【転売対策?】ポルシェ・次期「911GT3」はPDKのみ。マニュアルはラインナップしない模様

2020-05-26

現行モデル「911GT3/911GT3RS」では自然吸気エンジンを守り続けてきましたが、次期モデル「911GT3」ではターボチャージャーを搭載し、更にはマニュアルトランスミッションがラインナップされるとの情報を展開していたにも関わらず、今回のオーストラリアのパブリケーションモータースの報告により、トランスミッションはPDKのみであることが発覚。

パワートレインとしては、排気量は不明ながらも水平対向6気筒ターボチャージャーを搭載し、最高出力は+50ps向上の550psを発揮すると言われています。
トランスミッションは、上記の通り8速PDKトランスミッションのみが販売され、マニュアルトランスミッション復活説は完全に排除されています(これはおそらく「911R」と同じ末路とならない転売防止策と推測)。

パフォーマンスとしては、0-100km/hの加速時間が約3秒、0-200km/hの加速時間は9秒、最高時速は330km/hにまで到達するとのこと。


また、今回の次世代モデルとなる「911GT3」は、パワートレインの追加重量を相殺することを目的に、軽量材料(カーボンファイバやマグネシウム等)の使用増加が見込まれるため、車両本体価格も現行モデルよりも更に上昇することが予想されます。
現段階の情報での販売時期としては、2019年初めとのことで今年の年末にワールドプレミアを予定しています。

Reference:CARSCOOPS

今後はマニュアルモデルが市販化される
関連記事:これは朗報。ポルシェのマニュアル仕様「911R」のようなモデルが市販車両として登場することに(2018/9/5投稿)


昨年、トップスピードやラップタイムに焦点を当てるのではなく、ドライビングの楽しさを体感するために開発されたポルシェ「911R」。
しかし、世界限定991台でミッション仕様という貴重なファクタを持った個体であることから、大きなプレミア価値を持つこととなり、新車販売価格約2,300万円であるのに中古車販売価格は驚異の8,000万円~1億2,000万円というとんでもない値が付いてしまったことから、”転売を目的に”購入するオーナーが急増。

これに対してポルシェ側は”何かしらの対策を行う必要がある”とのことから、ポルシェを購入したオーナーの購入・売却履歴を調査し、転売目的と判断した場合は、今後ポルシェの限定販売モデルの購入権を破棄する、というところまで進められていました。

しかし、ポルシェ側としては今回の新たな秘策?を打つことで、上記のような対策を取る必要性が無くなるかもしれません。
それは、ポルシェが「911R」のような”ピュアな911″を市販車両として販売すると述べており、つまりはマニュアルトランスミッションを搭載した「911」がポルシェの市販カタログに掲載されるというもの。

これについて、ポルシェR&Dのボスであるマイケル・スタイナー氏は「生産台数に制限のないスポーツカーでいて、もっと純粋なモデルを開発する。そしてこの個体は、トラック上ではなくロード上にて楽しめる911Rのようなものを目指す」とコメントしており、転売を目的に「911R」を購入してきたオーナーが頭を抱えるような大胆な策を講じたのではないかと考えられますね。

もちろん、ポルシェ側としては”純粋にポルシェというスポーツカーを楽しんで欲しい”という想いが込められているとは思いますが、その一方で、これまでマイナスなイメージであったポルシェの限定モデル(マニュアル付)を払しょくするための賭けでもあると考えられます。

ピュアな911が販売すれば、これまで高値で取引されてきた「911R」が急下落し、下手すると新車価格よりも低い額になるかもしれません。
それでも購入する人は、本気で「911R」で走りを楽しみたいと考えるオーナーかもしれませんし、そういった人たちに乗ってほしいという真の思いを持つのがポルシェというメーカなのだと思います。