ブガッティ「シロン」がまさかの世界的リコール。フロントシートの作りに問題有り

2020-05-26

フランスのハイパーカー・ブガッティ「シロン」が、全世界にてまさかのリコール。
国道交通安全局(NHTSA)によると、「シロン」のフロントシートリクライニングブラケットの溶接部に欠陥があったとして、走行中に過度な振動と負荷がかかる場合に溶接部に亀裂が入り、シートが破損する恐れがあるとのこと。
そのため、ブガッティはこれまでに製造している「シロン」をディーラに輸送し、検査することで溶接不良が判明した時点で、シートアセンブリ全体を交換する対応を行うとのことです。


リコール台数は47台とのことで、そのうちの12台がアメリカにて納車した個体とのこと。
「シロン」と言えば、ブガッティ「ヴェイロン」の後継モデルとして世界限定500台のみ製造される希少な個体で、車両本体価格は約3億円。
パワートレインは排気量8.0L 航空機用W16気筒クワッドターボエンジンを搭載し、最高出力1,500ps、最大トルク1,600Nmを発揮。0-100km/hの加速時間は2.5秒未満、最高時速は420km/hにまで到達。

その他にもル・マンLMP1レースカーと同姓のぬねじれ剛性と曲げ剛性を発揮するフルカーボン構造シャシーを採用することで軽量化を図るも、車体重量は「ヴェイロン」に比べて+155kgの1,995kgという意外にも増量。
なお、「シロン」という名称はブガッティに乗るレーシングドライバーであるルイ・シロン氏から受け継いだことが由来となっています。

Refrence:CARSCOOPS

関連記事:ブガッティ「シロン」が今のタイヤでは時速480km/hでの走行不可。更なる開発が必要に

以前、ヘネシーがブガッティ「シロン」よりも速いモデルとなる「ヴェノムF5」を開発するという記事を公開しましたが、「ヴェノムF5」の目標としている最高速度は482km/hと発表。

ブガッティのエンジン性能においても、最高速度482km/hは優に超えることは可能という情報も有りますが、ブガッティのテストドライバとしても有名なアンディ・ウォレス氏曰く、現在の「シロン」では最高速度480km/hに到達することは不可能とコメント。

アンディ・ウォレス氏は、現在「シロン」が装着しているミシュラン製のタイヤでれば、最高速度420km/hを比較的容易にクリアすることは可能と示唆していますが、480km/hを超えてくるとなると、ホイールとタイヤに作用する力の関係性から、相当な負荷が生じ、間違いなく走行不可になると予測。

なお、現時点でのタイヤ市場においては、480km/hに耐えうるタイヤは存在していないとのことで、ミシュランがまずは450km/hの速度を維持できるタイヤを開発していくとコメントしています。