【意外な事実】日産スカイラインGT-Rは日本だけでなくアメリカ向けとしても開発が進められ、V6エンジンが検討されていた!中東向けにトヨタ新型 カムリが発表!

日本向けのみだと思われたスカイラインGT-Rは、当初アメリカ向けの販売も検討されていた

海外でも高い支持を得ている日本製スポーツカー。

特にアメリカにおいては、映画「ワイルド・スピード(The Fast And Furious)」の影響もあって日産スカイラインGT-R(Nissan SKYLINE GT-R)の人気が凄まじく、日本で販売された右ハンドル仕様のGT-Rを輸入する際には、アメリカの一部地域に導入された独自の輸入規制である「25年ルール」をクリアしなければなりません。

この輸入規制をクリアした個体に関しては、新車販売価格の3倍以上にて取引される例もある一方で、盗難被害も相次ぐほど、取扱いに注意しなければならない個体となっています。

そんなスカイラインGT-Rは、過去にアメリカ向けとして販売することも検討されていたそうです。


日本向けとアメリカ向けで大きく条件が異なるのは「ハンドル位置」

これは国内自動車情報誌ベストカーさんが報道したもので、ベストカー2005年12月10日号のGT-R特集より明らかになった内容です。

当時、ハコスカ4ドアGT-Rやハコスカ2ドアGT-R、ケンメリGT-Rの開発主管であった櫻井眞一郎 氏と、スカイラインGT-R R32の開発主管であった伊藤修令 氏、そしてスカイラインGT-R R33/R34の商品主管 渡遅衡三 氏の3名にインタビュー。

どうやら、スカイラインGT-Rは日本国内向け専売として検討されたわけではなく、アメリカでも販売するように検討されていたことも明らかに。

左ハンドル仕様だと”熱の問題”でシングルターボにする必要があった

ただ渡遅 氏によると「アメリカでは左ハンドル仕様が求められています」と語った上で、「ハンドル位置を左にする場合、スカイラインGT-Rはツインターボモデルなのでステアリングシャフトがリアセクションのターボに近くなり、熱の問題が生じてしまいます。そのため、シングルターボにするという案もありましたが、それではGT-Rらしくないので断念しました」といった背景が明らかに。

R34では、V型6気筒エンジンを搭載したプロトタイプモデルを開発するまでに至ったが…?

同氏によると、その後に登場するGT-R R34においても、今では伝説となっているRB26DETT型の直列6気筒ツインターボエンジンの代わりに、V型6気筒エンジンを搭載することが検討されていたとして、開発チームは実際にV型6気筒エンジンを搭載したプロトタイプを製作するまでに至ったとのこと。

渡遅 氏は、「テストコースで運転したとき、コーナリング特性が良く、非常に良い感触でした」と語っていたことから、当時はアメリカでの市販化も濃厚だったと説明。

日産は、アメリカ市場向けとしてV型6気筒エンジンの搭載及び選択を真剣に検討していましたが、最終的には、V型6気筒エンジンをスカイラインGT-Rの先進的な全輪駆動システム(アテーサ E-TS)に適合させるための開発時間があまりにも多くかかってしまうために断念。

そのため、必要な開発時間を回避するために、当初より開発が進められていた直列6気筒ツインターボエンジンのみで開発を進めることが決定したそうです。

アメリカに導入されたV6スポーツカーはGT-R R35…ではなく、インフィニティG35

渡遅 氏は「スカイラインGT-RなしでR34を想像できなかったので、とにかくギリギリまでアメリカ向けの市販化を真剣に考えました」と付け加え、「最終的には、直列6気筒ツインターボエンジンを改良することで留まり、V型6気筒エンジンは次の世代に託すことにしました」と説明。

この話の流れだと、アメリカ向けとしても販売されるようになったのが、”スカイライン”の名が使用されなかったGT-R R35のようにも見えますが、実際のところはGT-R R35ではなく、インフィニティG35と云われています(日本向けだとスカイラインクーペ)。

この他にも、スカイラインGT-Rで採用された四輪駆動システムやABS、更にはハイキャス(HICAS)においては「競走馬の馬」からヒントを得たこともインタビューにて明らかになっており、馬の後ろ足が前足と同位相で蹴りだしていることから、車の開発に繋がっていることも明かしています。

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