日産は1985年にフェラーリやポルシェ対抗のミドシップスポーツカーも開発していた!市販化直前であっさりと開発中止となったMID4コンセプトの実車を見ていこう

実はミドシップスポーツカーの開発経験もある日産。なぜ市販化しなかったのか?

今現在の日産のスポーツカーと言えば、GT-R R35とフェアレディZ (Nissan New Fairlady Z, RZ34)の2車種のみで、GT-R R35は2025年モデルで正式に生産終了することがアナウンスされています。

日産はこれらのモデル以外にも、1985年にミドシップ&エンジン横置きで、当時のフェラーリやポルシェといったメーカーを競合としたMID4コンセプトを発表 → 市販化する予定でした。

果たしてどのようなモデルだったのか?チェックしていきましょう。


まるでホンダNSXを彷彿とさせるデザイン

こちらが、実際に日産が開発していたというミドシップスポーツカーのMID4コンセプト。

このモデルは、フランクフルトモーターショー1985にて初めて発表されたモデルで、外観としてはホンダ初代NSXをイメージさせるかのようなデザインとスタイリング。

そして今では、安全性という観点から廃止となってしまったリトラクタブルヘッドライトを採用されていました。

そして、前述にもある通り、エンジンは横置きのミドシップ搭載で、四輪駆動を採用した正統派のスーパースポーツ仕様。

初期モデルには、HICAS四輪ステアリングも搭載された排気量3.0L V型6気筒自然吸気エンジンを搭載し、最高出力245hpを発揮、そしてトランスミッションは5速MTを搭載しています。

その後、日産は更なる市販モデルに近いスーパースポーツを提供するため、開発に開発を重ねて、2年後の東京モーターショー1987にはMID4 Type Ⅱコンセプトを発表。

このモデルには、排気量3.0L VG30DETT型のV型6気筒ツインターボエンジン(後のフェアレディZ (300ZX))が搭載され、最高出力330hpを発揮。

四輪駆動システムとしては、フロント33:リヤ67という比率でトルク配分され、基本的にはATTESAシステムを採用

それはつまり、後のスカイラインGT-R R33/GT-R R34といったモデルのATTESA AWDとして搭載されることになるわけですが、記念すべき第一弾としてMID4コンセプトの量産仕様で採用されなかったのは残念。

本格的に市販化の道が見えてきたとき、MID4はあっさり開発中止に

2代目のコンセプトを発表したことで、軌道に乗ったMID4でしたが、3代目の開発を行うにあたり、ここでポルシェが最強のスーパースポーツ959を発売。

このモデルの開発コンセプトや背景、そして959を開発する組織人たちの想いを知った後、日産はポルシェの総合的な考え方に対抗することができず、あっさり開発が中止されたと言われています。

ただ、このコンセプトモデルにて得られた技術というのは、後の市販車モデルにも活かされていて、例えばインフィニティQ45や日産シーマ、そしてスカイラインGT-R R32やフェアレディZ (Z32)にも受け継がれているので、ある意味で日産スポーツカーのご先祖様のような存在なのかもしれません。

【Meet the Nissan Mid 4: The Concept that changed everything.】

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