ARESデザインがデ・トマソ「パンテーラ」を復活か。最新モデル「プロジェクト・パンサー」のイメージ画像公開へ

2021-10-24

イタリアの自動車メーカであるデ・トマソが、1960年代に自社三作目となるクーペモデル「パンテーラ」を生み出し、この個体はレーシングカーであるフォード「GT40」をモチーフとすることで、デ・トマソとフォードが伊米合作の大排気量エンジン搭載となるスーパーカーとして世に送り出した代表的な一台ではありますが、そんな代表作の復活版となる「プロジェクト・パンサー(コードネーム)」のイメージ画像が公開に。
これは、イタリアのコーチビルダーであるARESデザインCEOのダニー・バハール氏が公開した最初のイメージ画像となります。
※ダニー・バハール氏は、ロータスの副社長、フェラーリの副社長というとんでもない歴を持ちますが、いずれもその過激な行為の数々が目に余り、追放されるという程のアグレッシブさを持ちます。


そんなダニー・バハール氏がデザインした「プロジェクト・パンサー」ですが、アルミニウム&カーボンファイバのハイブリッドシャシーが設定され、パワートレインは排気量5.2L V型10気筒自然吸気エンジンを搭載し、最高出力610ps、トランスミッションは7速AT DCT、駆動方式はAWDシステムを搭載することから、ランボルギーニ「ウラカンLP610-4」をベースとしています。

基本的なスタイリングやホイールデザイン(ウラカンの20インチ・ジアーノ風)を見るからにランボルギーニを大きく踏襲していますが、要所要所で見ていくと、レトロチックなデザインが多数見られ、特にフロントヘッドライトは開閉式のリトラクタブル・ヘッドライトを採用するも、その下にはデイタイムランニングライトを搭載(新旧の融合)。その他にはコンパクトなフロントグリル、カーボンファイバクラッドコーティング等も含まれ、これらにデ・トマソ「パンテーラ」のデザインも取り込む流れになると思われます。
(リトラクタブル・ヘッドライトは、歩行者を撥ねてしまった場合の被害軽減の観点から、ボンネットに突起物を設けることができなくなっているため、この辺りは法規上設けることは厳しいかもしれません)

なお、この個体は現在のところ設計はもちろんのこと空力特性、クラッシュテスト、エンジニアリングテストも評価中。
顧客には2018年後半には納車される可能性が高いとのことですが、価格は未定。世界限定200台”以上”との情報もありますが、この辺りは逐一情報の公開されていきそうですね。

Reference:CARSCOOPS

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デ・トマソの最後のコンセプトであり、「パンテーラ」がベースとなったモデルがRMオークションにて出品することが判明。
デ・トマソは、イタリアの自動車メーカであり、モデナとボローニャの間にあるフェラーリやマセラティ、ランボルギーニ、パガーニといったスーパーカーエリアに属する(1959年~1990年にかけての)スーパーカーメーカでもありました。

今回登場しているコンセプトモデルは、デ・トマソを創設したアルゼンチン出身のアレハンドロ・デ・トマソ氏が2003年に74歳という若さで亡くなる前に依頼した最後のコンセプトモデルとなります。
(ちなみに、デ・トマソ「パンテーラ」はイタリア語で”豹(ひょう)”、「マングスタ」は”マングース”と動物の名前を使用するケースが多い)

このコンセプトモデルは、ランボルギーニ「カウンタック」やランチア「ストラトス」、アルファロメオ「モントレアル」、ブガッティ「EB110」と名だたる名車を世に生み出したMarcello Gandini氏によって設計されたモデルでもあるわけですが、そもそもMarccello Gandini氏が今回のコンセプトモデルを設計した背景には、デ・トマソが昔マセラティを傘下に置いていた時代があり、そのときにマセラティ車両を設計していた人物がGandini氏であったことから、そういった繋がりを経て今回のコンセプト制作依頼の声がかかったわけですね。

このコンセプトモデルは、1999年の自動車メーカ創立40周年記念で約500人の観衆に見守られながら公開されたわけですが、その後このコンセプトモデルは一切姿を現さなくなり、幻の個体に。
ちなみに、このときの公開イベントに立ち寄っていた500人の中で、一人のデザイナーが相当な衝撃を受けたらしく、そのデザインをモチーフに生み出されたモデルが、後のブガッティ「ヴェイロン」とも言われ、その歴史は相当に名高いものでした。

なお、近日開催するモントレーカーウィークのRMオークションに出品されるこのコンセプトモデルの予想落札価格は不明ながらも、デ・トマソの最後のコンセプトモデルとして相当な値がつくことは間違いなく、今後のスーパーカー市場における重要なキーコンセプトとして重宝されることになると思われます。