お次はターボ、小排気量ターボを侮るな。トヨタ「CH-R」に試乗する

2020-05-26

20161223_9_ch-r

以前より、とても気になっていたトヨタのコンパクトSUV「CH-R」に試乗。
前回のブログにて、この日はハイブリッドの”G”モデルとターボの”S-T”モデルに試乗するということで、非常に貴重な体験をさせていただきました。
今回は、ターボ仕様でベースグレードとなる「CH-R “S-T”」を試乗です。

ハイブリッド版の試乗記録は以下の関連記事から

関連記事:まずはハイブリッドから、やはり国産最高クラスの仕上がり。トヨタ「CH-R」に試乗する


【外観インプレ】
今回試乗させていただいた個体は「CH-R “S-T”」というグレード。

「CH-R・ターボ」のベースグレードになります。
ボディカラーは何とも珍しい”イエロー”ですね。

20161223_8_ch-r

駆動方式については、ハイブリッド仕様の試乗記にも記載の通り、ハイブリッド仕様は”FF(前輪駆動)”のみ、ターボ仕様は”4WD(四輪駆動)”のみの選択となります。

ホイールは、”S-T”グレード標準の17インチアルミホイール(シルバーメタリック塗装/センターオーナメント付)で、前後同径の215/60R17となります。
個人的には、”G”または”G-T”の上位グレードの18インチアルミホイールの方が、スポーティで大きく+カッコよく見えて好みですね。

20161223_12_ch-r

今回、「CH-R」から流れるウィンカー(シーケンシャルウィンカー)が採用されたわけですが、この機能は”G”と”G-T”の上位グレードのみが選択できる有料オプション(税込15万1,200円)であり、おまけにLEDヘッドランプとのセットオプション(標準はまさかのハロゲンヘッドランプ)となるためベースグレードの”S”と”S-T”では選択不可能となります。

従って、今回試乗させていただいた”S-T”はベースグレードのため、ウィンカーは点滅式、ヘッドランプはハロゲンとなります。

20161223_10_ch-r

写真では少々わかりにくいですが、実際確認してみるとハロゲンランプであることが確認できますね。

内装は、ファブリック(ブラック)シート表皮で、”S”と”S-T”ではこの一択しか選択できません。
この辺りはもう少しシートの色など選択の幅を広げてほしいところですね。

【ターボ仕様(ハイブリッド仕様) 主要諸元・スペック】
・排気量1.2L 直列4気筒DOHCインタクーラー付ターボ
 (排気量1.8L 直列4気筒DOHC+モータ)
・最高出力:116ps、最大トルク:185Nm
 (最高出力:98ps、最大トルク:142Nm)
・全長/全幅/全高:4,360mm/1,795mm/1,565mm
 (全長/全幅/全高:4,360mm/1,795mm/1,550mm)
・ホイールベース:2,640mm
 (     〃     )
・最低地上高:155mm
 (低地上高:140mm)
・最小回転半径:5.2m
 (     〃     )
・車両総重量:1,745kg
 (車両総重量:1,715kg)
・燃費:15.4km/L
 (燃費:30.2km/L)

ターボ仕様の基本的なパワートレインは、トヨタ「オーリス・ターボ」と同様なのですが、「オーリス・ターボ」と大きく異なるのは、使用燃料が”レギュラーガソリン”であるということですね。ガソリンがレギュラーというのはランニングコスト面でも非常に重要なポイントですし、ターボでありながら燃費が15.4km/Lというのも大きなポイントですね。
※「オーリス・ターボにも1.2Lターボがラインナップされているのですが、こちらの使用燃料は”ハイオクガソリン”となっています。「オーリス・ターボ」は6速ATであるのに対し、「CH-R・ターボ」は7速ATであることが大きな違いになりますね。

【試乗インプレ】
さて、早速「CH-R」に乗り込みます。
車の乗り降りのし易さについては、ハイブリッド版と全く一緒で、身長182cmの私でも非常に楽ですね。

なお、今回試乗させていただいた”S-T”グレードは、先にも記載した通り内装のシートがファブリックであるから少々柔らか目の素材となっております。
そのため、シートに座ったときのフィット感は個人的にはグッドな印象。
シート位置の調整等は、こちらもハイブリッド版と同様に、ベースグレード・上位グレード関係なく手動式のため、結構マイナスポイントになってしまいますね。

さて、早速エンジンスタートするわけですが、やはり小排気量ターボというだけあって、エンジン始動音は非常に静か。
アイドリング時の車体の振動などは一切伝わって来ることなく、まるでハイブリッドエンジンを操作しているようにも感じられます。
なお、ターボ仕様においてもハイブリッド同様にパーキングブレーキは自動式のため、この点はかなり好印象です。

今回、担当者の方には大変無理を申して、坂道での試乗をさせていただきました。
やはり、ターボ車特有の高いトルクがどこまで活かされるのかを確認したく、比較的傾斜がきつめの坂を上らせていただきました。

「CH-R・ターボ」はハイブリッド版よりも最高出力・最大トルクともに上回っているため、平坦な道での加速はもちろん、アクセルレスポンスも中々に良く、ストレスは無かったように感じられます。
傾斜のきつい坂道においても、やはりトルクが高いだけあって、スイスイ上れるのもターボ車の良いところですね。坂道でも伸びやかな加速と比較的静かなエキゾーストで上れるのは、この個体の大きな特長かもしれません。

乗り心地については、ハイブリッド版と同様に非常に良く、路面のロードノイズや少々の段差に対して突き上げるような印象も無いというのは、トヨタの質の高さを物語っているように感じられます。
また、アクセルを踏み込んだときのシートとの密着感も良く、長距離を走行しても疲れないような印象を受け、こちらにおいてもトヨタの質の高さを感じますね。

【価格について】
「CH-R ハイブリッド/ターボ」の価格帯は

[ハイブリッド仕様]
Sグレード:264万6,000円
Gグレード:290万5,200円

[ターボ仕様]
S-Tグレード:251万6,400円
G-Tグレード:277万5,600円

となっており、そこまで大きな価格差はないため、エコカー減税の対象によってある程度の差額が縮まり、燃費の良さ(ランニングコスト)を考えると、ハイブリッド仕様が良さそうですね。
ただし、雪道での走行に懸念を抱く方にとっては四輪駆動が選択可能なターボ仕様が良いかもしれません(燃費は15.4km/Lでありながら、使用燃料はレギュラーガソリンというのもポイント)。

【ちょっと気になる点】
先にも記載した通り、シートが電動式ではなく手動式というところは非常にマイナスポイント。
また、個人的に多用しているパドルシフトが無いというところもマイナスポイントですね。

【総括】
以上より、今回試乗したターボ仕様の「CH-R “S-T”」は、小排気量+ターボだからと言って侮れず、非常に静かで意外にもパワーのある中々楽しい一台であると思います。
ハイブリッドと比較してしまうと、やはり劣る部分は多々あるものの、寒冷地には安心の”四輪駆動”という大きな特長を持って、この冬を乗り切れるのではないかと思いますね。

20161223_11_ch-r

最後に、閉店間際で非常にお忙しい中で親切丁寧に対応いただいた担当者様、そして福井トヨペットさんには感謝です。