ランチア新型「ストラトス・ゼロ(Stratos Zero)」が現代に蘇ったら?というレンダリングが公開。ドアは安定してフロントガラスハッチをオープンにするスタイルに

2020-05-27

~市販化は難しくともコンセプトモデルでも登場してほしい一台~

ランチアといえば「ストラトス/デルタ」といったモデルが展開され、最近ではManifattura Automobili Torino(MAT)とNew Statos Gbrの共同開発によって世界限定25台のみとなるフェラーリ「430スクーデリア」ベースのコーチビルドモデル「NEWストラトス」が販売されるなど、更に注目度が高められています。

そんな中、デジタルアーティストであるSHANE BAXLEY氏が、1970年にトリノ・ショーにて衝撃の世界デビューを果たした「ストラトス・ゼロ」を現代版にしたイメージレンダリングを公開しています。


~ところで「ストラトス・ゼロ」って何ぞ?~

「ストラトス・ゼロ」は、「ストラトス・シリーズ」の中でも一番最初の試作段階として製造されたベルトーネ作(その後に「プロトーティポ」→量産モデルの「ストラダーレ」が開発)。
※「ストラトスHFゼロ」は、発表当時「Stratos limite」(イタリア語で成層圏の限界)とも名づけられていた

「ストラトスHFゼロ」は、マルチェロ・ガンディーニがデザインした中でも傑作とも言われ、これだけの非現実的なスタイリングを持ちながらも自走可能とするために動力ユニットとなるエンジン(V型4気筒)やギヤボックス、シャシーを「フルヴィア・クーペ」から流用。駆動方式は後輪駆動(MR)で、エンジンはミドシップ搭載となり、エンジン出力は115hpを発揮します。

そしてこのモデルの最も特徴的なところが、ドア開閉と乗降りについて。
このモデルは、通常の車両とは異なりサイドから乗降りするのではなく、フロントガラスを兼ねたハッチを開閉。

フロントに貼られている”LANCIA”のロゴ部分を開閉ノブとして開け、上下可動式のステアリングコラムを前に上げてから、フロント前部にある黒いマットに足をかけるようにして乗降りします。

一見してかなり風変わりな乗降り方法となりますが、実際に車両に乗った後のフロントガラスはどのようにして閉めるのかは不明であるも、こういった不便さを押し出すところもイタリアらしいところ(非現実な乗り物であることを主張)。

ただ、こういった試作モデルを開発したことにより、当初ランチアが掲げていた「ラリーで勝てる車」には程遠いスタイリングとスペックであったため、そこまで大きく注目される個体ではありませんでした。

~「ストラトス・ゼロ」の特徴をしっかりと継承した現代版はかなり魅力的~

話は現代版「ストラトス・ゼロ」に戻りますが、そのスタイリングは更に奇抜さを増して非常にワイド&ローな仕上がりに。
そしてフロントヘッドライトも、まるで後期型のランボルギーニ「ディアブロ」風に変化しつつも、「ストラトス・ゼロ」の最も特徴的ともいえるフロントガラスハッチドアはそのまま継承していますね。

こうしたモデルが今後市販化されるどうかは不明であるも、過去のモデルを呼び覚ますようなトリビュートモデルは(コンセプト含め)どんどん登場してほしいところですね。

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