オートバイメーカーのKTMが最新スーパースポーツ「X-Bow GTX」を発表。ちょっと「マクラーレン・セナ」っぽいエクストリームなスタイリングで600馬力を発揮

2022-08-18

残念ながら公道走行は不可能のようだ

オーストリアのオートバイメーカーKTMといえば、唯一製造する四輪ライトウェイトスポーツカー「X-Bow(クロス・ボウ)」をラインナップしていますが、このモデルとは全く異なる最新スーパースポーツモデル「X-Bow GTX」を世界初公開しました。

「X-Bow GTX」は、GT3クラスレースよりも更に上位のGT2クラスに参戦するために開発された一台とのことで、2020年後半にデビューを予定しており、アウディ製の排気量2.5L 直列5気筒ターボエンジンを搭載することで最高出力600hpを発揮するとのこと。

パフォーマンスも中々に高めですが、KTMの大きな特徴でもある軽量ボディが活かされ、僅か1,000kgと非常に軽く、パワーウェイトレシオ比は約1.67kg/hpを実現しています。


フェラーリやマクラーレンを想起させるようなエクストリームデザイン

車体重量やパワーバランスだけでなくスタイリングもかなりエクストリームで、ちょっと「マクラーレン・セナ(McLaren Senna)」のようなリヤデザインを持ち、横顔はどことなくフェラーリ「SF90ストラダーレ(Ferrari SF90 Stradale)」っぽさがありますね。

おそらくドアはキャノピー式でシングルシータ-レイアウトだと予想しますが、もはや戦闘機並みのデザインと言いますか…まさにレーシングモデルにふさわしい内容に仕上がっていると思います。

なおKTM取締役のHubert Trunkenpolz氏の説明によれば「私たちはKTMの重要なブランド要素である”エクストリーム/性能/純度”を明確に反映するレーシングを作ることであり、最先端のモータースポーツ技術や軽量な構造、最高品質のコンポーネントを含むコアな専門分野をより強くしていきます」と語り、今後はポルシェやアウディを相手としたレーシングモデルへと挑んでいく予定となっています。

2018年には更に軽量化とランニングコストを意識したレーシングモデルを発表済み

先ほどの「X-Bow GTX」は、GR2クラスのレーシングモデルでしたが、2018年にもレーシングシーズンに先駆け、ライターエンジニアリングとの提携により新たなモデルとなる「X-Bow(クロスボウ)GT4」を発表していました。

「X-Bow GT4」は、主にランニングコストの削減に重点を置いた一台であるとして、ライターエンジニアリングのボスであるハンス・ライター氏曰く「激化するVLNエンデュランス・チャンピオンシップにて、同車より速くランニングコストがかからない車は存在しません。

世界中で競合する既存の60台以上のクルマは、約5,000kmの寿命であったギヤボックスも、ホリンジャー製トランスミッションを搭載することにより2倍の10,000kmにまで寿命を向上。更には最大トルク700Nmを発揮できる個体へとパワーアップしている」とのこと。

もちろん、ランニングコストの削減はギヤボックスやトランスミッションだけでなく、シャシーコンポーネントやウィッシュボーン、セントラルロッキングホイールハブの一部も改良。

これにより走行寿命は20,000kmにまで向上し、「X-Bow GT4」の走行コストは1kmあたり約4.6ドル、つまりは約550円のコスト削減につながるとしています(これが20,000kmともなれば、約1,100万円のコスト削減とスポーツカー1台購入できるレベル)。

パワートレインは、Motecエンジンコントロールを採用し、電子ヒューズボックスやモータースポーツ仕様のケーブルハーネス、そして新しいコントロールパネルとともにLMP仕様のヘッドレストが取り付けられています。

スペックとしては、車体重量が999kgと非常に軽量(外装はほぼカーボンファイバパーツを使用)で、仕様に応じては最大出力360hp/7,200rpmのアウディ譲りとなる2.0 TFSIガソリンエンジンを搭載。

なお、この個体の車両本体価格は約2,170万円からとなっており、2018年春には15台納車済みとなっています。

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Reference:CARSCOOPS