えっ、そうなの?トヨタ「C-HR」のエアコン・フィルタのろ過率が僅か1%で超絶危険であることが発覚

2020-05-26

下手したら死の危険性も

エミッション・アナリティクスの調べによると、イギリスで最も人気のある11車種の空調システムにあるフィルタの空気濾(ろ)過率を調べたところ、最もろ過率の低い個体がトヨタ「C-HR」であることが発覚。
これは、車体が通常走行ないしは渋滞時にエアコンを使用した際、排気ガスから有毒な粒子を取り除くためのフィルタがほとんど機能しないため、その有毒ガスをモロに浴びてしまい、乗員が死亡してしまう恐れがあるとのこと。

他車種に比べて圧倒的にろ過率が低すぎる「C-HR」

ろ過率の具体的な数字としては、トヨタ「C-HR」は最悪の場合、毒性粒子をろ過する効率は僅か1%。
これは、1立法センチメートルの中に約57,000個の粒子があることを意味し、人間が一回に呼吸する空気の量は約500ccであることを考慮すると、約2,800万個の粒子を吸っている計算になります。

ちなみに、トヨタ「C-HR」以外のろ過率は、フォルクスワーゲン「ポロ」が35%、フォード「フィエスタ」が40%、ジャガー「E-Pace」が43%、フォルクスワーゲン「トゥーラン」が59%、ボクスホール「アストラ」が82%、メルセデスベンツ「Eクラス」が90%という数値となっていますが、いかに「C-HR」が全くろ過できておらず、超絶危険であるかがよくわかるかと思います。

なお、エミッション・アナリティクスCEOのニック・モルデン氏によると「車の違いにはショックを受けた。ドライバは、空気のろ過と換気システムによって保護されると信じていたが、C-HRは高い汚染レベルに晒されているとなると、乗ることはかなり危険だ」と説明しています。

Reference:autoevolution

番外編:駆動方式の面でも苦慮していた「C-HR」

関連記事:トヨタ「CH-R」がアメリカにて販売不振。AWDの欠如がCH-Rの販売を傷つけている模様(2017/12/11投稿)

トヨタのコンパクトSUVモデル「CH-R」が今年の始めにアメリカにて販売スタートするも、同社が望む販売台数に到達せず、販売不振に悩んでいる模様。
これについて、CarSalesBaseは、4月からトヨタが「CH-R」を売り上げた台数は僅か21,889台であるとのことで、これはシボレー「Trax」やホンダ「HR-V」等のライバルモデルよりも圧倒的に少ない台数であるとのこと。
これについて北米トヨタのセールス担当のボブ・カーター氏もよく認識しており、その中でも販売不振となっている原因が”四輪駆動(AWD)の欠如”が原因とコメント(つまり、「CH-R」は前輪駆動(FF)モデルしか販売していない)。

「CH-R」は、四輪駆動を提供していない数少ないクロスオーバーモデルの一つで、この後に登場が期待される日産「キックス」も同様に四輪駆動を設定していないモデルとなります。
しかし、北米日産の製品企画担当副社長であるマイケル・バンス氏より、「キックス」に関しては「CH-R」と同様の販売問題を抱えているとは考えておらず、その理由として同車はアメリカ東海岸と西海岸の両方の都市にて人気があると予想しており、そこまでパワーを必要としない街乗りタイプの一台として使用を奨めているとのこと。
そのため、年間販売台数も意外と低めの50,000~60,000台が目標となっています。

マイケル・バンス氏は「CH-Rが地域に適した個体として販売している風には見えなく、おまけにアメリカでは依然として道の作りと車両本体価格に大きな相関関係があるとして、特にCH-Rは約270万円から販売されているのは比較的高めの価格設定になっている」とコメント。
その一方で「キックス」は、220万円以下の価格設定になると予想され、四輪駆動を必要とする場合は約260万円からとなっており、前輪駆動(FF)で約270万円からとなる「CH-R」に比べてコストパフォーマンスは圧倒的。今後のコンパクトSUV市場を独占する勢いで登場する可能性は高そうですね。

日本においても、「CH-R」はハイブリッドモデルが前輪駆動(FF)のみ、ターボモデルが四輪駆動(AWD)のみという変わったラインナップにて販売されていますが、なぜ両モデルに前輪駆動と四輪駆動を設定しないのかは非常に疑問に思うところ。
これはあくまでも推測ですが、トータル的にコストが大きくかかるハイブリッドモデルともなると、四輪駆動化することにより車体重量と本体価格が更に上乗せされてしまい、これによるハイブリッドでのガソリン代節約との釣り合いが難しくなるのではないかと考え、敢えて前輪駆動(FF)のみの設定としているのではないかと推測。

もちろん、これ以外にもハイブリッドならではの電気モータの配置等の問題もあるとは思いますが、大きくはトータルコスト面において、多少なりともユーザーへの負担を考慮しての結果ではないかと考えたりします。ただ、これはあくまでもメーカの一方的な考えでもあるため、やはりそれでも四輪駆動も検討の視野に入れることは間違いなくあるわけですから、検討の幅を狭めることが今回の販売不振になることを教訓に、今後のラインナップの構成の検討が必要なのではないかと考えたりもします。