トヨタ・新型「スープラ」の開発は2012年からスタート。BMWとの開発コンセプトに大きな温度差もあった模様

2020-05-26

トヨタの大ヒットモデルで象徴的ともいえる2ドアスポーツクーペ「スープラ」。
このモデルの後継ないしは次期モデルを生み出すことは決して容易ではなく、次なるモデルとして登場するためには、どうしても時間がかかってしまうことは合理的ともいえます。
先日のインタビューにて、トヨタのチーフエンジニアである多田哲哉 氏によると、新型「スープラ」は2012年初めごろから既に開発がスタートしていたことを明らかにしました。


多田氏曰く、当時より開発がスタートしたときには、現在ラインナップの「86」や共同開発モデルであったスバル「BRZ」が発売したばかりで、それらのスポーツ要素を取り入れた技術と知恵が、今現在開発中の「スープラ」に活かされていることになったのだとか。

このとき多田氏は、スバルとの共同開発に留まらず、ダイハツとの共同開発モデルである「パッソ」にも力を入れていたため、他企業との交渉経験も含め、非日常性だけでなく実用性にも視点を置いた働きが身になっていると説明。

今回新たに登場する「スープラ」は、トヨタとBMWの共同開発により、クーペタイプをトヨタ「スープラ」、オープンモデルをBMW「Z4ロードスター」としてラインナップします。
トヨタとBMWは、ディーゼルエンジンをはじめとするパートナーシップを発表していますが、ここにたどり着くのは容易ではなく、トヨタが元々掲げていた新型「スープラ」は”ポルシェを吹き飛ばすスポーツカー”をコンセプトとしていましたが、BMWサイドは「ん~」と若干引き気味。

BMWサイドの反応を見た多田氏は「BMWの人々は、ポルシェに勝つことができる車を作るために必要なことを理解していないという印象を受けた。この時点で考え方に大きな乖離と温度差はあったが、本当のスポーツカーを作りたいなら、ポルシェ=高嶺の花という考えは捨てた方が良い」と独自に見解。

過去にスバルとの共同開発モデルであった「86」と「BRZ」とは違って、「スープラ」と「Z4ロードスター」は根本的に作りや性能も異なる上、エンジンも異なることがわかっています。
「スープラ」については、給電やハイブリッド技術等に頼らないBMW製直列6気筒自然吸気エンジンを搭載し、最高出力450hp以上を発揮するガソリンエンジンモデルをラインナップし、一方の「Z4ロードスター」は、195hpを発揮する直列4気筒モデルと380hpを発揮する直列6気筒エンジンの2種類をラインナップ予定(ハイブリッドの有無は不明)としています。

トランスミッションについては、「スープラ」は6速MTを提供するつもりはなく、独占的にデュアルクラッチトランスミッションを販売する意向を示しており、完成度も最終段階にまで近づいています。
世界デビューは2019年1月を予定していますが、大まかな予定変更がなければ、年内には何かしらの情報が展開される可能性がありそうですね。

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Reference:CARSCOOPS