【ちょっとした豆知識】ハイパーカーメーカ・ケーニグセグが過去スバルのF1に搭載されていたボクサー12エンジンを使用していたという事実【動画有】

2020-05-27

~実はケーニグセグとスバルは密接な関係にあった~

スウェーデンのハイパーカーメーカでお馴染みケーニグセグは、現在自社製のV型8気筒エンジンを採用していますが、会社設立当時に販売された「CCX」等ではフォード製モジュラーV8エンジンを搭載していたことは非常に有名な話。

ただ、今回公開されているユーチューブ動画Drivetribeでは、ケーニグセグが過去の量産モデルのプロトタイプにおいて、日本の自動車メーカであるスバル製の水平対向6気筒となるF1エンジンを使用していたことが明らかになりました。


~今となっては幻となったスバル製F1エンジンがケーニグセグのプロトタイプモデルに活用~

スバルは、過去にF1エンジンを設計・製造していたことは有名な話で、1989年~1990年の間にColoniチームと呼ばれるF1チームへの供給用として、”1235”と名付けられた排気量3.5L 水平対向12気筒(フラット12)エンジンを製造しました。

ただ、このエンジンは非常に信頼性が低く、F1カーでの使用には全く適していなかったと言われています。
その最も大きな問題としては、水平対向エンジンの特徴でもある”幅があまりにも広すぎた”ということでした。

水平対向エンジンは、直列エンジンとは異なって、クランクシャフトを挟んで左右にシリンダーが配置されていますし、しかしV型エンジンのように斜めの配置ではなく、水平に配置していることや、吸排気など各シリンダにつながるパーツも左右に配置する必要があることからサイズが大きくなり、全幅を多くとってしまうことになるんですよね。

その他にも、水平にシリンダーを配置することで潤滑油が均一に広がらず、偏摩耗などの問題を引き起こしたりする可能性も高いため、F1エンジンとして採用するにはかなりハードル高いユニットでもありました。

しかし、こうしたフラット12エンジンを、ケーニグセグは設立当初の初期のプロトタイプモデル「CCプロトタイプ」の開発のために、実際にスバル製フラット12気筒エンジンを購入し、更に排気量も3.5L→3.8Lへと拡大し、最高出力580hpを発揮することに成功しました。

更には、エンジンブロック全体がリヤアクスルの中心よりも下にあり、それが超低重心に繋がったとして、非常に安定した走りを提供することを可能にすると、ケーニグセグCEOはコメントしていますが、結局のところこのエンジンには、大きな制限として最大出力750hpまでしか発揮できないという問題から生産モデルへの採用には至らなかったとのこと。

今現在となっては、V8ツインターボエンジンを搭載することで、最高出力1,600hpを発揮するクレイジーモデル「ジェスコ(Jesko)」を販売していますが、「過去に制約の多いエンジンを用いた開発があったからこそ、開発の幅が広がり、ケーニグセグをここまで成長させた」と、クリスチャン・フォン・ケーニグセグCEOは前向きに考えているようです。

【How Koenigsegg nearly used a Subaru F1 engine in its supercars】

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Reference:CARSCOOPS