フェラーリ「F40」が発表されてちょうど30年。「そのままレースに出られる市販車」は今も健在

2020-05-26

歴代フェラーリの中でも根強い人気を誇る「F40」。
この個体は1987年7月21日に、イタリア・マラネロにて開催された車両発表会において、エンツォ・フェラーリ氏(当時89歳)自身が発表するという極めて異例なもので、それだけ特別視されていた個体でした。
そんな「F40」も、本日で30年目を迎えるフェラーリの重鎮となりました。

エンツォ・フェラーリ氏は、この個体を最後まで愛し、「そのままレースに出られる市販車両」という基本概念を具現化したモデル。今現在でもレースにて活躍するシーンを目撃することも多いですね。


フェラーリの創立40周年を記念して製造された「F40」は、「308GTB」や「288GTO Evoluzione」のコンセプトを引き継ぎ、改良に改良を重ねた排気量2.9L V型8気筒ツインターボエンジンを搭載し、最高出力478psを発揮。
車両重量は1,100kgと非常に軽量であり、最高時速は324km/hにまで到達する、当時の市販車最速モデルとしても有名でした。

ちなみに、「F40」の生産台数は元々350~400台と言われていましたが、フェラーリは顧客からオーダーが殺到することを鑑みて、急きょ増産体制に。
最終的には、約5年間製造し続け、生産終了までに1,311台が世界に販売されました。
そのため、世間では「F40」は世界限定モデルという言葉を耳にしますが、実際のところは”市販車両”という意外な面を持っているわけですね。

ちなみに、日本には正規輸入で59台、その内ストラダーレモデルは58台、コンペティツィオーネモデルが1台という割り振りとなっています。

なお、こういった非日常的な個体の開発車両のテスト走行のために、F1ドライバが実際に走行を行ったとのことですが、「絶対に雨の日に乗りたくない。これは雨の日に乗るためのものではない」と声を荒げる程に危険かつ闘争心剥き出しの個体であったとコメント。

そんな逸話だらけの「F40」ですが、現在の市場価格は最低でも1億円以上。
バブル時代は約2億円以上にて取引されたこともあり、今ではすっかり定着した「走る不動産」という言葉を生み出した個体としても有名ですね。

当時の新車価格は4,650万円と、「812スーパーファスト」の車両本体価格3,910万円よりも高額ではありましたが、今現在のプレミア価値を考えると”まさに買い時”であった個体No.1だったのかもしれません。

Reference:CARSCOOPS