三菱・新型「eKクロス(eK X)」に試乗。乗り味は非常に軽やか、ハンドルも軽く小回り抜群。気になる乗り心地や加速はどうだ?【動画有】

2022-06-29

~新型「eKクロス」試乗してきた!~

さて、3月28日に発表・発売スタートしたばかりの三菱・新型「eKクロス(eK X)」に試乗してきました。
既に外観やインテリアのレビューは完了済みで、一通り「eKクロス」の特徴や強み等もチェックすることができました。あとは気になる乗り心地や走行性能といった試乗レビューとなりますが、やはり三菱がかなり力を入れているモデルであり、スズキ「ハスラー」やダイハツ「ウェイク(WAKE)」を競合としているだけあって、三菱なりに力をいれるべきポイントをしっかりと押さえた味のある一台ではないかと考えています。

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今回の試乗レビューですが、かなり主観的で辛口な意見と感想が多く記載されているものの、その一方で好印象となる意見も多数記載しております。
素人レビューなので不足している情報は多々ありますが、あたたかい目で見ていただけたらと思います。


~今回試乗したモデルのグレードやオプション内容を見ていこう~

今回拝見した新型「eKクロス」のグレードは、最上位となるターボエンジン搭載の”T”で、駆動方式は4WDとなります。
そのため価格も、最上位の1,765,800円からとなります。
ボディカラーは、何とも個性的なオリーブグリーンメタリック/チタニウムグレーメタリックの2トーン(有料色+81,000円)で、アウトドアやオフロードに適したような味のあるカラーといったところですね。

その他においては、メーカオプションとなる「先進快適パッケージ(MI-PILOT+電動パーキングブレーキ+ステアリングスイッチ(MI-PILOT))」(70,200円(税込))「先進安全パッケージ(デジタルルームミラー[マルチアラウンドモニター表示機能付き]+マルチアラウンドモニター[移動物検知機能付])」(91,800円(税込))、そしてルーフレール(27,000円(税込)が装備されますが、ここから更に9インチナビゲーションディスプレイやフロアマット、サイドバイザー、ナンバープレート枠等を装備すると、諸経費込で約250万円ぐらいまで跳ね上がる贅沢な一台となります。

参考のため、気になるグレード別の価格帯は以下の通りとなっています。
新型「eKワゴン/eKクロス(eK X)」のグレード別価格帯を公開していきましょう。
今回新しく登場する新型「eKワゴン」は大きく2グレード・駆動方式も含めて4種類ラインナップされ、「eKクロス」は大きく3グレード・駆動方式も含めて6種類ラインナップされます。
グレードは以下の通りで、基本的に「eKワゴン」にはターボグレードがラインナップされず、「eKクロス」ではターボグレードがラインナップされるという違いだけになりますね。

【「eKワゴン」グレード別価格帯一覧(税込)】
○ベースノンターボグレード”M・2WD”・・・1,296,000円
●ベースノンターボグレード”M・4WD”・・・1,425,600円
○中間ノンターボグレード”G・2WD”・・・1,377,000円
●中間ノンターボグレード”G・4WD”・・・1,506,600円

【「eKクロス(eK X)」グレード別価格帯一覧(税込)】
○ベースノンターボグレード”M・2WD”・・・1,414,800円
●ベースノンターボグレード”M・4WD”・・・1,544,400円
○中間ノンターボグレード”G・2WD”・・・1,555,200円
●中間ノンターボグレード”G・4WD”・・・1,684,800円
○上位ターボグレード”T・2WD”・・・1,636,200円
●上位ターボグレード”T・4WD”・・・1,765,800円

今回の新型「eKクロス」の主要緒元はこんな感じ。
グレードは最上位のターボ”T”となるため、エンジンスペックはターボ仕様のみ記載しています。

【「eKクロス」主要緒元一覧】
○全長3,395mm×全幅1,475mm×ルーフレール無しの全高(2WD:1,640mm/4WD:1,660mm)、ルーフレール有りの全高(2WD:1,665mm/4WD:1,685mm)
●ホイールベース:2,495mm
○トレッド前/後:1,300mm/1,290mm
●最低地上高:155mm
○室内長2,065mm×室内幅1,340mm×室内高1,270mm
●車両重量:[2WD・T]860kg/[4WD・T]920kg
○最小回転半径:[2WD&4WD・G&T]4.8m
●燃費(WLTP):[2WD・T]19.2km/L/[4WD・T]16.8km/L
○燃費(JC08モード):[2WD・T]25.2km/L/[4WD・T]22.8km/L
●エンジン型式:日産製BR06 D4 I/C T/C
○エンジン弁機構・気筒数:DOHC・12バルブ・直列3気筒
●内径×行程:62.7mm×71.2mm
○圧縮比:9.2
●排気量:0.659cc
○最高出力:64ps/5,600rpm
●最大トルク:100Nm/2,400rpm~4,000rpm
○燃料供給装置:電子式
●使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
○タンク容量:27L
●モータ型式:5M21
○モータ種類:交流同期電動機
●モータ出力:2.1/1,200rpm
○モータトルク:40Nm/100rpm
●動力用主電池(種類):リチウムイオン電池
○変速器形式:CVT(自動無段変速機)
●変速比:(前進)2.411~0.404/(後退)2.295
○最終減速比:6,540
●ステアリング形式:ラック&ピニオン
○サスペンション:[フロント]ストラット式/[リヤ・2WD]トーションビーム式・[リヤ・4WD]トルクアーム式3リンク
●ブレーキ形式:[フロント]ディスク/[リヤ]リーディングトレーリング式ドラム
○タイヤ:165/55R15

~早速新型「eKクロス」に試乗しみてよう~

新型「eKクロス」に試乗していきたいと思います。
まず、ブレーキを強く踏みながらステアリングの左後ろにあるエンジンスタート/ストッププッシュボタンを押します。

エンジン始動のサウンドは非常に静かで、車内にはエンジン始動時の振動等は特に伝わってくることはありませんでした。
このあたりは現代の自動車ではしっかりと改良されているポイントなのですが、それ以前にちょっと驚いてしまったのが、車内に乗り込んでエンジンをかけるまでの流れがあまりにもスムーズ過ぎだったこと。

実は今回の試乗、セールスさんが同情せずに単独での試乗だったのですが、その際に特にこれといった説明を受けずに乗車したため、普通ならどこにエンジンスタートスイッチがあるのか探すものですが、乗った瞬間に「ここにエンジンスタートがあるのね」と理解し、すぐさまブレーキ→エンジンスタートという自然な流れに入ったため、それだけ「eKクロス」の室内は直観的にすぐわかるレイアウトに仕上げられていることがわかります。

極めてシンプルなインテリアですし、センターコンソールやアームレストは無くとも、それだけ室内空間の確保に努めた実用性高き一台であり、乗員のことを真っ先に考えた個体なのだと認識できます。

~軽ターボの加速性はコンパクトカーの自然吸気並み?~

エンジンスタート後は、早速公道を入っていきます。
センターシフトノブを”P”→”D”レンジに移動後、電動パーキングが解除されそのままクリープで公道へ。段差を乗り越えて公道に入っていきますが、剛性は中々に高く揺れもほとんどありません。
全高の高い「eKクロス」ですが、その分ホイールベースが2,495mmとコンパクトカー並みのロング仕様になっているため、結構安定しているというのも大きなポイントなのかもしれません。

いざ公道に入ってストレートの道を加速していくと、やはりターボ+ミニハイブリッド独特の力強いトルクを活かした加速を発揮してくれます。
この加速がどの程度のモデルに匹敵するかまではちょっと例えが難しいものの、個人的にはトヨタ「ヴィッツ」並みの加速を持っているのではないかと思ったり…ただ、アクセルを踏み込んだときの加速度メータの振り切りとエンジン音は中々に豪快で、この辺りは軽自動車が永遠に課題・改善すべきポイントなのかもしれません。
ですが、その加速したときの振動は思いのほかシートには伝わってきませんし、やはりボディがしっかりとしている分、車内の快適性は相当に高いと実感しています。

~視界はかなり良好。周りからの視線も自然に集まる~

走行中の視界についてですが、これは結構広範囲に見渡せるのは良いところですね。
停止線に非常に近い信号もしっかりと見上げて確認することができますし、なによりもAピラーが結構細く作られているので死角になりにくいのはグッドポイント。

そして、走行しているときの周りからの視線も結構熱かったです。
何たってこのフロントデザインですからね。軽自動車でこの迫力と注目力、そしてアウトドアを意識したかのようなカラーバリエーションは中々だと思います。
良い意味で目立ちますし、老若男女問わず覚えてもらいやすいモデルなのかもしれません(そこも三菱の計算だったりして?)。

~ハンドリングはちょっと違和感を覚えるほどの軽さ?~

後はハンドリングですが、車体重量やタイヤの接地面積の小ささが大きく影響しているのでしょうか…ハンドルを切ったときの軽さが異常に軽く感じます。
これは結構違和感を感じる程の軽さですね。
クリック且つ小回りも相当に効くところは高く評価すべきポイントなのですが、この軽やかさが反対に仇となって切り過ぎ→車体が横転する?という直観的な不安を与えてしまわないか?と思ったりしますが、これは慣れで何とか対応すべきところなのかもしれません。
それだけ軽やかに走ることができますし、悪路等での走破性に必要な要素なのかもしれません。

~気になる乗り心地はどうだ?~

あとは乗り心地ですが、これが非常にソフト且つマイルドで安定していますね。
軽自動車特有の拘束されたのような感覚ではなく、どちらかというと開放感があって広々とした車のため、特に気疲れもしないですし、自身の体をやさしく包み込んでくれるようなシートと空間だと思います。
運転している立場としては、特にこれといった疲れる要素は無いのですが、問題なのはやっぱり後席ですね。
常時リラックスして座っている立場となったときに、走行中のロードノイズや揺れはどの程度発生するのか、そういった違和感がどれだけ体に影響を与えるのかは非常に気になるところ。
これについては、また後日タイミングが合えば後席試乗してみようと思います。

~「eKクロス」は買いなのか?~

これらをもって、総合的に判断して新型「eKクロス」が買いなのかどうかを考えてみると、安全装備の充実化は相当に魅力的ですし、なによりも室内空間は他の軽自動車では中々味わえないほどに広々としていて、もしかするとミドルSUVよりも広いのでは?と錯覚してしまうほど。
っというか、ファミリーカーとして所持するのも結構アリかもしれません。
そういった快適性に加えて安全装備が十分に装備されて200万円以上の高いお金を支払って購入する価値は十分にあると思いますが、上記のように後席に人を乗せなかったり、通勤オンリーで使用することを目的に購入するのであれば、あまりオススメしない一台だと思っています。

過去これまでの試乗記事はコチラにてまとめております。

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