トヨタ現行ノア/ヴォクシーがミドルサイズミニバンで最も売れている理由を「元オーナー目線」で考える。競合のステップワゴンやC28セレナとの決定的な違いは?
(続き)トヨタ現行ノア/ヴォクシーがミドルサイズミニバンで最も売れている理由を、元オーナー目線で考えてみる
引き続き、トヨタ現行ノア/ヴォクシーがミドルサイズミニバンで最も売れているのかを、元オーナー目線で考えていきたいと思います。
後席の快適性は確かに高いが、シート調整は子供には不向きか
続いては、ノア/ヴォクシーの2列目キャプテンシートについて。
これは3列7人乗り仕様で、オットマンが装備されている快適利便パッケージ付の車両に限定させていただきますが、両サイドに格納式アームレストが設けられていたり、前後のスライドやリクライニング、オットマンが備わっているのはとても便利なのですが、一方で子供目線で考えたときに、特にオットマンの「手動レバーがカタ過ぎて持ち上げられない」のが一番のネックポイント。
中学生ぐらいであれば問題なく持ち上げられるのですが、小学校の中高年(特に女の子)だと一人でレバーを持ち上げてオットマンを跳ね上げることができないため、停車しているタイミングを狙って隣に座っている親の力を借りないと操作が難しいんですね。
ただ、ノア/ヴォクシーの「上手いこと考えたなぁ」と思うポイントが、3列目シートの厚み変更と跳ね上げ。
3列目シートの座り心地や突き上げによる衝撃の代償は大きいものの、3列目をほとんど利用せず、概ね2列4人乗り用として活用する方からすると、3列目を跳ね上げても2列目キャプテンシートがリクライニングしても干渉しないように設計されているため、この点はユーザーのニーズに合わせて上手く考えられているところだと思います。
ステップワゴンの2列目キャプテンシートは、ミドルサイズミニバンでトップクラスだが、その良さが上手く広まっていない
続いて、ステップワゴンのキャプテンシート&オットマンの場合、ノア/ヴォクシーのようにカタめのレバーではないため、小さい子供でも簡単に持ち上げられるのは便利。
オットマンだけでなく、前後のスライドやリクライニングもカタくなく簡単に操作できるため、使い勝手としてはダントツでステップワゴンなのですが、あくまでも2列目キャプテンシートの使い勝手という面だけになり、やはりトータル面での評価ともなるとステップワゴンは評価が低めになってしまうのかもしれません(ステップワゴンの2列目の快適さは、現行オデッセイ同様に中々世間に広まっていないように思う)。
そしてステップワゴンに関しては、3列目は跳ね上げではなく床下収納になるため、上の画像のように2列目シートがリクライニングしても全く干渉しないですし、3列目シートも肉厚なので、ノア/ヴォクシーの薄いシートに比べて乗り心地も上質で突き上げも最小限に抑えられていると思います。
但し、床下収納にしたことでハイブリッドe:HEVのバッテリーレイアウトに支障を来しているからなのか、プロペラシャフトが通せずに四輪駆動[4WD]の設定が無いのもその理由なのかも。
C28セレナの2列目の使い勝手は、ミドルサイズミニバンでダントツの最下位
一方でC28セレナの場合、標準装備どころからメーカーオプションですらオットマンが採用されておらず、ディーラーオプションの外付けを準備しないといけないですし、足もとの場所も大きくとってしまい邪魔になるため(乗降りスペースも無くて鬱陶しい)、それならば最初から外付けオットマンは置いておかない方が良さそう(そもそも2列目の足元スペースは、ノア/ヴォクシーやステップワゴンに比べて狭すぎる)。
ちなみにC28セレナの場合は、先代C27から大きな工夫が無く、3列目シートも肉厚なままなので、上の画像の通り2列目キャプテンシートがリクライニングできないという問題は変わらず。
2列目の足元が狭いだけでなく、おまけにノア/ヴォクシーやステップワゴンのようにロングスライドもできないので良い点が非常に少ないのも事実。
2列目と3列目の使い勝手という点では、C28セレナは競合モデルに比べてダントツの最下位だと考えています。
1ページ目:ノア/ヴォクシーの座り心地や予防安全装備の性能は、競合ミニバンに比べてどうだ?