フェラーリが2018年に生産台数9,000台に引き上げ。ランボルギーニを大きく突き放す

2020-05-26

2015年10月にニューヨーク証券取引所に上場した、フェラーリの株式は公開以来2倍以上に跳ね上がり、企業としては現在約2兆円にまで上り好調な走りだしを見せています。
そんなフェラーリが、2018年の年間生産台数を9,000台にまで増加させるとして、これまでの一日当たりの組立てスピードを2倍に引き上げる模様。
これはFCAのCEOであるセルジオ・マルキオンネ氏が発表したもので、同社の利益を拡大するための計画の一部に過ぎなく、今後販売台数が大幅に増加するであろうエントリーモデルの「ポルトフィーノ(カリフォルニアTの後継)」や、今後登場することが期待されるFUVモデル等、一切止めることを許さないフェラーリの中期戦略が徐々に明らかとなってきています。


ちなみに、フェラーリがいずれ公開するであろうFUV(コードネーム:F16X)が登場すれば、年間生産台数は10,000台へと伸びる可能性が高く、これはランボルギーニ「ウルス」が販売されたことによる同社の年間生産台数7,000台を大幅に突き放す重要なポイントになると思われ、2022年までには営業利益を約240億円にまで増加させることを計画。

それ以外には、フェラーリの5カ年計画のカギとなるハイブリッドモデルのラインナップ化や、2018年のスイス・ジュネーブモーターショー2018にて登場が期待される「488GTO」といったV8ツインターボモデルとFスタイルのKERSシステムのハイブリッドパワートレインが期待されるモデルの登場も大きな火種となり、スーパーカー市場を独占するための秘策を隠し持つフェラーリとしては、更なる飛躍の1年となりそうですね。

Reference:autoevolution

関連記事①:恐るべしフェラーリ。純利益は遂に1,200億円となり、販売台数も常に右肩上がり

全世界の自動車メーカの販売台数が年々減少している一方、スーパーカーメーカ(フェラーリ、ランボルギーニ、マクラーレン等)は反対に販売台数を年々伸ばしていますが、その中でもフェラーリの成績は常に右肩上がりで、今年2017年度・第二四半期においては、合計2,332台の車両を出荷しました。
これは、昨年同時期に出荷した台数よりも118台多く上回っており、この増加に大きく貢献していたのが、意外や意外のV12モデルとなる「GTC4ルッソ」であるとのこと。
もちろん、これにあわせてしてフェラーリ最高峰のスぺチアーレモデル「ラ・フェラーリ・アペルタ」も貢献。
また、V12自然吸気エンジンのみが搭載される最後のモデル「812スーパーファスト」も今後本格的に出荷台数を伸ばしていくと考えられ、第三四半期は更なる上昇が見込まれると予想されます。

ちなみに、今年度の売り上げにおいて大きく貢献しているモデルが「カリフォルニアT」や「GTC4ルッソT」「488GTB」といったV8ツインターボモデルで、常に安定した売り上げを伸ばしているとのこと。
この調子でいくと、2017年度の総出荷台数は約8,400台に上る可能性があると言われており、これは2016年に比べて4.8%の増加となる見込み。
恐らく、これだけの販売台数を伸ばした理由としては、(特に国内においては)驚異的な残価率を誇るフェラーリ独自のローン設定(残価リース)やランニングコストのかからないメンテナンスパッケージが存在していることが挙げられます。

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収益面においては、やはり収益率の高い個体をバンバン売り込んでいくフェラーリだけあって、2016年に比べて13.5%増の約1,200億円の純利益を獲得。
更に、今年6月までの3か月間純利益は昨年の(3月~6月期)約108億円に比べて、約192億円にまで上昇。
このままの調子で行けば、フェラーリの2017年度の総純利益は1440億円にまで達すると予想されています。

関連記事②:フェラーリの第1四半期決算において、純利益が59%増。2017年通期は過去最高の売上げ更新か

自動車ニュース・レスポンスにて、フェラーリの第1四半期決算に関する記事が公開に。

フェラーリは、2017年第1四半期(1月~3月)の決算報告。
・売上高:約1,020億円-前年比21.6%増(前年同期約834億円)
・純利益:約155億円-前年比59%増(前年同期約964億円)
これによる、売上高の主は「488GTB」「488スパイダー」「GTC4ルッソ」に加え、世界限定209台のみ販売の「ラ・フェラーリ・アペルタ」が貢献している模様。

以前の記事にて、フェラーリが1台販売する毎に得られる利益が約1,100万円という記事を公開しましたが、これは為替による影響も非常に大きいことは明らか。
しかしながら、(海外ではあまり残価リースという言葉を聞くとはないのですが…)日本では残価設定にてフェラーリを格安にて購入することができるという利点も考えると、年々売上高や純利益が向上しているというのも納得はできますね(残価設定の認知が広まっているというのも大きいと思われる)。

関連記事③:これがフェラーリのクロスオーバーモデル?「GTC4ルッソ」をベースにしたレンダリングが公開に

以前、フェラーリはこれまで「SUV(FUV)・クロスオーバーモデルのフェラーリを作ることは有り得ない」とコメントしたものの、2021年にはクロスオーバーモデルが登場する可能性があり、既にコードネームも「F16X」として登録している、という記事を紹介しましたが、今回新たなFUVモデルをイメージしたレンダリング画像が公開に。
今回公開されているレンダリングは、4シータ&AWDシステムにフロントにはV型12気筒エンジンを搭載した「GTC4ルッソ」ベースのFUVとなっています。

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このFUVレンダリングを確認していくと、シューティングブレークタイプの「GTC4ルッソ」の車を(サスペンションにて?)高くし、更にはフロントスプリッターやサイドスカート、リヤディフューザーといったカーボンファイバ製フルエアロを装着。
更にはフロントボンネットとルーフにはカーボンファイバ製パネルの装着によってボディカラーとのツートン化を図ることで、いかにもハードなオフロードモデルとして確認することができ、ある意味フェラーリからは想像できないほどに実用性を加味した個体に見えますね。
(特にルーフレールは何ともフェラーリらしからぬデザイン)

なお、このFUVのコードネームは上述の通り「F16X」にて登録され、2022年までのフェラーリのロードマップの始まりとして、来年の始めにはその商才が発表される可能性も高いと推測。

プラットフォームは、やはり「GTC4ルッソ」からの流用となり、2022年までにフェラーリの利益を2倍以上に高めることを目的に、パワートレインはV12→V8ツインターボへとダウンサイジングし、更には電気モータを搭載したハイブリッドモデルになるとの情報も。
しかしながら、その真意は今の時点でははっきりとはしていないものの、フランスやイギリスでは2040年にガソリン車両販売禁止の洗礼を受けることを考えると、その問題の対策を講じるためにも、早い段階にてハイブリッドモデルのラインアップ拡充の準備を進めてくるのではないかと考えられますね。