やっぱりEVはまだ怖いな…大量のジャガーI-PACEがスクラップ場に廃棄され「EVの墓場」に。度重なるバッテリーの不具合でメーカーもお手上げ

(続き)ジャガーは、バッテリー不具合の根本的な原因究明・解決には至っていない

今回大きな問題となっている、ジャガーI-PACEのバッテリー関連については、ジャガーにとって何年も悩まされてきた問題の一つ。

LG製のバッテリーは、過熱しやすく発火する恐れがあると言われていて、ジャガーは自然発火の恐れがあるバッテリーパックを特定するための診断データなど、さまざまなソフトウェア修正を試してきましたが、結果的に原因を究明することができず、複数の国で自社バッテリーの買い戻しを申し出ることで、事実上諦めることに。

つまりジャガーは「お手上げ状態」で自主回収することになったわけですが、現時点で日本市場向けのI-PACEに関しては、自主回収に関する情報は無いものの、既に国土交通省に対して複数のリコールを届け出ているのも事実。


日本でI-PACEのバッテリー不具合に関するリコールは2件届け出済み

具体的なリコール内容としては以下の通りとなりますが、不具合➀~②ともバッテリー関連での不具合となり、何れも火災の恐れがあるのことですが、果たして根本的な問題解決につながっているのかは不明です。

[不具合➀(2023年12月14日)]

電動機の電源装置において、バッテリー エネルギー コントロール モジュールの制御プログラムが不適切だったため、外-3647 のリコール改善措置作業を行った。

この際、不適切なプログラム書換え工具による改善措置作業の実施、又は通信障害により、改善措置が完了していない。

そのため、バッテリーの温度異常を監視できず警告灯が点灯し、最悪の場合、バッテリーパックアッセンブリ内のリチウムイオン電池より火災が発生するおそれがあるとしてリコールを届け出済。


[不具合➀の改善措置]

全車両、バッテリー エネルギー コントロール モジュールの制御プログラムを正
しいプログラム書換え工具を使用して書き換える。

via:国土交通省

[不具合②(2023年7月6日)]

電動機の電源装置において、バッテリーエネルギーコントロールモジュールの制御プログラムが不適切なため、バッテリーパックアッセンブリの熱過負荷状態時に温度異常を監視できないことがある。

そのため、警告灯が点灯し、最悪の場合、バッテリーパックアッセンブリ内のリチウムイオン電池より火災が発生するおそれがあるとしてリコールを届け出済。


[不具合②の改善措置]

全車両、バッテリー エネルギー コントロール モジュールの制御プログラムを書き換える。

なお、車両年式によって恒久対策用のソフトウエアの供給に時間を要する事から…

①暫定対策用のソフトウエアに書き換え、準備が出来次第
②恒久対策用のソフトウエアに書き換える

なお、改善のためのプログラムの書き換えは、下記のいずれかで行う:

– 販売店に入庫して診断機により実施する
– 対象車両へ遠隔配信にて配信し、使用者自身でインストールしてもらう

via:国土交通省

以上の通りとなります。

ジャガーが次に発売する次世代ピュアEVは大丈夫なのか?

ちなみにジャガーは、2025年後半に向けて新世代ピュアEVモデルとなるタイプ00コンセプトをベースにした量産モデルを発表するわけですが、本モデルにも同様のLG製バッテリーが採用されているかは不明。

何れにしても、バッテリーの根本的な原因解決が難しいのであれば、次世代タイプ00コンセプトの量産仕様でも同じ轍を踏む恐れがあるため、まずは目の前の問題を迅速かつ丁寧に解決していくことが重要なのではないかと思います。

1ページ目:ジャガーI-PACEがスクラップ場のゴミクズになってしまった原因とは?

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Reference:CARSCOOPS