ポルシェが欧州での新車販売を中止に。環境法規制違反の疑いによるものか?

2020-05-26

高級スポーツカーメーカであるポルシェが、欧州での新車販売を中止する計画を立てています。
現時点では、どのモデルが影響を受け、どの期間販売停止となるかは明確になっていないものの、ロイター通信によれば、Frankfurter Allgemeine Zeitungの報告書では、ポルシェが欧州での新車販売を中止すると述べているも、一時的に販売する数を制限すると一旦否定。
しかしながら、以前に排ガス不正問題等の環境法規制違反の疑いがあったことにより、更にその報告を覆すかの如く販売停止の影響を受けるモデルが登場すると再度説明しました。


もう何を言っているのやら…何が正しいのか訳が分からない状態ですが、Frankfurter Allgemeine Zeitungのオリジナルレポートでは、先日の金曜日の時点で、ポルシェ・ウェブサイト・コンフィギュレータ―にて、一部のモデルが利用できなくなっているとのことで、そういったモデルは今後販売することを中止することが濃厚となっています。

なお、コンフィギュレータ―にて短期間利用できないモデルとしては「718シリーズ/パナメーラ/ケイマン」等がピックアップされており、ポルシェの主要モデルともいえる「マカン」は時間枠が一切設定されておらず、超長期的に販売されないと予測。

一方で、「911シリーズ」についてもよくわからない区分がされており、「911GT3」は長期的な販売停止が施されているにも関わらず、更にハイパフォーマンスモデルの「911GT3RS」は短期間利用できないという謎対応。
一体どのような基準でこういった棲み分けが行われたのかは不明ですが、いずれにしても販売停止が開始するのは3か月後の9月1日からで、WLTP(Worldwide Harmonized Light Vehicle Test Procedure)とRED(Real Driving Emission)テストを含むエキゾースト測定サイクルの切り替えが行われます。

販売停止後は、燃費や汚染数値の測定に影響を与えるであろう大口径ホイールやシートヒーター、空調、四輪駆動、運転条件等を細かくチェックしていくとのことで、もしこれらの要素が影響するのであれば、今後のモデルにおいてホイールサイズや駆動方式等は実用性を考慮したものを優先化していくと思われ、デザイン性が二の次になってしまうかもしれませんね。

Reference:motor1.com

関連記事:VWグループ大丈夫?ポルシェのパワートレイン開発ボスが詐欺と虚偽広告の罪で逮捕(2018/4/22投稿)

全世界にて大きく取り上げられたフォルクスワーゲングループのディーゼルモデル排ガス不正問題について、この問題にて悪用していたポルシェ従業員を含む3名が逮捕されましたが、今回ドイツ警察は、同グループのディーゼル排ガス不正問題に関連してポルシェを襲撃し、ポルシェのパワートレイン開発ボスを担当したヨルグ・ケルナー氏を逮捕しました。

今回の一件に関し、Frankfurter Allgemeine Zeitungによるとポルシェの研究開発責任者であるマイケル・スタイナー氏と無名の元従業員達3名を拘束。彼らは高排出ガスを隠ぺいすることが可能なディーゼルエンジン専用のソフトウェアを製造し、詐欺並びに虚偽広告を作成した罪として訴えられました。

ただ、これらのエンジンに関して、ポルシェは一切ディーゼルエンジンを製造しておらず、フォルクスワーゲングループから供給されたエンジンが、排ガス規制を満たしていないことは知っていたと言われていますが、同じグループ以外のアウディやポルシェからも新たな闇が現れそうな予感はありますね。

ちなみに、Automotive Newsによれば、ヨルグ・ケルナー氏はポルシェに異動する前に、アウディのエンジニアチーフに就き、エンジンとトランスミッションのソフトウェアとエレクトロニクスの取扱いも担当。もしかすると、このとき既に違法と思われるソフトウェアの開発を密かに行っていたのではないかとも言われていました。

来年からは、ポルシェ「ミッションE」の販売に伴い、同社ディーゼルエンジンモデルのラインナップ化は遠ざかり、主にエレクトリックモデルを主体として販売化が進められていく予定。
ただ確実にディーゼルモデルが無くなるわけではなく、だからといってポルシェ独自のディーゼルエンジンを開発したり製造することはなく、あくまでもアウディないしはフォルクスワーゲングループからのエンジン供給による市販化を計画していると会長のオリバー・ブルーメ氏はコメントしていますが、そう言いながらもさりげなくディーゼルモデルは市販化せずにハイブリッドモデルとエレクトリックモデルへと本格的に注力し、過去の話を無かったことにするような手立てをとりそうな予感も有りそうな気はします。