BMW「i8」が本当に2020年4月に生産終了へ。PHVスポーツカーとして唯一大成功を成し遂げた記念すべきモデルで、実用性よりもとにかく見た目を重要視した一台

2020-05-27

~よくよく考えると、2,000万円以上もするスポーツカーが約6年間で20,000台以上を売り上げるのは凄いことだ~

先日、BMWのiブランドでフラッグシップPHVスポーツモデルとして人気を集めた「i8」が、2020年4月に生産終了する?と報道されていましたが、どうやらこのモデルが本当に生産終了することが明らかとなりました。

2014年5月よりドイツ・ライプツィヒ工場にて生産されてきた「i8」ですが、約2,000万円もする高価格帯のモデルでありながら、累計販売台数は20,000台以上を突破しているとのことで、PHVを採用したスポーツカーとして最も成功をおさめた一台となっています。


~それでも「i8」が生産終了しなければならない理由とは?~

なお「i8」は、FIAフォーミュラEチャンピオンシップでのセーフティカーとしての役割を担うなど、PHVモデルとしては非常に珍しい5回連続(2015年~2019年)での採用となり、その他にもTop Gear誌やMotor and Sportといった雑誌にも数多く掲載されてきました。

それではどうして「i8」が生産終了するのか?についてですが、自動車ニュースサイトAutocarの情報によると、発売から約6年ほど販売されてきましたが、確かにPHVスポーツカーとして20,000代顧客のコメントとしては「先進的なデザインで注目度は高いが、コストパフォーマンスやリセール率の低さも際立つ」とのことで、他のスポーツモデルに比べるとデメリットとなる部分は非常に多かった可能性が高いと言われています。

2020年3月現在は、限定200台のみ販売された「i8アルティメットソフィストエディション」が生産されており、このモデルを持って本当に生産終了する流れとなるそうですが、改めて歴史に名を残すであろうPHVスポーツカーがラインナップから外れるというのは、何とも寂しいものがありますね。

私も以前、マイナーチェンジ前の「i8」に試乗させていただいた際、その近未来的なデザインと優れたパフォーマンス、そして低排気量ながらも電気モータによる強いアシスト力によって繰り出されるワープするような加速は特筆すべきものがあり、「BMWも面白い車を作ったんだなぁ」と感心したことを今でもはっきりと覚えていますが、ただ「これ凄くほしい!」と思うには中々にハードルが高く、感動のその先に行きつくにはまだまだのように思えました。

つまり、食指を動かすほどに「i8」が特化した部分が見当たらず、例えばランボルギーニやフェラーリのようにスーパーカー的な要素がしっかりと組み込まれているのか?と言われると非常に判断が難しいのが正直なところ。
確かにドアが上に開くスタイルのバタフライドアは画期的でしたが、その点以外は極めて普通だったと記憶しています(特に内装は一般車と変わらないレベル)。

~iブランドはPHVモデルのラインナップを拡大する重要な位置づけだった~

BMW初のiブランドとしてフランクフルトモーターショー2013にて世界初公開され、シティモデルとなるコンパクトクラスの「i3」と共に衝撃的なデビューとなりましたが、これをきっかけに、コンパクトモデルから中型モデル、Xモデル、スポーツカーモデル、高級セダンといったあらゆるスタイリングにおいてPHV(プラグインハイブリッド)技術を搭載したモデルを販売してきました。

BMWは、2023年までに25車種の電動モデルをラインナップする計画があり、そのうちの半数に関しては内燃機関を搭載しないバッテリーのみでの走行を可能とするEVモデルのラインナップを検討しています。

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Reference:CARSCOOPS