闘牛士であるマニュアル・ロドリゲスを刺殺した最恐の牛でもありますね。