ポルシェ「919ハイブリッドEvo」がスパ・フランコルシャンの記録を更新。空力特性向上+減量化を追求した反則モデルだ!

2020-05-26

ポルシェ最高峰のハイブリッドモデルでありながら、今年のル・マンレースにおいては規定上出場することが不可能となっている「919ハイブリッドEvo」が、スパ・フランコルシャンサーキット(7.004kmのロングロード)にてルイス・ハミルトン選手が生み出したメルセデスベンツAMG「W08 EQ Power」のタイム1分42.553秒よりも更に1秒近い4分41.770秒をマークし、世界最速記録を更新しました(「919ハイブリッド」のドライバはニール・ジャニ選手)。


今回世界記録をマークした「919ハイブリッド」は、フロントアクスルに搭載されたモータジェネレーターユニット(MGU)と排気ガスからのエネルギー回収用のERSを備えたKERSシステム+排気量2.0L V型4気筒エンジンを搭載しています。

今回の記録に挑戦するために、元々レース用に制限していた最高出力500psを解除することで、マクラーレン「720S」と同様の720psへとパワーアップ。そして先ほどのKERSシステムを組合わせることで、システム総出力1,160psへと向上されます。
※これ以上に更に出力アップが可能とのことで、この辺りはエンジンチューニングと足回りの調整により更に記録更新の期待が持てそうです。

なお、ポルシェ「919ハイブリッドEvo」の車体重量を更に軽量化するためにライト類や空調システム、ワイパーといった走行する上で不要となるものは全て無くし、最大39kgの減量化を行い849kgを実現。
以前にルイス・ハミルトン選手がマークしたメルセデスベンツAMG「W08 EQ Power」は702kgと更に軽量となっているため、今回は質量差を上手くカバーするために、「919ハイブリッド」の空力特性を調整し、より大きなフロントディフューザーと大型リヤウィングを追加。
更にはサイドスカートも細かく調整されているとのことで、これによりコーナリングの進入スピードや加速時の立ち上がりをメルセデスよりも凌駕し、結果的にF1よりも速い記録を打ち立てたとのことです。

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Reference:autoevolution