メルセデスベンツ・新型クーペ「CLSクラス」に試乗。クーペなのに居住性抜群、これ乗ったら他のクーペ乗れないぞ

2020-05-26

待望の新型「CLSクラス」に試乗

メルセデスベンツの4ドアクーペモデルで、7年ぶりにフルモデルチェンジを果たした3代目「CLSクラス」に試乗。
今回、試乗をお願いしたのは福井ヤナセさんを経営母体とするメルセデスベンツ福井さん。2016年11月に移転新装したばかりの大型ディーラとなります。


「CLSクラス」って何?

今回試乗する新型クーペモデルの「CLSクラス」は、Eセグメントモデルに位置する「Eクラス」ベースモデルで、初代・2代目モデルでは”4ドアクーペ”と”シューティングブレーク”タイプの2種類が販売されましたが、今回7年ぶりとなるフルモデルチェンジにより、”シューティングブレーク”タイプを排除し、”4ドアクーペ”の一本化となりました。
そして、パワーラインナップにおいては、直列4気筒ディーゼルモデルの「CLS220dスポーツ」と、直列6気筒ターボモデルの「CLS450 4MATICスポーツ」の2種類のみとなります。

新型「CLSクラス」のスペックを見てみよう

今回試乗させていただいたモデルは、4気筒ディーゼルモデルの「CLS220dスポーツ」
本当は、上位グレードの「CLS450 4MATICスポーツ」の試乗を検討していたのですが、メルセデスベンツ福井さんに2種類の新型「CLS」が到着するも、2日後に「CLS450 4MATICスポーツ」が即売れしてしまったのだとか。そのため、今現在はディーゼルモデルの「CLS220dスポーツ」1台だけで試乗を回しているみたいです。
ちなみに、「CLS」の価格帯と主要緒元は以下の通り。

【価格帯】
○「CLS220dスポーツ」・・・7,990,000円
●「CLS450 4MATICスポーツ」・・・10,380,000円

【「CLS220dスポーツ/CLS450 4MATICスポーツ」主要緒元】
○全長5,000mm×全幅1,895mm×全高1,425mm
●ホイールベース:2,940mm
○燃費:18.6km/L / 11.9km/L
●エンジン:排気量2.0L 直列4気筒ディーゼルターボチャージャー付エンジン/排気量3.0L 直列6気筒ターボチャージャー付エンジン
○最高出力:194ps/3,800rpm / 367ps/5,500~6,100rpm
●最大トルク:400Nm/1,600~2,800rpm / 500Nm/1,600~4,000rpm
○使用燃料/燃料タンク容量:軽油/66L / 無鉛プレミアムガソリン/66L
●駆動方式:後輪駆動(FR)/四輪駆動(AWD)
○最低地上高:120mm

新型「CLSクラス」の外観をチェック

早速「CLSクラス」の外観をチェックしていきましょう。
まずはフロントフェイスですが、まぁ何とも言えぬ迫力がありますね。
前モデルとは異なるフロントスプリッターですが、メッキ加飾ではなくボディカラーと同色の素地になることで、より一体感を強調しています。

彫刻的な造形のシルバーダイヤモンドグリルが、メルセデスベンツのブランドバリューを更に高めているように感じます。

前モデルよりも研ぎ澄まされたフロントフェイスは、前傾したフロントエンドと、より低い位置に設けられた幅広のフロントヘッドライトが何とも印象的。これからのメルセデスベンツのデザイン言語ともいえる逆L字型のアローヘッドデイタイムランニングライトも採用しています。

こちらはサイドデザイン。
何とも美しい4ドアクーペならではの流線形を描いたスタイリングで、Aピラーからルーフにかけての傾斜が険しくも、まるでアーチを描くかのようなスタイリッシュさを演出。
無駄なボディを削ぎ落としたストイックなボクサーといったイメージでしょうか。とにかく無駄がないです。

こちらはリヤデザイン。
こちらも新たなデザイン言語のリヤテールランプと力強いフェンダーとバンパーが幅広感を大きく演出することで、ワイド&ローが更に際立つ4ドアクーペとなっています。
両サイド1本だしのスポーツエキゾーストにリヤバンパーと一体型となるマフラカッタとの組合せも美しくまとめられています。

新型「CLSクラス」の車内に入ってみよう

それでは早速「CLS220dスポーツ」の車内に乗り込んでみます。
一見して重そうなドアを開けたときのスムーズ感はさすがメルセデスベンツ。
クーペラグジュアリーと謳うだけあって、そのドアの重みを感じさせないほどにスムーズに開きます。
車内に乗り込んだ時のサイドシルの位置は相当に低く、そこまで脚を上げず乗ることができるのもグッド。

ちなみにインテリアは、上質な肌触りのブラックナッパーレザーシートを提供するエクスクルーシブパッケージを設定。
シートに座り込んだ時のシートとのフィット感は格別で、自然と人との一体感をとれるだけでなく、体重をそのまま受け止めてくれるかのような安心感もあります。

エンジンをかけてみよう

シートポジションは内ドアに配置され、そちらで設定します(写真は左ハンドルで左の内ドア側にシート調整ボタンがありますが、実際の試乗車は右ハンドルに右側の内ドアにあります)。
シートポジションとサイドミラー、インナーミラーを設定したあとは早速エンジンをかけます。
強くブレーキを踏みながら、ステアリング左後ろにあるキーレススタートボタンを押します。

エンジンスタート時のエンジンサウンドは比較的静かで、車内への振動は一切無し。シートの厚みや剛性を高めた車体フレームの工夫が施されていることでドライバへのストレスを最小限に抑えています。
直列4気筒ディーゼルターボチャージャー付エンジンということで、ディーゼルエンジン特有のあの”カタカタ”音が聞こえるわけでもなく、どちらかというハイブリッドに乗っているような感覚にもなります。

っということで、早速「CLS」を発進させるために、ブレーキを踏みながらステアリング後ろある右側のレバーを下に引くことで”D”レンジに切替えます。
新型「CLS」は自動パーキング式なので、サイドレバー等は無くアクセルを少し踏めば、自動的にパーキング解除されます。

新型「CLS」で公道へ!

それでは早速公道へ向かいます。
今回の試乗コースは、担当セールスさんのご厚意に甘えて高速走行試乗を体験させていただきます。
近くのインターチェンジに向かうため、歩道から公道にかけての段差を乗り越えて行きます。
この時の段差の衝撃はほとんどなく、メルセデスベンツ特有なのか、柔らか目の足回りで、それでいて段差の衝撃を上手く吸収するほどに上質なんですよね。
これは高速試乗に向けての期待が大きく持てそうです。

車内から見る視界としては、クーペ特有の狭っ苦しいものではなく、大型セダンと何ら変わらない印象で、更にはフロントエンドが前傾になったことで、運転席からでもフロントエンドが今どの位置にあるのかを瞬間的に判断できるのも素晴らしいところ。
全長5,000mmもある車ですが、そんなロング感を一切感じさせない車両感覚を持たせてくれる工夫されたスタイリングだと思います。

早速高速試乗へ!

近くの福井ICに入り、北陸自動車道・丸岡方面まで向かいます。
ETCレーンを抜けた後、高速の合流車線に入って本道へと進入します。
進入する際の加速は非常にスムーズで、アクセルを踏み込んだ瞬間にターボ特有のドッカンという加速ではなく、シームレスでレスポンス良く伸びのある快適さに加えて、最高出力194ps/最大トルク400Nmの力強いトルクと加速感を肌で感じとることができます。

走行モードは、「Eco/Comfort/Sport/Sport+/Individual」の5種類が準備されていますが、高速走行ではSportもしくはSport+にてその力強い加速力を体感することはもちろんですが、快適な長距離ドライブを堪能するなればComfortもしくはSportが適しているかもしれません。
実際高速走行にて走り込んだときの路面のロードノイズは、ほとんど拾っていないように感じられますし、高速道路特有の轍やほんのちょっと変形した路面の上を走るにしても、その路面の情報が決してストレスへと切り替わるのではなく、むしろ何も感じずに走れるのは有り難いところ。

これは、様々な条件や状況に最適化するAir Body Controlサスペンションの効果によるもので、連続可変ダンパーとマルチチャンバーエアサスペンションを電子制御化することで、快適性と俊敏性を高いレベルにて両立することができます。これにより、上質でしなやかな乗り心地を実現できるわけですが、こうしたスポーツ気質な4ドアクーペであっても、その乗り味と居住性はラグジュアリーセダンに匹敵するものがあるわけで、かなり優雅な試乗を経験できたのは事実。
ぶっちゃけスポーティに走らせるよりも、快適性に重きを置いた方が、この車には適している性格なのかもしれません。

後席の乗り心地はどう?

今回特別に後席の乗り心地も体験したわけですが、フロントシートを自身の運転しやすいポジションに設定し、そのまま後席に乗り込んでいきます。
リヤドアを開けたときの進入スペースは、フロントに比べて非常に狭く感じ、正直乗り降りはかなりし難いように思えますね。
早速後席に座ったときの印象として、身長182センチの私でも、頭が天井にぶつかることなく、それでいてシートバックと膝とのクリアランスは拳一個分あるか無いかといったところ。
「あれ?思った以上に後席の居住性も良いぞ!」と思ってしまったのも正直なところで、ちょっとした圧迫感はあるにしても、スポーツタイプのクーペと謳いながらも、私がイメージするスポーツクーペを良い意味で裏切るほどの快適さを持ちます。
操作性抜群でおまけに居住性も快適な4ドアクーペ…これって反則じゃね?

新型「CLS」を試乗してみて

今回「CLS220dスポーツ」を試乗してみて、ディーゼルターボ特有の力強いパワーとトルクを体感しながらも、メルセデスの上位車種として7年ぶりにフルモデルチェンジを果たしただけあって、その完成度はかなりハイレベル。
スポーティさと刺激に重きを置くのであれば、直6エンジンの「CLS450 4MATICスポーツ」快適性と優雅さに重きを置くのであれば、直4ディーゼルの「CLA220dスポーツ」と勝手にカテゴリ分けしていますが、それだけ今回のモデルは興奮する試乗というよりも、落ち着いた雰囲気の中で時としてパワーが必要な場面でだけ発揮する適材適所を明確に表した一台なのではないかと思います。
乗り心地も抜群ですし、フロント・リヤシートも居住性抜群で夢のある室内空間を確保できる「CLS」に乗ってしまうと、「もうこのモデル以外の4ドアクーペ乗れなくなるんですけど…」と困惑してしまうほどに見事な一台と思っています。

今回試乗したメルセデスベンツ福井さんはこんなところ

今回お世話になったメルセデスベンツ福井さんの店内。
非常に明るくて開放感のあるショールームで、最大8台のラインナップモデルを展示することが可能となっています。
ディーラと併設しているサーティファイドカーセンターでは、厳しい認定基準を満たす認定中古車も展示していますし、メルセデスを検討している方にとっては非常に充実したディーラではないかと思います。

オシャレなカフェテリアスペースも設けられています。

展示車も「GLAクラス/Bクラス/Cクラス/Eクラス/Sクラス/Vクラス/GLEクラス」ととにかく幅広いモデルがラインナップされていますね。

メルセデスベンツ福井さんはココにある!

住所:〒910-0818 福井県福井市北四ツ居2丁目1-15
電話番号:0776-52-0700
営業時間:9時~19時(平日、土曜日)、9時30分~18時30分(日曜日)
定休日:月曜日

これまでの試乗記録はコチラにてまとめております。