【悲報】日産がアメリカ市場向けの新型セダン2車種の開発を中止すると発表。セダン需要の縮小から、まずはSUVの開発を最優先にするようだ
日産のネガティブなニュースはまだまだ続くかもしれない
2025年4月24日、日産が2024年度の通期連結業績見通しにおいて、過去最多となるー7,500億円の赤字見通しとなることをお伝えしました。
これに加え、アメリカではドナルド・トランプ大統領が発効した自動車関税25%の影響を受ける恐れがあり、アメリカでの生産工場移管や車両本体価格の値上げもしくは値下げなど、自動車メーカーが大きく混乱する事態となっています。
こうしたなか、日産は2025年度以降より様々な新車・新型車の投入を検討していましたが、どうやらアメリカ向けのセダンの開発計画を中止し、SUVに注力すると報道されています。
対象車種は、アメリカ市場向けのセダンとなる次期アルティマとマキシマEV
2024年5月頃、日産が当初アメリカにて生産予定だったピュアEVセダン2車種の生産を中止したと報道されていましたが、2025年4月時点で、どうやらこれら2車種の開発・生産・販売自体が中止になっているとのこと(ほぼ凍結状態)。
またこれに加え、日産が元々計画していたというピュアEVクロスオーバーの開発計画自体も変更されているとのことで、その代わりとしてラギットなデザインの新世代クロスオーバーの開発に注力していると報道されています。
海外カーメディアAutomotive Newsの報道によると、2025年4月初め、日産のアメリカ法人の会長であるクリスチャン・ムニエ氏に取材したところ「セダン市場は縮小している」と述べ、「同社は、現実を直視する必要がある」と訴えた模様。
社内資料が報道機関に公開された後、日産USAは市場環境の変化により、アメリカ・ミシシッピ州カントンの工場にて当初計画していたEVプロジェクトの見直しを余儀なくされたことを認め、今後開発・生産を進めていく予定のモデルについても説明。
次々と新型車の開発は中止しているものの、全ての新型車が開発中止しているわけではない
日産USAは「最近の業界市場の変化を受け、カントンEVファミリープロジェクトの計画を見直すことを決定しました。コードネームのLZ1F/LZ1E (セダン)プロジェクトの開発を中止し、新型車プログラムの一環として再評価することを決定しました」とコメント。
開発が中止されたこれらの2つのモデルは、次期マキシマ (Nissan New Maxima)と次期アルティマ (ALTIMA)セダンの後継車として計画されていました。
これらのモデルと並行して、現行ローグ (Rogue, T33)とほぼ同じサイズの「PZ1L」というコードネームのピュアEVクロスオーバーも開発されていました。
ここまで来ると、日産の新型車の開発自体も難航するのでは?との見方もあるそうですが、日産がミシシッピ工場でのEV計画を完全に放棄したわけではなく、まだ希望は残っているとコメントしています。
2028年と少し先だが、インフィニティ含めて徐々に新型車が展開される模様
日産は2028年1月、社内で「PZ1K」と呼ばれる新型電気SUVの生産を開始する予定であることを発表しました。
このモデルは、クロスオーバーSUV「エクステラ (XTerra)」に似た「力強い/ラギッド」なデザインを採用するとのことで、さらに社内で「PZ1J」と呼ばれるインフィニティ版が2028年5月に生産開始予定とのこと。
これらの新型車は、クロスオーバーSUVとセダン、そして将来的には軽量ピックアップトラックにも対応可能な柔軟なプラットフォームを採用しているとのことですが、いわゆるCMFプラットフォームがベースとなるのか、日産のみが採用する専用プラットフォームなのかは不明。
ちなみに、この新しいプラットフォームは、改良された電気モーターと高速充電機能を搭載し、さらに、これらの車両には低コストのリチウムイオンバッテリーが搭載されることが判明しています。
ちなみに日産は、中国のパートナー企業である東風汽車との合弁企業・東風日産として、ピュアEVセダンの新型N7の実車を公開しましたが、このモデルに搭載されているプラットフォームとは全く別とのこと。
なお400Vのアーキテクチャを採用したN7は、58kWhと73kWhのバッテリーパックをラインナップ、それぞれのシステム総出力は215hpと268hpを発揮します。