ステランティスの売上低迷により、マセラティやDS等のブランドが廃止の恐れ?「40年間リビングに飾られていた」幻のランボルギーニ・ミウラP400Sが競売に出品

日産の営業利益99%減も衝撃的だったが、どの自動車メーカーも厳しい状況にあるようだ

日産やポルシェ、フォードなど、様々な自動車メーカーが2024年第2四半期の新車販売台数を公開し、想定を下回る結果となっていますが、ステランティスグループの新車販売状況も決して好調とはいえません。

ステランティスCEOのカルロス・タバレス氏によると、「維持費がかかるブランドに終止符を打つ準備ができている」と述べており、これは2021年初頭の複合企業設立後、ステランティス傘下の14ブランドすべてが好調だった2022年12月とは全く異なる結果となっているからです。

海外メディア・ロイター通信の報道によると、利益率の低下と売れ行きの悪い車両の在庫過多を発表した後、ステランティス傘下のいくつかの自動車メーカーが廃止となる可能性が高いと報じています。


ブランド廃止の筆頭にマセラティやDS、ランチアなどが対象に

ステランティスは、マセラティ以外の各ブランドの財務データを公表していないため、どのブランドが最も廃止となる可能性が高いかを分析するのは難しいところ。

ただ、マセラティは2024年上半期に数百万ドルの営業損失を出しているとのことで(グループ売上高の50%を損失)、ロイターの報道によると「アナリストの中にはマセラティを売却候補と見なす者もいるようですが、ランチアやDSなど、現代では評価の低いブランドが廃止となる可能性もある」と説明。

ランチアが発表した新型イプシロンHFのような、エキサイティングなモデルだと希望の光はあるものの、その価値はまだ証明されておらず、将来的にランチアを支える主要モデルとなるかまでは不明。

ジープやRAMは生産品質に問題が?

一方で、アメリカを主軸とするラム(RAM)やジープは大きな利益率を得ていますが、注目される新車・新型車の登場が少ないため、今後も安定した販売台数が見込めるかどうか?と云われると難しいところ。

海外カーメディア・オートモーティブニュースでも報じているように、ジープ・チェロキーシリーズが、フェイスリフトで金型が変わったため生産が鈍化し、アメリカでの売上が18%も減少。

こちらもまた、利益率の高い上級グレードのラム1500トラックが十分に供給されていないそうで、不要なエントリーレベルのトラックがディーラーの敷地に大量に放置されているそうです。

さらに事態は深刻化していて、一部のステランティス工場の直行率は低評価で、生産されたモデルがディーラーに直接届けられる車両の割合は低く、大規模なリコールだったり、品質問題で返却されるといった問題が相次いでいるようです。

アルファロメオやマセラティも、ステランティスの足を引っ張るブランドに?

そして、カルロス・タバレス氏は以前、アルファロメオの存続に自信を持っていましたが、全般的に業績が振るわず、ステランティス・ファミリー以外のメーカーも含め、すべての自動車メーカーの中期および長期戦略に疑問が投げかけられている状況。

マセラティもステランティスグループにとっては重要なブランドではあるものの、こちらも業績不振で最も売れ筋となるはずのグレカーレも販売台数を大幅に落としているとのことで、「利益を生んでいないブランド」として廃止となる可能性が高まっているようです。

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