三菱・新型「デリカD:5」に試乗。ミニバンというよりもスポーツSUVに乗ってる感じ、フルモデルチェンジレベルの全く別物の乗り物に

2021-07-02

乗って初めてわかる。だからこそ新型「デリカD:5」にはまず試乗してほしい

2月15日よりいよいよ販売スタートとなった三菱の新型「デリカD:5」に早速試乗してきました。
今回ビッグマイナーチェンジを果たした新型「デリカD:5」ですが、厳密にはディーゼルモデルのみが大きくデザイン等が変更され、ガソリンエンジンモデルがそのまま併売されるという販売スタンスを取り、本格的に三菱の四輪駆動&ミニバンモデルのディーゼル化に備えた重要なスタートアップモデルとなります。

以前より、当ブログサイトでも新型「デリカD:5」に関する情報は定期的に更新してきましたが、これまで紹介してきた三菱の新技術に対して、実際に試乗しての感覚として「本当に買いなのか?」「俗世間で言われる静粛性の向上はしているのか?」「トルクある走りなのか?」をインプレッションしていきたいと思います。


今回の試乗モデルはスタンダードモデルの”G-PowerPackage”

さて、早速新型「デリカD:5」の試乗を行っていきましょう。
今回の試乗のグレードはスタンダードモデル&サブトップグレードとなる”G-PowerPackage”。
ボディカラーは有料色となるウォームホワイトパールで一番シンプルな定番カラーとなりますね。

それ以外のオプションとしては、外付け可能となるディーラオプションとして「DELICA D:5オリジナル10.1インチナビゲーション」や「フロアマット」、「マッドフラップ(レッド)」、そして「テールゲートスポイラー」が装備されています。

ちなみに、新型「デリカD:5」はおおきくスタンダードモデルと都会派スポーツタイプの”URBAN GEAR”がラインナップされます。
各グレードと価格帯は以下の通り。

【新型「デリカD:5」:価格一覧(税抜)】
グレード”M”:3,842,640円(3,558,000円)/型式[3DA-CV1W LUSFZ]
グレード”G”:3,942,000円(3,650,000円)/型式[3DA-CV1W LUDFZ]
グレード”G-PowerPackage”:4,082,400円(3,780,000円)/型式[3DA-CV1W LUHFZ] ← 今回の試乗グレード
グレード”P”:4,216,320円(3,904,000円)/型式[3DA-CV1W LUXFZ]
グレード”URBAN GEAR G”:4,067,280円(3,766,000円)/型式[3DA-CV1W LUPFZ]
グレード”URBAN GEAR G-PowerPackage”:4,207,680円(3,896,000円)/型式[3DA-CV1W LUFFZ]

また新型「デリカD:5」の主要緒元もあわせて以下に記載します。

【「デリカD:5」主要緒元】
全長4,800mm×全幅1,795mm×全高1,875mm
ホイールベース:2,850mm
駆動方式:4WD
最低地上高:185mm
車両重量:1,950kg(G-Power Package)
乗員定員:7人乗り
最小回転半径:5.6m
燃費(JC08モード/WLTCモード):13.6km/L / 12.6km/L
エンジン:排気量2.2L 直列4気筒ディーゼルターボチャージャーエンジン
最高出力:145ps/3,500rpm
最大トルク:380/2,000rpm
トランスミッション:8速スポーツAT
使用燃料/タンク容量:軽油/64L

乗り込みからいきなり驚くレベル

さて、実際に新型「デリカD:5」の車内に乗り込んでいきましょう。
ドアを開けてシートに座り込みますが、サイドシルの位置とフロアマットの位置が想像に以上に低かったのか、ストレスなく乗り込むことができます。

インテリアのシートは標準のファブリックで、触り心地としてはそこそこに柔らか目。
オーナメントパネルは、スタンダードタイプでは標準装備となる木目調のサバ杢を採用していますね。
このサバ杢のオーナメントパネルなのですが、当初画像で見たときは「ちょっと渋過ぎない?」と思ったりもしましたが、いざ現車で見てみると想像以上に落ち着いたデザインで、ブラックのインテリアと上手くマッチングしているように感じましたね。

一通りインテリアを確認後、強くブレーキを踏みながらプッシュスタートエンジンボタンを押してエンジンをスタートさせますが、ここで驚くのがエンジンスタート時の振動が全くシートに伝わってこなかったこと。
以前、特別仕様車の「デリカD:5 JASPER(ジャスパー)」に試乗した際には、エンジン始動時の振動が足元やお尻に伝わってきたことを記憶していて、今回の新型ではそういったことが無かったことから、相当に振動やノイズ対策には力を入れているのだなぁと感心。

その後、シフトレバーを”D”レンジへと移動させ、いざ公道へと参ります。
今回の試乗コースは主に市街地となるため、そこまで厳しいコーナリングのある道や急こう配のあるような道は走っていないのですが、平坦且つ信号無しのロングコースを走行させていただくことに。

アクセルを踏み込んだ時の静けさと安定性に脱帽。新型デリカはこんなに上質なの?

まず、試乗開始早々に驚かされたこととしては、アクセルを踏み込んだときのエンジン音(騒音?)がほとんど車内には聞こえることなく、しかしトルクのある力強い走り出しによって一気に加速していくことができます。
新型モデルでは、トランスミッションが6速AT→8速ATへと多段化したことにより、よりシームレスでナチュラルな加速を体感することができます。
つまりは、加速時のシフトチェンジによるショックと体の揺れがほとんどない為、加速時の身体的ストレスは無く、ゆったりとした姿勢で運転することができます。

新型「デリカD:5」では、ロングドライブを基本コンセプトとして作られていることから、車内に対する遮音性の向上にはかなり力を入れている様子で、それに加えて静粛性というファクタにおいてもしっかりと向上され、車内に入り込んでくると予想していた騒音がほとんどありませんでした。
車内では、音量小さめながらもテレビ(ジャパネットたかたの通販番組)を流していたのですが、このテレビから聞こえてくる声が仏に聞き取れるほどにエンジンは静かでしたね。

ここでシフトを”D”→”M(マニュアル)”へと移行し、パドルシフトで操作しながら運転してみたところ、敢えてエンジン回転数を高くキープした状態で走行してみましたが、高い回転数のときに生じていた振動がパドルシフトには全く伝わることなく、かなり安心してステアリングを握ることができ、加えて何の振動も無くパドル操作もできるというのは大きなポイントかもしれません。

車体はミニバンというよりもスポーツSUVに近い

また、この日は少し風が強かったのですが、横風で前方のミニバンモデルが少し不安定になりながら走行していながらも、新型「デリカD:5」ではそういった不安があまりなく、加えてある程度スピードが乗った状態で際どいコーナーに差し掛かっても、殆どロールを出さずに走行することができるのも素晴らしいポイントだと思います。

正直、アクセルを踏み込んだ時の加速感と車体の安定性、エンジンサウンド、ステアリングの軽さをトータルすると、全体的なバランスが見事にとれているので、安心して運転できるのがこの個体の魅力的なところなのかもしれません。
ぶっちゃけ、ミニバンを運転してるというよりも、スポーツSUVを操作しているような感覚になり、もっと長い距離を走らせてみたいと思える楽しいミニバンであったように感じます。

新型デリカは価格に見合うだけのスペックと質感を持っている

以上より、新型「デリカD:5」を試乗してみてのまとめとしては、特別仕様車”JASPER(ジャスパー)”と比較しても、乗り味から加速感、安定感と言った車に必要な要素がほとんど満たされていて、「これフルモデルチェンジしたの?」と疑ってもおかしくないほどに完成度の高い一台でした。

価格帯としても、3,842,640円~4,216,320円とプレミアムミニバン級の値の張る個体ではありますが、正直これだけの価格帯になっても不思議ではない上質なモデルであることは確かですし、リセール率の高さ(3年で50%以上)を鑑みると、十分に買いと言える一台ではないかと思います。

三菱・新型「デリカD:5」に関する最新情報はコチラにてまとめております。

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