フェラーリの2018年~2022年の製品ロードマップが遂に初公開。60%以上がハイブリッドモデル、V6エンジン登場、「ラ・フェラーリ」の後継も

2020-05-26

新CEOとなってからの製品ロードマップが初公開

さて、先ほどフェラーリの最新SUVモデル「Purosangue(イタリア語でサラブレッド)」に関する記事をご紹介しましたが、今度はフェラーリの2018年~2022年にかけての製品ロードマップをご紹介。

今年、肩の手術からの合併症にて脳卒中となり還らぬ人となった前CEOのセルジオ・マルキオンネ氏から、新CEOのルイス・キャリー・カミレリ氏に代わり、初めてのロードマップ公開となりますが、何とか2022年までにはフェラーリのラインナップモデルの60%以上がハイブリッドになるといわれています。

もちろん、他社のように自律走行車両を搭載するところまでは進んでいないものの、いずれはこういった技術も当たり前のように採用してくるのかもしれません。
ただ、フェラーリが以前から開発を進めている人工知能システムについては、詳細は明らかにされていないものの、排他性とカスタマイズに重点を置いており、このシステムがいずれフェラーリのラインナップモデルに搭載されることは時間の問題となっています。

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新型モデルが15車種登場。60%以上はハイブリッドモデルに

ちょっと前置きが長くなりましたが、今回フェラーリが発表したロードマップには、新型モデルとして15車種が登場する予定となっています。
その中で、スポーツシリーズやGTシリーズ、スペシャルシリーズのコアカテゴリと、新しい専売顧客にアプローチをするICONAカテゴリ(先日の「モンツァSP1/モンツァSP2」がその例)の4種類も含まれています。
加えて、現在の市場動向を踏襲することで、コンセプトカーをベースとした量産モデルの総生産量を約40%に拡大していきます。

フェラーリの方向性も大きく変化?

フェラーリは、より多くの選択肢と独占的な技術を持って販売を強化していきます。
フェラーリのラインナップモデルは続々と増えていく一方で、顧客にとっては投機目的として購入することが難しくなってしまうとの噂も浮上していますが、ルイスCEOにはその考えが少なくともあるみたいで、今後は転売や投機といった目的でフェラーリを販売することは考えていないとのこと(基本的な考え方は変わっていないっぽい)。

フェラーリは、需要と供給の面では常に上向きではありますが、その一方で目標市場浸透指数は小さいままと言われています。
これは、バイヤーのカスタマイズレベルを上げるとともに、大幅に増加している車両価格設定に起因する可能性があるとのこと。
マージンが非常に高く、ニューヨークにて開かれるような新しいデザインスタジオがあるため、フェラーリの成長にとって非常に重要な側面となります。
フェラーリのショールームも増え、既存の店舗は新しいスタイリングの手掛かりに合わせて改装されていきます。
このプロセスは既に開始されていて、新しい要素が車の選択の幅を広げることにつながっていきます。

フェラーリが更に力を入れる要素は”アーキテクチャ”と”音”

フェラーリは今後、アーキテクチャと”音”にもこだわっていくことになりそうです。
フェラーリは、2つのアーキテクチャに基づいて製造されて、1つはミッドエンジンレイアウト、もう一つはフロントマウントモデルとなり、どちらも2021年までにはハイブリッドエンジンを採用することになります。

GTシリーズ

特にGTシリーズについては、快適性に重点が置かれていて、将来的には”スタイル・優雅さ・運転的な感情”を組合わせ、PHVの計画も進めているとのこと。
GTシリーズといえば、先ほどもご紹介したクロスオーバーモデルの「Purosangue」も含まれるとのことで、1950年代と1960年代のクラシックにて洗練されたモデルにインスパイアされたユニークなデザインとエレガントさが加味された超高級セグメントとして、ベントレー「ベンテイガ」やランボルギーニ「ウルス」が競合になるといわれています。

スペシャルシリーズ

次にスペシャルシリーズについては、”デザインと運転的感情”がキーワードとなっていて、極端なスタイリングの他に、数量も制限されるとのこと。

Iconaシリーズ

そして、最も上位に位置するIconaについては、革新的な材料と最先端テクノロジーを活かしつつ、レトロなスタイリングや現代のパワートレイン、そして軽量構造にすることで他に無い最高の一台を提供します。

「ラ・フェラーリ」の後継について

なお、製品ロードマップにもある通り、フェラーリは最強のハイブリッドモデル「ラ・フェラーリ」の後継も開発中で、新技術とパフォーマンスの頂点を目指した一台を提供します。
詳細は明らかにしていませんが、システム総出力1,000psを超えることは間違いないでしょう。

V型6気筒エンジンについて

フェラーリは、新たなエンジンラインナップとしてV型6気筒エンジン加えます。
これは、最高出力400ps相当のパワーとターボラグゼロのハイレスポンスなエンジンを実現し、更には電化を組合わせたハイブリッドを提供する予定です。

同社CTOのMichael Leiters氏によれば、フェラーリは今後、ますますハイブリッド技術を活かしたモデルがラインナップされ、新しいエンジンを搭載することで”性能/感情/多機能性/快適性”といったDNAを投入していくと説明しています。
そして、ここに最も重要とされる要素に、”音(サウンド)”があるとして、エンツォ・フェラーリ氏の代から引継がれる”エンジンは車の魂”を胸に、革新的なV型6気筒エンジンもしくは直列4気筒エンジン?!と新しいアーキテクチャによって、あの官能的なサウンドを生み出していくと説明しています。

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Reference:motor1.com