これまた凄いお宝が…フェラーリF1マシンのV10エンジンが競売に登場!今は亡きフィアットの名誉会長の名が採用されたF2003-GA、ミハエル・シューマッハを優勝に導いた最強のエンジンだ

2022-11-11

偉大な功績を残したフェラーリF1エンジンが一体いくらで落札される?

これまで様々な車両やエンジン単体のみが競売に出品されましたが、今回は遂にフェラーリ製F1エンジンがCOLLECTING CARSのオークションにて出品されています。

このエンジンは、スクーデリア・フェラーリが2003年のF1世界選手権参戦用に開発した特別なフォーミュラ1(F1)カーでお馴染みF2003-GAに搭載されたモデルで、2003年の第5戦から、最終戦まで実戦投入されました(2003年序盤はF2002B)。

フェラーリとしてのコードナンバーは「654」で、車名にある”GA”は、同年1月に亡くなった元フィアット名誉会長のジャンニ・アニェッリ(Gianni Agnelli)のイニシャルにちなんで名づけられています。


レブリミットは18,000回転以上の官能的なサウンドを奏でる過激なエンジン

早速オークションに出品されているフェラーリF2003-GA用エンジンを見ていきましょう。

F1世界選手権において、4レースの内3回優勝を果たし、さらにミハエル・シューマッハ氏が6回目のドライバーズチャンピオンシップを獲得したことでも有名なエンジンですが、オリジナルのF2003-GAエンジンケーシングとシリンダーヘッドで構成されたユニットになります。

ちなみにエンジンは、排気量3.0L Tipo052型のV型10気筒自然吸気系で、最高出力845hpを発揮し、レブリミットは18,300rpmの超高回転型、そしてアルミニウムとマグネシウムから製造されているため軽量化にも大きく貢献しています。

このエンジンには、ブロックやクランクケース、シリンダーヘッド、カムカバーで構成されていて、ピストンや主要な内部構造は不明ですが、元のベアリングと番号の付いたスパークプラグも含まれています。

エキゾーストマニホールドについては、エアボックスはありませんがカーボンファイバーエアスクープと同様に両サイドに装備。

あとはケーシングやマニフォールド、カーボンスクーフの周りに小さな跡や外観上の欠陥はあるものの、コンディションとしては大きな問題はないとのこと。

かなり魅力的なF1エンジンですが、2021年12月4日に出品された際は40,700ドル(日本円に換算して約460万円)と極端に高額ではないものの、最終入札日には更に入札数が増え、落札額も高額になることが予想されます。

過去に出品された特殊なエンジンを見ていこう

先程はフェラーリ製F1マシン用のV10エンジンがオークションに出品されていましたが、過去にはちょっと珍しい無限ホンダの高回転型V型10気筒エンジンがオークションに登場したことも。

これは1990年代に無限ホンダが開発したMF351Hと呼ばれるエンジンで、当時中古車ディーラーにて約130万円にて販売されました。

具体的な実績については不明ですが、1992年~1993のF1マシンや、1994年のチームロータス専用マシンとしても搭載予定だったこと、そのパフォーマンスや信頼性も高いといった情報もあり、大々的に世に登場することが無かったことを考えると、ちょっと勿体ない一台かもしれませんね。

ちなみにパワートレインは、排気量3.5L V型10気筒自然吸気エンジンを搭載し、最高出力700psを発揮するとのこと。

これまた強烈なフェラーリ製F1エンジンが登場

そしてこちらは、過去に海外オークションサイトeBayにて出品されたフェラーリ製F1のV型12気筒エンジン。

具体的な情報としては、1995年式のティーポ044/1(Tipo 044/1)とよばれるユニット名称で、排気量3.0L V型12気筒自然吸気エンジン、エンジン出力は約600hpにて制限され、適正値としては760hp/17,000rpmの超高回転型。

この他においては、チャンピオン製スパークプラグやアジップ製燃料と潤滑油、マニエッティ・マレリ製のイグニッションとインジェクション、そしてブロックとヘッドは軽量のアルミ合金を採用することで、僅か132kgと軽量に。

なおこのエンジンが搭載されたF1マシンといえば、1995年の開幕戦から最終戦まで実戦投入されたフェラーリ412T2で、スクーデリア・フェラーリが1995年のF1選手権参戦用に開発した重要な一台でもあります。

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Reference:COLLECTING CARS