ホンダ新型プレリュードとトヨタ・プリウスを「比較すること自体が無意味」な理由。両車を所有して分かった、設計思想とターゲット層の決定的な違い
未だ比較されやすいプレリュードとプリウス、両車は今後も比較の対象になってしまうのだろうか
2025年9月に発売されて7か月以上が経過した、ホンダ新型プレリュード (Honda New Prelude, BF1)。
ホンダの新世代2ドアクーペモデルで、スポーツカーとはまた違ったグランドツーリングモデルでありながら、昔一世を風靡した「デートカー」の名を持つ特殊な一台です。
そんな「令和のデートカー」として復活した当初、以下のようなコメントが散見されました。
■見た目が完全にトヨタ・プリウス (60系)じゃん
■プリウスは300万円~400万円ぐらいで買えるのに、プレリュードは600万円て高過ぎだろ
■同じ2.0L HEVなら、プリウス買った方が幸せだよね。装備も充実してるし 等
以上の通り、とにかくプレリュードを下げてプリウスが高く評価されるようなコメントが多く見られ、その揶揄されるようなコメントは、2026年5月時点でも多く見られます。
見た目が「似ている」にしても、両車の方向性は大きく異なるため「比較」する必要が無い

SNSやYouTubeでは、何かとプリウスが引き合いに出されることが多いのですが、両車とも所有した身からすると、これらを比較することは不要だと思っています。
っというのも、それぞれの用途やキャラクター、そしてターゲットとする層があまりにも異なるために、わざわざプレリュードに対してプリウスを引き合いに出し、プレリュードを下げるような発言をすることは無駄な労力になってしまうと思うんですね。
少なからず、両車が何かと比較されるなかで、「ここは大きく異なる」というポイントは以下の通り。
■プレリュードとプリウスでは、ドア数も異なれば、ボディスタイルも異なる
・プレリュードは2ドアクーペ
・プリウスは4ドアハッチバック■プレリュードとプリウスでは、月販目標台数が14倍近く異なるため、開発費を回収するための利益率であったり、販売価格が異なるのは当然
・プレリュードの月販目標台数は300台で、車両本体価格は6,179,800円(税込み)
・プリウスの月販目標台数は4,300台、車両本体価格は2,769,800円(税込み)~4,070,700円(税込み)■プリウスのターゲット層
・デザイン重視の若年層~ミドル層(20代~40代)
・低燃費を求める層(20代~60代)
・先代プリウスからの乗り換え層
・法人顧客
・実用性重視のファミリー層■プレリュードのターゲット層
・旧世代プレリュードやデートカーに憧れを抱く層(50~60代)
・シンプルにスポーツカーを好む若者層よりも、価値観が成熟した限定的な層
・実用性よりも、プレリュードのブランド復活に価値を感じる層
・燃費を考慮しつつ、走りや快適性も両立でき、且つ経済的に余裕のある層
以上の通りとなります。

あくまでも一部ではあるものの、プリウスは燃費や実用性、デザイン性など、とにかく幅広い層が好むような要素を盛り込むことで、台数を稼いで売る車というイメージ。

一方でプレリュードは、プリウスに比べて50~60代と明らかにターゲット層が絞られ、それでいて残りの余勢を優雅に、快適に、大切な人と共に過ごす車というイメージや情緒的価値が強いため、台数を稼ぐための車ではないと思うんですね。

こうした根本的な考え方やターゲット、方向性、キャラクターの違いを見ると、「そもそもプレリュードとプリウスを比較する意味ってあるのだろうか?」「プレリュードをわざわざ落とす必要性ってあるのだろうか?」と疑問に思ってしまうんですよね。
実際に両車を所有したからこそ、それぞれにメーカーの想いやユーザーの感情に訴える商品力があるわけで、「デザインはプリウスの方が良い」とか「装備内容はプリウスの方が優れている」「価格はプリウスが断然安い」と評するのは違うと考えています。
