これまで販売されてきた衝撃的なエンジン5選。無限ホンダのF1専用V10エンジンが130万円…1,000馬力超えのHEMIエンジンやフェラーリ製エンジン等

2020-05-27

~過去これまで販売されてきたマニアックなエンジンを見ていこう~

過去これまで、エンジンのみが販売されるという何ともマニアックな記事をご紹介してきましたが、今回はこれまで販売されてきた衝撃的なエンジン5選をご紹介。
過去には「ラ・フェラーリ」のV型12気筒自然吸気エンジンが販売されるなどの衝撃的なニュースもありましたが、価格帯も含めてかなりインパクトの強かったものを見ていきたいと思います。

まずは数十年の歴史の中で、最も愛されたエンジンの一つに高回転型のV型10気筒エンジンが存在しますが、1990年代に無限ホンダが世に生み出した究極のV型10気筒エンジン「MF351H」がRace Cars Directにて約130万円にて販売されました。

このV10エンジンは、1992年~1993年のF1マシン、そして1994年のチームロータス専用マシンに搭載されるために製造されたエンジンで、実際に活用されたかは不明。

この時代は、V10ではなくV12へと移行する年でもあり、高回転化による最高出力の向上を図るメーカと、ルノーを代表する軽量且つコンパクトな中速度域の高トルク化を図るメーカが激しく争った時代でもあったため、ある意味非常に希少性の高いエンジン(エンジン上部には何やら「あのぶつぶつ 少年」「THIS IS NOT A TOOL TRAY」「決して道具ない」との表記が・・・)。

パワートレインは、排気量3.5L V型10気筒自然吸気エンジンで、最高出力700psを発揮し、海外のオーナーにとっては喉から手が出る程に要求の高いエンジンであるとして非常に人気が高いとのこと(そういった意味では130万円という金額は非常に割安)。


~78万円とかなり安いと感じていた「シビック・タイプR」専用エンジンだが…~

続いては、ホンダが主催するHonda Racing Lineプログラムにて、ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェの前輪駆動(FF)最速記録を更新した(現在はルノー新型「メガーヌRSトロフィーR」が最速)のハイパフォーマンスモデル「シビック・タイプR」に搭載のクレートエンジンが約78万円(送料別)にて販売されました。

このエンジンは、現行「シビック・タイプR」と同じ排気量2.0L 直列4気筒VTECターボエンジンを搭載し、最高出力320ps/最大トルク400Nmを発揮します。

ただ、この特別なエンジンを購入するためには、Honda Racing Lineプログラムの正規会員に入っていることが前提条件となっており、更にはホンダのレーシングカーを所有していることと、最低でも2度以上のレースに参加していて、何かしらの結果を残していなければ購入することができないため、意外と購入条件は厳しいようです。

~1,000馬力発揮でもコスパ最強なマッスルカー専用エンジン~

続いては、ダッジ「チャレンジャー/チャージャー/ジャーニー」といったアメリカンマッスルカーに搭載されている最高出力1,000hp/最大トルク1,288Nm発揮のヘルエファントHEMIエンジン(Hellephant HEMI)がSEMAショーにて発売されましたが、僅か2日で完売した大人気ユニット。

なお、このエンジンは1968年製ダッジ「チャージャー」に搭載し、2018年のSEMAショーにてデビュー。
ウォーターポンプやフライホイール、フロントサンプ用オイルパン、スーパーチャージャー&スロットルボディ、コイルパック、そして燃料インジェクターが含まれて約340万円での販売ではありましたが、ここにHEMIエンジンキットを追加することで約360万円にまで価格アップ。

このエンジンは、全てハンドメイドにて作られているため、販売された台数は僅か100台のみ。僅か2日でこれだけの台数が全て売り切れるのはかなり珍しいですが、やはり従来所有のアメ車や旧車等にスワップすることを目的としたオーナーがほとんどだったりするんでしょうね。

~更にコスパ最強なエンジンが登場し、3年保証も付いたお得ユニット~

続いては、ダッジのヘルキャット仕様クレートエンジンキットで、その価格帯はかなり安価ともいえる訳230万円。

このヘルキャット仕様クレートエンジンは、排気量6.2L V型8気筒スーパーチャージャーを備えるもので、アメ車はもちろん国産車から欧州車まで幅広い個体にエンジンスワップすることが可能になっているそうです。

このエンジンの販売に関して、FCAのMopar部品・サービス部門責任者であるPietro Gorlier氏は「これまでスーパーチャージャー付でおまけに最高出力707hpを発揮するクレートエンジンのみを提供することはありませんでした。私たちは、熱狂的なファンのために今回のようなソリューションを提供することができることを誇りに思っています」とコメントしており、マッスルエンジンがアメ車オーナーのみならず様々なユーザーにとってニーズのある個体であることを確認。

OEM品質によって管理されるヘルキャット仕様クレートエンジンキットは、パワートレイン制御モジュール、配電センター、エンジン配線、シャシーハーネスが含まれたアクセルペダルやグラウンドジャンパー、O2センサ、充電空気温度センサー、燃料ポンプモジュールも標準装備。

しかも、FCAは今回のクレートエンジンに関して3年間の保証も標準にて付けており、おまけに厳しい購入条件も全く無いため、間違いなく買いの一台ではないかと思いますね。

~フェラーリ製エンジンだでフェラーリのフラッグシップモデルが購入できるという事実~

最後は、過去にインターネットオークションサイトeBayにて販売された、「エンツォ・フェラーリ」のエンジン単体のみ。

2003年モデル「エンツォ・フェラーリ」に搭載の排気量6.2L V型12気筒自然吸気エンジンが過去に販売されたのですが、価格は脅威の約4,240万円と、フェラーリのフラッグシップGTモデルでもある「812スーパーファスト」(約3,800万円)が購入できるレベルとなっています。

ちなみに、「エンツォ・フェラーリ」の当時の新車販売価格は約7,850万円でしが、今現在の中古車市場価値は2倍近くの1.5億円以上にて取引されていて、エンジンだけで約4,240万円というと、相当なプレミアが付かない限りこのような値段にはならないと思います。

そしてこの「エンツォ・フェラーリ」をデザインしたのは、唯一日本人カーデザイナーのKen Okuyamaこと奥山清行 氏。
「エンツォ・フェラーリ」は、彼にとって出世作ともいえる代表的モデルですが、実はこのデザインが仕上げられたのはたったの15分と言われています。

フェラーリ会長より依頼を受けた次期スペチアーレモデルのデザインのため、約2年という期間を設けられましたが、いざ当日のプレゼンのときにフェラーリ会長より「斬新さが全く無いじゃないか!もう良いわい!」とプロジェクトのキャンセルをされたそう。
それに焦った奥山 氏は、懸命に追いすがり、事前に準備されていたサンドイッチで引きとめた約15分の中で必死に描いたデザインが、今の「エンツォ・フェラーリ」と言われています。

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