トヨタ現行ノア/ヴォクシーがミドルサイズミニバンで最も売れている理由を「元オーナー目線」で考える。競合のステップワゴンやC28セレナとの決定的な違いは?
トヨタ・ノア/ヴォクシーがミドルサイズミニバンで最も売れている理由を考えてみる
私が以前所有していた、トヨタ現行ヴォクシー (Toyota New Voxy)。
2025年秋以降には、現行ノア (New Noah)/ヴォクシーが初の一部改良で商品力向上が期待されることから、「前回はヴォクシー・ハイブリッドS-Zだったので、改良後はノア・ガソリンS-Z」を購入しようかと考えています。
そんなノア/ヴォクシーはミドルサイズミニバンとして最も売れており、2024年11月度においてはノアが5,982台で11位、ヴォクシーもそれに続いて5,838台で12位でしたが、両車を足し合わせると月販台数は驚きの11,820台。
一方の競合ミドルサイズミニバンとなる日産セレナ (Nissan New Serena, C28)が6,837台で8位、ホンダ現行ステップワゴンが3,792台で20位ですが、どうしてノア/ヴォクシーがここまで売れ続けているのか?3車種同時に所有していた元オーナー目線で改めて考えていきたいと思います。
ノア/ヴォクシーの乗り味は決して上質では無いが…
まずはノア/ヴォクシーの乗り味について。
これは実際にヴォクシーを普段使いし、更に競合モデルとなるホンダ現行ステップワゴン e:HEV SPADA PREMIUM LINEや日産C28セレナ e-POWER LUXIONを同時所有していたからこその比較になるのですが、乗り味としては決して上質ではなく、TNGA-Cプラットフォーム特有の後方からの突き上げが顕著。
あとはフレーム剛性が貧弱だからなのか、ちょっとしたコーナリングや段差を通過したときのねじりに弱い印象で、車内の揺れが大きく感じてしまうのもノア/ヴォクシーの良くないところ。
だからといって乗り味全体に不満があるのだろうか?と言われるとそうではなく、先程の競合ミニバンと比較するとC28セレナよりも乗り味が上質ながら、ステップワゴン未満という立ち位置なので、そう考えると「平均点より高めの60点~70点程度」といったところでしょうか。
※C28セレナが50点~60点なのに対して、ステップワゴンは75点~85点ぐらい
トヨタの場合、完璧を求めるのではなく平均値を高めるモノづくりをしているため、ある意味でトータルのバランス力は圧倒的なのですが、一つ一つの評価で考えると「何かが突出している」わけではないので、見方によっては「偏りが無い」のは魅力ポイントだと思います。
予防安全装備は技術もレベルも高い
続いて、ノア/ヴォクシーの予防安全装備Toyota Safety Senseについて。
本機能については、レーダークルーズコントロールの高速巡航精度とナチュラルな加減速はもちろんのこと、他メーカーには備わっていないプロアクティブドライビングアシスト[PDA]や安心降車アシスト[SEA]、床下透過表示機能付きとなるパノラミックビューモニター[PVM]が備わるなど、技術面においてもハイレベルなのは確か。
特にレーダークルーズコントロールにおいては、高速道路においてある一定の速度まで到達してからクルコンに設定するまでに1プッシュのみでそのまま巡航できるだけでなく、ホンダや日産などで頻繁的に見られる「クルコン状態に入ってから、なぜか一瞬だけブレーキしてから巡航する」といった意味不明な挙動が無いので、スマートさで言えばダントツでトヨタだと思うんですね。
日産の予防安全装備の技術は確かに凄いが、PRや宣伝方法が詐欺レベル
安全性能においては、ホンダの予防安全装備Honda SENSINGは、トヨタ・日産に比べると同じ土俵に立てる程の精度や技術も無いので論外。
一方で日産のハンズオフ機能付きとなるプロパイロット2.0であれば、トヨタとも十分に対抗できるかもしれないものの、これを利用するには頻繁的な高精度地図更新が必要で、そのためには年会費として約2.5万円を支払わないと使えないですし、「そもそも年会費を払わないとプロパイロット2.0自体が使えない」というのも、ある意味で情報詐欺だと思うんですね。
日産は、未だにテレビCMや以下のPR動画においても「プロパイロット2.0を利用するには、年会費2.5万円を支払う必要があります」といった注意書きを掲載していませんし、内容としては極めて悪質だと思うんです。
一方でトヨタのアドバンスドドライブ(渋滞時運転支援)は年会費を支払う必要がなく無料で活用できるので、こういった経済的な面も考慮するとトヨタの方が評価としてはかなり高いと考えています。