恐怖と幸福を掛け持つスーパースポーツ。ポルシェ「911GT3RS」の助手席に試乗する

2020-05-26

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先日、芦有ドライブウェイに訪問した際、みんカラにていつもお世話になっているみん友の”LFPたかちゃんさん”が、ランボルギーニ「アヴェンタドールSV」から、ポルシェ「911 GT3RS」に乗換えられたということで、そちらのお披露目会がありました。

芦有ドライブウェイでの車談義を終えた後、”LFPたかちゃん”が神戸総合運動公園にて開催の「関西舞子サンデー」というオフ会に参加されるということで、今回私のわがままにより「芦有ドライブウェイ 東六甲展望台~神戸総合運動公園 会場」まで(移動距離約30km)のポルシェ「911GT3RS」の助手席に乗らせていただきました。
その際に、「911GT3RS」の助手席に乗ってみて私が感じたことを簡単にですが以下に記載していきたいと思います。


【概要】
まず、今回(助手席にて)試乗させていただいた「911GT3RS」の概要についてですが、「911」のハイパフォーマンスモデル「GT3」をベースに、排気量を3.8L→4.0Lにアップしたモデルとなります。
さらに、軽量化のために「911 Turbo」のアルミボディに加えて、マグネシウムルーフやカーボンボンネット、エンジンソリットを採用した、いわば「911の良いとこ取り」をした個体となります。

【主要諸言・スペック】
・排気量4.0L 水平対向6気筒自然吸気エンジン

・最高出力:500ps、最大トルク:53.0kgm
・ミッション:7速デュアルクラッチ(クリープ走行可)
・全長/全幅/全高:4,545mm/1.900mm/1,290mm
・ホイールベース:2,455mm
・車両総重量:1,420kg
・0-100km/h加速:3.3秒
・最高速度:322km/L

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【(助手席)試乗インプレ】
さて、早速ポルシェ「911GT3RS」の助手席に乗り込むわけですが、まず乗り込み時のサイドシルの太さとシート位置の低さに驚きます。
サイドシルからフロアマットに足をつけるまでにかなり姿勢を崩した状態にしなければ乗り込みが非常に難しいわけですが、この辺りはまずシートのステッチに一旦お尻を乗せて座り込み、そこからグルッっと体を車内へと回り込みながら脚を入れていった方が楽そうです。

そして、「911GT3RS」のエンジンスタート。
やはりエンジンスタート音は、まるでスーパーカーのような野太いエキゾーストを奏でます。
シートはフルバケットシートであり、一部アルカンターラ?が使われた本革シートで若干硬めではありますが高速走行時や加速時のシートとの張り付きを考慮するとちょうど良い硬さかもしれません。

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さて、まずは東六甲展望台~有馬のインターチェンジまで芦有ドライブウェイの峠道(下り)を走ることとなります。
ルートは以下の通りとなるわけですが、ヘアピンコースやRの大きいカーブ等、とにかくスーパースポーツの走行性能を確認できる絶好のコースなわけです。

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まず、峠道での走行インプレですが、カーブに差し掛かる前のストレートの道での加速はとにかく驚異的。
加速時のGが体全体をシートに張り付かせるわけですが、ここでちょっと不思議に感じたことに加速をすればするほど体とシートとの密着感が強くなるのはもちろんなのですが、なぜか不思議と背中が圧迫されるような感じにはならないわけです。
っというのも、Gが強くなればなるほどシートに圧迫されるはずなのですが、ある一定の荷重量がシートにかかったときに硬めのシートが若干やわらかい感触になるわけです。
これはあくまでも私個人の感想ですが、シートの材質が特殊なものなのか速度に応じて硬さが変わっているようにも感じられ、この辺りは一般道では味わえない独特のポイントだと思います。

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続いてストレートからカーブに差し掛かるときですが、パドルシフトによる減速時の「ブォン!」というブリッピングはまるでスーパーカーのようなサウンドであり、さらにそこから差し掛かるときの僅かな減速によるカーブへの突っ込みはとんでもない恐怖心があるわけです。
自分自身で車体をコントロールしているわけではないので、どの程度のブレーキングでどれだけの加速でカーブに差し掛かるのかわからないのが助手席の立場なわけですが、ここまで「ヤバイ突っ込みだ」と思わせつつも”あっけなく”カーブを駆け抜けるこの個体の走行性能の高さに恐怖とは相反する幸福をもたらしますし、二つの意味で陶酔できるわけです。

駆動システムは「RR」なため、”車を操作する”という楽しさがある一方で、”スピンするかも?”といった不安もありますが、今回ウェットかつ落ち葉のあるカーブでの突っ込みにおいて、この個体の安定感は非常に高くクイックに曲がれるといった車体バランスには圧巻。この個体に乗っているオーナー様は本当に幸せ者であると感じてしまうほどです。

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峠道を抜けたあとは有馬から約20km程高速道路にて走行するわけですが、ここでも「911GT3RS」の殺人的な加速力に驚きを隠せないわけです。
具体的な速度は言えませんが、高速領域での車体のバランスと高速回転時のエンジンサウンドは、フェラーリやランボルギーニさえも凌駕してしまうのではないかと思ってしまうほど(少し言い過ぎ?)。
乗り心地も非常にマイルドですし、この個体の走りの楽しさを味わえる余裕すらも感じられます。

【総括】
今回、ポルシェという車に乗ったのは、以前「ケイマンGT4」の助手席に少しだけ乗せていただいたとき以来2回目となるわけですが、上記にも記載した通り、”恐怖”と”幸福”を同時味わえる究極の試乗であったと感じます。
本来”恐怖”というのは、典型的な情動のひとつで、有害な事態や危険な事態に対して有効に対処することが難しいような場合に生じることではありますが、”幸福”の道へと誘うことのできる”恐怖”というのはまず味わうことは難しいことだと思いますし、そういった生死の境目を味わえる究極且つ奇跡の体験ができる一台ではないかと考えています。

【最後に】
今回、私の勝手なわがままにて関西舞子サンデーまでの道中を共にさせていただき、更にはこのような究極且つ奇跡の体験を味わわせていただけた”LFPたかちゃんさん”の懐の深さと優しさに感謝です。

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