トヨタと日産は過去に過激コンセプトカーを発表していた!ランボルギーニのシザードアを採用したコンセプトスポーツカーや、スペアタイヤを格納するコンセプトクロスオーバー等

2022-06-29

~トヨタと日産は過激なコンセプトカーを発表していたようだ~

過去にトヨタや日産が発表した過激なコンセプトカーをご紹介。
トヨタのスポーツモデルといえば、BMWとの共同開発によって誕生した2ドアスポーツクーペ「GRスープラ(Toyota GR Supra)」がラインナップされていますが、実はこのモデルよりも更に15年程前にとんでもないコンセプト・スーパーカーを開発していたことをご存知でしょうか?

それが、上の画像にもある「アレッサンドロ・ヴォルタ・コンセプト(Alessandro Volta Concept)」と呼ばれる個体で、2004年にイタルデザインのジウジアーロ氏によってデザインされた美しいスタイリングを持つ四輪駆動(AWD)モデルのスポーツクーペとなります。


~「アレッサンドロ・ヴォルタ・コンセプト」ってどんなモデルなの?~

外観を見てもお分かりの通り、とてもトヨタとは思えない程に滑らかなスタイリングでフロントからルーフにかけて1枚もののガラスを採用し、フロントデザインは現在のトヨタのアイデンティティでもあるキーンルックグリルを採用しない独創的なデザインとなっています(ちょっとリマック「C_Two」っぽい?)。

パワートレインは、排気量3.3L V型6気筒ガソリンエンジン+2基の電気モータを組合わせたハイブリッドモデルで、システム総出力は当時とんでもない数値を記録した402hpを発揮。
直線性のパフォーマンスとしては、0-100km/hの加速時間が4秒と非常に速く、最高時速は250km/hにまで到達しますが、この辺りは電子制御によってこれ以上はスピードが出ないにようになっているとのこと。

更にプラットフォームにはカーボンファイバ製シャシーを採用することで、車体重量は何と1,250kgを実現。
車体のサイズ感としては、全長4,358mm×全幅1,925mm×全高1,140mmとかなりワイド&ローで、特に車高の低さはランボルギーニ「ウラカン」より低い寸法となっています。

リヤデザインはこんな感じ。
「マフラどこにあるの?」と疑問を持たれるかもしれませんが、実はリヤではなく両サイド2本出しというゴリゴリ仕様。
リヤエンドのテールランプは、どことなくホンダ・現行「NSX」っぽい感じにも見えたり…

ドアはまさかのランボルギーニ仕様

ドアはまさかの横開きではなく、ランボルギーニ「ムルシエラゴ/ディアブロ/カウンタック」のような垂直に開くシザードアを採用。
こうしてみるとドアは相当に長いんですね。足元にはフェラーリ「360チャレンジストラダーレ」のようなマルチスポークタイプのアルミホイールを装着。

足周りについては、プッシュロッドサスペンションを使用しているそうで、約70kgのバッテリパックも搭載しているとのこと。

何と運転席はスライド可能!

インテリアは超個性的!
何とシートはベンチシートタイプで3人乗り仕様、ステアリングやメータ類、そしてアクセルとブレーキがスライド式になっていて、左・中央・右ハンドル仕様とその状況や気分に応じて変更することが可能。
もちろん、量産車への適用はできませんでしたが、「トヨタでもここまでやれるんだ!」という可能性を秘めた魅力あふれるコンセプトカーであることがわかりますね。

~元祖クロスオーバークーペと言うべき日産のコンセプトモデル「トレイルランナー」~

続いては、日産が20年以上前に東京モーターショー1997にて出展したクロスオーバークーペコンセプトモデル「トレイルランナー」。
この個体は、車高の低いスポーツクーペ特有のデメリットを払しょくし、あらゆる地形において難なく走破できるクロスオーバースタイルを盛り込んだ斬新なモデルとして登場しました。

今となっては、ホンダ「ヴェゼル」やトヨタ「C-HR」等のクーペSUVが主流となっていますが、20年以上前のSUVモデルは武骨なモデルが多く、ましてやクロスオーバークーペと呼ばれる個体は全く見られなかったため、ある意味このモデルが現代のクーペSUVを生み出した祖先なのかもしれません。

見た目が斬新過ぎて中々受け入れられなかった一台

ただ、この「トレイルランナー」のあまりにも不格好すぎるスタイリングがユーザーから批判を浴びてしまい、クロスオーバーとクーペをごちゃ混ぜにしただけに留まり、そこからのマッシュアップが施されなかったことが大きなマイナスポイントになっていたと言われています。

サイドから見てみると、少し傾斜のあるルーフラインはまさしくクーペスタイルですし、クロスオーバー特有の四輪駆動とジャッキアップされたサスペンションにより十分な地上高を確保することで、あらゆる地形を走破することが可能となります(どことなくプリムス「スーパーバード」にも似ている)。

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リヤにはスペアタイヤがあるが…?!

リヤデザインをチェックしていくと、ルーフスポイラーとリヤスポイラーが装着されたダブルスポイラーで強烈なダウンフォースを発生させるとのことですが、これもある意味コンセプトモデルだからこそできることでしょうね。
おまけにバンパー下にはスペアタイヤが格納されていますが、実はコレ、バンパー下がスライド式になっており、容易にスペアタイヤを収納することができる優れもの。

こんな感じで規定のスペアタイヤを格納することが可能ですが、ほとんどクリアランスが設けられていないため、これ以上に大きいタイヤを格納することは不可能となっています。

インテリアはこんな感じ。
エクステリアカラーとは異なり、インテリアカラーは非常に明るめのイエロー系を採用。
センターシフトもかなりロングな印象を受けますね。

シートはもちろんスポーツ2シーターで、足元も広々と確保されています。

リヤトランクはこんな感じでオープン。
まるでミドシップスポーツカーのエンジンカバーをオープンさせたかのような開き方ですね。

収納スペースはかなり確保されているように感じられますね。
おそらくスペアタイヤの格納スペース分を無くせば、さらに深さが出てトランク容量も増やすことができたと思います。

気になるパワートレインですが、排気量1.8L 直列4気筒エンジンを搭載し、最高出力185hpを発揮します。トランスミッションは連続可変式のCVTを採用していますが、何故かシフトショックが結構感じられるといわれる等、何かと課題の残る一台でもあったそうです。
ちなみにもうお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、この「トレイルランナー」をルーツとし、そのコンセプトを昇華して市販化した車が「エクストレイル(X-Trail)」と言われています。

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