モラルの低さが露呈?中国の電気自動車の安全性を謳う衝突試験動画に「誇張疑惑」。SUVと大型トラックが正面衝突する動画に批判殺到
中国では安全性を強く謳うために「誇張された宣伝」が多く見られる?
電気自動車が世界中で普及するにつれ、中国のとある自動車メーカーが、デザインや技術だけでなく、安全性と信頼性を「劇的な方法」で証明しようとすることで、これまで以上に目立とうと努力しています。
直近の例だと、Li Auto(リ・オート/理想汽車)と呼ばれる自動車メーカーが発表した新型i8の衝突評価及びクラッシュテストが、「あまりにも過激で誇張された動画」だとして大きな批判を集めているんですね。
この新型i8というモデルは、BMWの2ドアスポーツカーのi8とは全く異なるモデルで、3列シートタイプのピュアEVクロスオーバーモデルとなります。
果たしてどのようなクラッシュテストの動画を公開し、多くの批判を集めているのか見ていきましょう。
Li AutoのピュアEV SUVの新型i8と、8トンの大型トラックが正面衝突

こちらが今回、Li Autoが公式YouTubeや中国SNS・Weibo(ウェイボー/微博)にて公開したクラッシュテスト動画の一部。
上の画像の通り、左側が3列シートSUVの新型i8に対し、右側が東風成龍(Chenglong)製の大型トラックとなります。
画像でもおわかりの通り、車両同士が正面衝突する様子が映っています。

何とも衝撃的な映像ではありますが、車両重量2,580~2,610kgのi8は60km/hにて走行し、約8,000kgもある大型トラックは40km/hで走行して正面衝突。
「なぜ大型トラックとの正面衝突で安全性を謳っているのか」「なぜお互いが同じ速度で衝突しないのか」など、色々とツッコミどころは満載ながらも、Li Autoとしては「重量とサイズのアンバランスがありながらも、相手が大型トラックであってもi8は構造的強度において良好」であることを強くPR。

短いフロントオーバーハングによって、衝撃の大部分を吸収し、ピラーは目に見えるレベルで変形もなく無傷のまま。
その後、ドアは自動的にロック解除され、ハンドルが外側に伸び、テスターは容易に車内にアクセスできるようになっています。
さらに、9つのエアバッグがすべて展開し、緊急通報システムも作動。
驚くべきことに、床に取り付けられたバッテリーパックは、衝突前に金属ピラーによって深い傷を負っていたにもかかわらず、発火・発煙もなかったと主張しています。
こちらが、実際にLi Autoより公開された新型i8のクラッシュテストの動画になります。
中々に衝撃的な映像になっています。
クラッシュテストで利用されたトラックメーカーがクレーム

そして、今回のクラッシュテストにおいて、多くの視聴者を驚かせたのは大型トラックへの衝撃。
衝突による衝撃でキャビンは大きく前方に傾き、シャーシから外れそうになり、すべての車輪が一瞬地面から浮き上がったようにも見えています。
この予想外の結果に対し、今回のクラッシュテストで利用された大型トラックメーカーの東風成龍ブランド親会社である東風柳州汽車は迅速に対応し、2025年8月1日、本試験に対する懸念を表明する公式声明を発表。
トラックメーカー「今回の衝突評価は重大な違反である」と主張

中国メディア・QQニュースの報道によると、東風柳州汽車は、Li Autoに対して「重大な違反である」と告発。
同社は、動画の信憑性に疑問を呈し、動画は誤解を招くものであり、実際の運転状況を反映していないと主張。
社内分析の結果、「試験環境は路上で通常行われる状況とは大きく異なっていたことが判明した」とコメントしています。