映画「フォードvsフェラーリ」がアカデミー賞4部門にノミネート。公開初日に観てきての感想も簡単に述べてみる【ネタバレ注意】

2020-05-27

~2020年開始早々とんでもない作品が公開されたことは間違いない~

2020年1月10日より日本でも公開スタートとなった大ヒット映画「フォードvsフェラーリ」が、アカデミー賞「作品賞/音響編集賞/録音賞/編集賞」の4部門にノミネートされました。
本作品では、アメリカの自動車メーカであるフォード・モーターがフェラーリCEOであるエンツォ・フェラーリ氏に買収の話を持ちかけるも、同社が運営するレーシングチームのスクーデリア・フェラーリを手放したくないという強い想いのもと、その交渉が完全破断。

その後、エンツォ・フェラーリ氏がフォード・モーターCEOであるヘンリー・フォード2世に対して侮辱の言葉を伝え、この仕打ちをヘンリー・フォード2世は宣戦布告と捉えて「スクーデリア・フェラーリを打ち負かしてやる」と決意したことから、レーシング部門にも本格参入するという物語になっています。


~クルマ好きが見れば興奮、クルマ好きじゃない人でも人間の成長という視点で楽しめる面白い作品になっている~

フォードは、多額の資金を投資することで最強のレーシングモデルとなる「フォードGT40」を開発。そしてこの個体の良さを最大限に発揮するために主人公であるエンジニアのキャロル・シェルビー([左]俳優マット・デイモン)と、破天荒&天才ドライバーと言われるケン・マイルズ([右]俳優クリスチャン・ベール)が、それぞれの視点から細かく改良を加えていきます。

僅か90日という短い期間の中で作り上げた究極のレーシングマシン「フォードGT40」にて、ル・マン24時間耐久レースにて連覇中のフェラーリに挑むわけですが、やはりこの映画の一番の見どころは、そのレースシーン(駆け引き含め)とエンジンサウンドではないかと思いますね。
フォードが独自に開発した大排気量7.0L V型8気筒自然吸気エンジンのドロドロサウンドを映画館内で拝聴できるのは格別ですし、フェラーリとのストレート並びに強力ブレーキングによるコーナーへの突っ込みへの駆け引き勝負は見ていてゾクゾクします。

フェラーリも、8,000rpm以上の回転数(レッドゾーン)まで引き上げたことによりエンジンブローするといったトラブルで棄権となり、ル・マン24時間耐久レースの連覇を逃し、最終的にフォードが3台同時に優勝(ただし、ケン・マイルズはスタート地点が一番近かったことから走行距離の関係で2位というとんでもない結末)するという感動のシーンが流れますが、あの破天荒なケン・マイルズが、2位に3分以上の大差をつけてリードしていたのに、最終的に(ビジネスとして)3台同時ゴールを譲るというところは、彼の人間性の成長も垣間見れるため、感動を誘う部分でもありましたね。

映画の最後の最後には、次のル・マン24時間耐久レースに向けた改良版の「フォードGT40」を開発するため、ケン・マイルズがテスト走行を行いますが、ブレーキトラブルによりコースアウトし、車両が炎上し帰らぬ人となる悲しい終わり方に。
約2時間半という短い時間の中に凝縮された彼らの壮絶なる戦いと友情、そしてレースの迫力と楽しさを満喫できる最高の作品になっているのではないかと思います。

【映画『フォードvsフェラーリ』予告編 2020年1月10日(金)公開】

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Reference:motor1.com