15年以上も北朝鮮と取引をしていなかったメルセデスベンツ。金正恩(キム・ジョンウン)委員長がどのように「リムジンSクラス」を入手したかが明らかに

2020-05-27

実は北朝鮮とメルセデスベンツの取引は15年以上もされていない

2018年の南北首脳会談より何かと話題に挙げられていた、北朝鮮の最高指導者である金正恩(キム・ジョンウン)委員長の移動車として利用されている、12気筒エンジン搭載のメルセデスベンツ・リムジンモデル「S600プルマン・ガード」。

「S600プルマン・ガード」は、当時メルセデスベンツの最新鋭テクノロジーとクラフトマンシップによって仕上げられた高級素材を融合した超高級モデル。
フロントシートとリヤシートの間にはガラス製のパーティションが設けられ、更にはボタン一つでガラスを透明と不透明に変更することが可能となり、完全プライベート空間を提供します。

価格帯としては、約1.5億円からのモデルとなりますが、防弾仕様に加えてトイレを設置する等の特別なオプションを加味すると、簡単に2億円を超える個体とも言われていますが、そもそもこのモデルについてダイムラーのシルク・モッカート氏は、「ダイムラーにとって、法律に準拠した製品の正しい輸出は責任ある企業としての基本原則です。当社は、北朝鮮に対して、包括的な輸出管理プロセスを導入していることから、第三者による自動車の販売、特に中古車の販売は行っていないですし、更に言ってしまえば北朝鮮との取引は15年以上無いため、金正恩(キム・ジョンウン)委員長がどうやってS600プルマン・ガードを購入したのか、そしてこのモデルをどうやってロシアまで持ち込んだのかわからない」と説明しています。

非常に謎に包まれていた金正恩 委員長のリムジンですが、どうやらニューヨークタイムズ紙によれば、その謎が遂に明らかになったと説明しています。


~輸送目的とはいえルートは複雑化。追跡装置さえもオフに~

4月下旬、AP通信によると、金正恩(キム・ジョンウン)委員長の「S600プルマン・ガード」を含む様々な高級については、北朝鮮への高級品の販売を日連安全保障理事会のアメリカの制裁措置の下で禁止しているため、直接的に購入することは不可能になっていることから、どのように購入したのか明らかになっていませんでした。

ですが、細かい調査を行った結果、オランダのロッテルダムにある港にて、防弾仕様のメルセデスベンツのリムジン仕様が輸送され、約41日後に車両は中国に到着。
そこから別の船便にて日本へと出荷された後、再び別の船にて韓国へと送られてたとのこと。

韓国の港にて、車両を運ぶロシアの船舶が登場し、そのまま引き渡されたのですが、何と船舶に搭載される追跡装置がオフになり、そのままロシア・ウラジオストクにて到着するまで行方不明のままだったと言われています。

このとき、なぜ追跡装置がオフになってしまったのかは不明ですが、ロシアに到着した同日、ウラジオストクにて北朝鮮から一機の輸送機(おそらく北朝鮮のプライベート輸送機)が持ち込まれたとのことで、この後北朝鮮へと運ばれたのではないか?と言われています。

こうした複雑な輸送ルートを経て、最終的に北朝鮮へと「S600プルマン・ガード」が贈られているわけですが、実はこうした複雑なルートを用いた方法にて、北朝鮮は2015年から日本車256台を含む海外車両を803台も輸入していたことも判明。
相当な車好きとしても知られる金正恩 委員長ですが、そもそもどうしてこれだけの海外車両を輸入する必要があったのかは全くもって不明なままとなっています。

【How Kim Jong-un Gets His $500,000 Mercedes | Visual Investigations】

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Reference:CARSCOOPS