意外にも種類多かった。ダッジ「ヴァイパー」の約50年のデザインヒストリーを約6分の動画にて【動画有】

2020-05-26

以前、ランボルギーニやマクラーレンといったスーパーカーモデルのデザイン変遷を紹介してきましたが、今回は何ともマニアックなダッジ「ヴァイパー」のデザイン変遷。
約25年に渡って生産されてきた「ヴァイパー」ですが、当初は3年間だけ少量限定生産を予定していましたが、思いのほか反響が良いのと販売実績が高かったことから継続して販売されることとなり、更に様々なモデルが誕生。
今回公開されている個体は、1992年に販売された「RT/10ロードスター」から、2016年モデルの「ACR」と過去から現在にかけてのスポーツカー達を一つ一つ紹介していきます。


まずはダッジ「ヴァイパー」の”当初”の初代モデルともいえる1992年式「RT/10ロードスター」
コンセプトカーからの発表を経て初めて登場した一台ですね。
パワートレインは、マッスルカーを代表するだけあって排気量8.0L V型10気筒自然吸気の大排気量エンジンを搭載し、最高出力400hpを発揮します。

続いては、1996年式の「RT/10ロードスター」
前モデルとさほどデザイン変更は加えられていないものの(パワートレインも変更されず、エンジンが若干向上した程度)、やはり一番大きいのはサイドマフラ―からリヤマフラーに変更されたことでしょうか。これに加えてホイールデザインが新しくなり、サスペンションがアルミニウム製に一新。更にはブレーキングシステムもアップグレードしています。

続いては1996年式の「GTSクーペ」
前モデルの上位グレード版として登場した一台。
「ヴァイパー」の特徴ともいえるダブルバブルルーフをこのモデルから採用し、クーペモデルをここで初めて市販化しています。
パワートレインも引き続きキャリーオーバーしながらも、最高出力は450hpへと向上しています。

続いては1998年式の「GTS-R GT2」
市販モデルの意匠を受け継いだ「GTS-R」のレーシングカーをベースにした公道仕様モデルとなります。
先代よりも大幅にカッコよくなったマルチスポークホイールが印象的で、パワートレインは相変わらずのキャリーオーバーながらも最高出力460hpを発揮します。

続いては、1999年式の「GTS ACR」
当時のモデルとしては、1,000万円を超す高額車両でもあり、生産台数は200台以下の希少モデル。
足回りも強化され、パワートレインはそのままに最高出力も「GTS-R GT2」同様に460hpを発揮します。
※ACRはAmerican Club Racerの略称で、クライスラーのスポーツモデルに冠されるチューニングカーブランドとなります。

続いては、2003年式の「SRT10ロードスター」
前モデルからのモデルチェンジとして登場した記念すべき2代目となるも、相変わらず先に登場するのはロードスターなんですね。
パワートレインも、排気量8.0L→8.3LへとアップされたV型10気筒自然吸気エンジンを搭載し、最高出力500hpを発揮。
ブレーキングシステムの向上やカーボンファイバパネルの採用により剛性を高めつつ、ナゼかリヤマフラからサイドマフラへと戻りました。
ちなみに、2代目モデルのデザインを担当したのは日本人の鹿戸治 氏で、当時はクライスラーに在籍されていたとのこと。

続いては、2006年式の「SRT10クーペ」
「SRT10」のクーペ版ですね。パワートレインやエンジンは「SRT10ロードスター」は変わらずですが、デックリッドスポイラーが追加され、更にスピーティさを向上させています。

続いては、2008年式の「SRT10クーペ」
このモデルから、エンジンがマクラーレン・パフォーマンステクノロジーとリカルド社の協力によってボアを1mm拡大した排気量8.4L V型10気筒自然吸気エンジンを搭載。これにより最高出力は600hpへと大幅に向上しました。
もちろんパワーアップだけでなく、インテークマニホールドのポート形状をスムーズな形状にモデファイし、エアフィルタも改良が施されています。

続いては、2008年式の「SRT10 ACR」
「SRT10クーペ」からのスペックアップは施されていませんが、見た目の通りとにかくレーシーなデザインへと一新。
何ともハードな大型リヤウィングやKWのレーシングサスペンション、そして軽量化されたアルミホイールを装備します。
ちなみに、このモデルではハードコアパッケージ(HCP)が設定可能で、レーシング仕様に特化した形でオーディオシステムやトランクカーペット、リヤキャビンサウンドインシュレーション、タイヤ補修キット、フードインシュレーター、スチールバッテリーカバーを完全排除し、約18kgの軽量化が可能となっています。

続いては、2013年式の「SRTヴァイパー」
ここから3代目へとモデルチェンジを施すとともに、ブランドが2012年から2014年の間だけダッジからSRTへと変更されています。
パワートレインには特に変更はないものの、ピストンやインテークの改良により最高出力600hp→640hpへと大幅アップしています。
また、ボディ表面にはカーボンファイバ(ルーフ、ボンネット、リヤゲート)やアルミニウム(ドア)を採用することで45kgの軽量化に成功しています。

続いては、2013年式の「SRTヴァイパー・GTS」
「SRTヴァイパー」の上級グレードとなり、更に24kgも軽量化。
ショックアブソーバーを組み込んだアクティブサスペンションを標準装備し、ホイールデザインもマルチスポークタイプと非常にオシャレでスポーティな仕上がりとなっています。

続いては、2015年式の「ダッジ・ヴァイパー・GT」
ここから再度SRTからダッジへと戻ります。
このモデルはリーズナブルなベースタイプで、GTSモデルのアジャスタブル・サスペンションやスタビリティ・コントロール・プログラムを標準搭載します。
インテリアには、何とも豪華なアルカンターラやナッパレザーを標準装備するなど、とにかく品質向上に努めたモデルとなります。
パワートレインは、排気量8.4L V型10気筒自然吸気エンジンを搭載し、最高出力645hpを発揮します。

続いては、2015年式の「GTC TA1.0」
基本的な仕様は「GT」と変わらないものの、カスタマイズプログラムが充実した一台で、いわゆる自分だけのワンオフモデルが作れるユニークなモデルとなります。

最後は、2016年式の「ACR」
個人的に最も好きなモデルですが、日本の車検には適さないサイドマフラはもちろんのこと、エクストリーム・エアロパッケージやフロントフェンダーには大口となるベントを設定。
やはりこの大型ともいえるリヤウィングが、最高時速285km/h到達時に最大1,000kg近いダウンフォースを発生することが可能というところが大きなポイントなのかもしれません。

【The Evolution Of The Dodge Viper (1992-2017)】

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