僅か37台のみ製造されたポルシェ「550A・スパイダー」が6億円にて落札

2020-05-26

先日、1958年式となるポルシェ・レーシングモデル「550Aスパイダー」が、アメリカ・アリゾナ州スコッツデールにて開催のBonhamsオークションにて出品され、約6億円というとんでもない金額にて落札されました。
この個体は現在、急速な価格高騰が見込まれているとのことで、ポルシェのようなクラシックモデルにまでは追いつかないものの、それに近いレベルにまで価値が上昇しているとのことですが、まさか「ラ・フェラーリ」の中古車価格に匹敵する程の価値を見出すとは全く想像していませんでした。
「550Aスパイダー」は、世界で僅か37台しか製造されていない幻のモデルで、今回はその内の一台(シャシーNo.0145、ル・マンクラスで2位、5位の成果を挙げている)がオークションにて出品。


「550Aスパイダー」は、ベースモデルとなる「550スパイダー」を生み出すきっかけとなった「ポルシェ356」の排気量1.1L OHVエンジンをOHC93psにチューンした上でボディを軽量化。外観上においては、運転席後方に過流某氏のカバーが装着されています。
パワートレインは、排気量1.5L 水平対向4気筒110PSOHVの547型エンジンを搭載し、細い鋼管フレームを使用するスペースフレームに改良を加えて、更なる軽量化等を図ったことにより最高出力を135psまで向上。
燃料タンクは通常の「550スパイダー」に使用されていた80Lタイプから耐久レース用の130L用に変更しています。

サイズやエンジン等、非常にコンパクトな個体ではありますが、ル・マン耐久レースでは「ジャイアント・キラー」と名付けられる程の凶暴な一台であったとして、あの有名な俳優であるジェームズ・ディーン氏も愛用していた一台。
しかし、ジェームズ・ディーン氏が運転していた「550スパイダー」での謎の事故死もあって、一時期「550スパイダー」には不気味な呪いがあるといわれたほどに有名にもなっていましたね。

今回、約6億円というとんでもない金額にて落札された「550Aスパイダー」ですが、この他にもポルシェのグループ6やグループCといったプロトタイプ(917や956等)も稀に出品された経緯があり、その時には数億円~数十億円にまで上る程の価値を持っていたことから、こうした稀な個体と同等の価値を持っているのが「550Aスパイダー」ということになりますね。

余談ではありますが、今年のオークションにて出品されたのは「550Aスパイダー」以外にも、フェラーリ「デイトナ・スパイダー」が約3億円、「F40」やメルセデスベンツ「300SLロードスター」は約1.8億円にて落札されています。

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Reference:CARSCOOPS