一体どこで発揮するの?ケーニグセグ最強モデル「ジェスコ・アブソリュート」は理論上で最高時速531km/hにまで到達する模様

2020-05-27

~もはやここまで来ると評価できる場所も安全性も確保できない~

2020年3月3日、ケーニグセグは世界最強の4人乗りメガGT「ジェメイラ(Koenigsegg Gemera)」と、世界最速の技術力を持ったスペシャルモデル「ジェスコ・アブソリュート(Jesko Abusoluto)」を世界初公開しましたが、後者のモデルに関しては、厳密にどれだけの最高時速に到達するかは明言しなかったものの、先代モデルとなる「アゲーラRS(Agera RS)」の446.97km/hを圧倒するだけのスペックを持つことは明確にしています。

先日、海外の自動車ニュースサイトRoad and Trackとのインタビューにて、ケーニグセグ本部長との細かいやり取りを進めていく中で、「ジェスコ・アブソリュート」の最高速度に関する情報収集を行ったところ、何と理論的には531km/hにまで到達することが明らかになりました。


~但しそのスピードを実現するには様々な問題が発生する~

「ジェスコ・アブソリュート」は、排気量5.0L V型8気筒ツインターボエンジンを搭載し、最高出力1,600hpを発揮するメガハイパーカーで、9速ATのギア比の変更や、空力特性を0.278Cdまで向上させるために、従来モデル(とはいっても限定125台)に比べてフードスクープやフロントカナード、更には巨大リヤウィングを完全に排除し、その代わりとしてF-15戦闘機からインスパイアされた2つのシャークフィンが追加されることで、高い速度域でも安定した走りを提供することが可能になっているとのこと。

ただ、こうした異常ともいえる最高時速に到達するために一番の問題となるのが、そのスピードに耐えうるだけのタイヤと場所が必要ということで、以前ブガッティが最高時速490km/hにまで到達した「シロン・スーパースポーツ300+(Bugatti Chiron SuperSport 300+)」は、フォルクスワーゲングループ専用のサーキットにて実装されていますし、ミシュランとの共同開発によって生み出された特注のタイヤによってその記録が実現しています。

~ケーニグセグにとってタイヤはそこまで問題視していないようだ~

とは言いながらも、ケーニグセグによれば理論的には「アゲーラRS」にも装着されているようなミシュラン製のタイヤでも、1分間だけであれば最高時速531km/hに到達しても十分に耐えうるだけのスペックを有しているとのことなので、やはり一番の問題は場所だけなのかもしれません。

引き続きRoad and Trackがケーニグセグ本部長にインタビューしたところ、最高時速を塗り替えるために使用されるであろうフロリダのジョニーボマー試験場では、約5kmという距離の中では「ジェスコ・アブソリュート」全体のパワーの85%しか発揮できないため、これを計算すると451km/hまでしか到達できないとのこと。
そのため、最も理想的なテストポイントとしては、ドイツにあるEhra-Lessienと呼ばれるフォルクスワーゲングループの民間試験施設で、そこであれば約8.7kmの直線が準備されており最高時速531km/hにまで到達するかもしれないと説明。

それでも先代の「アゲーラRS」が生み出した446.97km/hを圧倒するスピードを誇るわけですが、もはやここまで来ると、その最高時速を生み出すためにテストするドライバーの命の危険性の方が心配になってしまうほど(ポルシェ「919ハイブリッドEvo」のニュルブルクリンク走行も見ていて、ドライバの心配ばかりしていた)。

ケーニグセグは、2020年内にブガッティの記録を破るため、最高時速にチャレンジする予定とのことですが、これに立ちはだかるのが最高出力1,000hpを優に超えるスペックを持つSSC「トゥアタラ」やヘネシー・パフォーマンス「ヴェノムF5」で、これらのモデル達の最高時速チャレンジにも期待したいところです。

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Reference:motor1.com