日産の新型エクストレイルe-POWER(T33)の納車後17か月経過しての最終評価は?ここ最近で販売されたモデルでは商品力も満足度も高めだが、課題も多そうだ
(続き)日産の新型エクストレイル(T33)が納車されて1年5か月経過しての最終評価は?
引き続き、日産の新型エクストレイルe-POWER(T33)が納車されて1年5か月経過しての最終評価内容を見ていきましょう。
予防安全装備プロパイロットは優秀だが、こちらも課題は残る
続いては、予防安全装備&ドライビングサポート機能となるプロパイロット(ProPilot)。
エクストレイル(T33)の場合、ハンズオフ機能付きのプロパイロット2.0ではなく、ナビリンク機能付きとなるプロパイロット1.5が搭載されますが、日産のプロパイロット技術は、ホンダの予防安全装備Honda SENSINGに比べると優秀。
一方で、トヨタの予防安全装備Toyota Safety Senseに比べると「劣る」部分はあるかと思います。
レーンキープアシストはシビア過ぎる?
特に片側1車種の対面通行時の高速道路においては、片側2車線に比べて道幅が狭いからなのか、レーンキープアシストがかなりシビアで、無理やり車線の真ん中を走らせようとするために挙動が大きくなることもあるんですね(若干蛇行運転に近い感じ)。
クルコンの速度調整は±1km/hが理想なのだが…
更にクルーズコントロール巡航時の速度設定においては、トヨタやホンダだと±1km/hで速度調整できるにもかかわらず、日産や三菱のMi-Pilotは、±5km/hの速度調整が最小限なため、できればもう少し刻んで任意設定できるようにしてほしいところ。
+5km/h上げたときの加速は急加速に近いものがありますし、一方のトヨタ/レクサスの場合だと、「+」長押しで+5km/h上げることができ、更に加速する際は緩やかに+5km/hアップしてくれるので、この辺りのプログラムは優秀。
あとは前方車両との車間距離が近づいたときの減速ですが、アクセルOFFによる回生ブレーキを活かしたナチュラルなエンブレではなく、ブレーキランプを一度点灯させた少し強めのフットブレーキで減速するのは微妙なところ。
おそらくは、後続車両に対して「前方に車両がいる」ということを知らせるために、意図的にブレーキランプを点灯させての減速?なのかと推測していますが、一方で高速道路においてフットブレーキが不要な場面で、「わざわざブレーキランプを点灯させてフットブレーキするなんて下手なの?」と勘違いされる恐れもあるため、個人的にこうした機能は不要だと考えています。
e-POWER恐るべし…燃費はかなり優秀
続いて、エクストレイル(T33)の燃費性能について。
これは走る時期にもよりけりですが、春~秋にかけての燃費はとても優秀で、最も優れているときだと無給油で1,200km以上走ることができ、そのときのメーター上給油後平均燃費は22.4km/Lを記録。
街中や高速道路など、様々な場面で走らせてこの燃費なので、私にとっての初e-POWERは中々の好印象でした。
冬場になると、エアコン/暖房を使用することもあるので、その際は燃費もガクっと落ちるものの、それでも16km/L~18km/Lは維持できるのでDセグメントSUVという立ち位置で考えたら十分満足できる性能だと思います。
エクストレイル(T33)の総合評価は?
以上の通り、今回のブログでは書き切れない部分はあったものの、これまでのインプレッション記事でまとめた内容も含めてのエクストレイル(T33)の最終評価は「80点」。
T33型の初期モデルとして、先述の通りブラックアウトが頻繁的に発生したことは残念ではあるものの、決して改善できない問題ではないと思いますし、そこまで大きな減点項目ではありませんでした。
ただ、フルモデルチェンジ後の”初”の年次改良で、材料費高騰や物流費高騰の影響で最大40万円近くも値上げしたのが、(仕方ないことではあるものの)このモデルの商品力や評価を下げてしまったのだと考えています。
課題が多く残る部分はあるものの、それ以上の所有満足度や走りの上質さ、そしてこれまでのエクストレイル(T33)や日産のイメージを大きく塗り替える商品力の高さであることは間違いないですし、今後のマイナーチェンジなどで金額以上にどれだけ商品力を高めていくのか注目です。
1ページ目:エクステリア(T33)の内外装の評価は?タンカラーのナッパレザーの汚れやシワは?