えっ、そうなの?ポルシェのカーボンブレーキ(PCCB)はレーシング向けではない。ポルシェ「サーキットで活用するなら鉄製を使いなさい」
カーボンブレーキはサーキット向けではない
ポルシェやフェラーリ、ランボルギーニ、マクラーレンといったスーパースポーツモデルを製造する自動車メーカが採用するカーボンブレーキ(ポルシェであればPCCB[ポルシェ・セラミックコンポジット・ブレーキ]と呼ばれオプション費用にして約100万円)ですが、ポルシェによればこのブレーキはサーキット等のような特定の用途には適しておらず、仮にサーキットにて頻繁的に使用するのであれば鉄製のブレーキディスクを推奨していることが明らかになりました。
誤解を生んでいたカーボンブレーキ
カーボンセラミックブレーキは、ここ10年ほどでますます普及するようになり、鉄製ブレーキに比べて”錆びにくい”、”鉄粉が出にくい(つまりホイールが汚れにくい)”というメリットからオプション設定するユーザーも非常に多い(っというかカーボンセラミックブレーキが一つのブランドになっている)のですが、実はこのブレーキを使用することで継続的なヒートサイクルを与えることで、非常に高い耐性を得ることが可能であるものの、時間経過によって劣化していくというデメリットも持ち寄せています。
つまり、寿命という観点において、カーボンセラミックブレーキは何故か「長寿命」というイメージが定着してしまったようです(恐らく鉄粉等が出てこない、ホイールが汚れにくいことから劣化もしにくいと拡大解釈された?)。
そして、新型「911(992)」の開発に大きく関係しているポルシェ・オーストラリアのシニアエンジニア代表であるポール・ワトソン氏によれば、「サーキットでは強力なブレーキが必要になるため、カーボンセラミックブレーキにて強力なブレーキを多くすればするほど劣化の恐れが高くなる。熱が蓄積するとディスク内の炭素繊維が劣化してしまうため、ポルシェ本来の走行性能を発揮することはできない。これを発揮するためには鉄製のブレーキディスクを推奨している」と説明しています。
なお、カーボンセラミックブレーキの標準装備を最後の最後まで悩んだモデルがフェラーリ「エンツォ・フェラーリ」となりますが、トータル的にカーボンパーツでこだわるよりも、走行・操作性能を高めることを優先していたと言われています(とは言いながらも結局カーボンセラミックブレーキを採用していますが…)。
そして、これは今さらながらの補足で知っている方がほとんどだと思いますが、ポルシェのブレーキの見分け方(カーボンか鉄製)としては、イエローのキャリパカバーを装着しているのがカーボンセラミックブレーキ、レッド(もしくはそれ以外)のキャリパカバーを装着しているのが鉄製ブレーキとなります。
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Reference:CARSCOOPS