フェラーリ「275GTB」プロトタイプモデルがオークションに登場。予想落札価格は10億円超えか

2020-05-27

今週末より、グッディング&カンパニー開催のオークションにて、特別なフェラーリ「275」が出品されることに。
フェラーリ「275」といえば、250GT系の後継モデルとして生産されたロードスポーツカーモデルで、レーシングモデルをベースにするのではなく、初めからロードカー(又はグランドツアラー)として設計することで、レーシングカーでは実現できない遮音性・断熱性、そして快適性を重視したモデルであるとして、生産台数も量産モデルでありながらも1,000台にも満たない希少モデルとなります。


しかし、今回オークションにて出品される個体は、そうした量産モデルが出品されるのではなく、その中でも更に特別(スペチアーレ)ともいえるプロトタイプモデルとなります。
本来、「275」はスカリエッティ製のボディとなるのですが、このプロトタイプについてはピニンファリーナ製となっています。

そのため、勘の鋭い方は、このモデルが正式には「275」ではないことに気付くかとは思いますが、その中でも大きな違いというのが、空力特性を生かしたリヤディフューザーが装着されているということ。
その他にも、フロントヘッドライトやフロントフード、ドアハンドル、ウィンドウフレーム等、内部パーツも含めて若干異なるものを使用していることもあってか、この個体が「レプリカ」という風に誤って認識されていたこともありました。

インテリアにおいては、標準デザインとなるキャメルカラーのフルレザーシートを採用し、ダッシュボード周りや内ドアトリムにおいてもほとんどキャメルカラーを採用しています。

パワートレインは、250GT系と同一となる排気量3.3L 水冷60度V型12気筒SOHCエンジンを搭載し、最高出力280ps/7,600rpm、最大トルク294Nm/5,000rpmを発揮。
トランスミッションは5速MTを後輪に介するため、駆動方式はFRとなります。

なお、この個体の予想落札価格は約10.8億円と非常に高額ではありますが、それよりも更に高額となるのが「275GTB/Cスペチアーレ」で、こちらの価格は推定約120億円とも言われています。

Reference:CARSCOOPS

こちらが120億円のフェラーリだ!
関連記事①:推定価値120億円。フェラーリコレクターが所有していた「275GTB/Cスペチアーレ」(2017/5/6投稿)


先週の4月30日(日)にこの世を去った、世界的有名なフェラーリコレクター(「FXX K」「250GTO」「ラ・フェラーリ」等)であるプレストン・ヘン氏(享年86)が所有していた、世界に3台しか存在しないスペチアーレモデル「275GTB/Cスペチアーレ」が、オークションに出品された際の予想最高落札価格が約1億ドル(約120億円)と発表されています。
※ちなみに、世界一高いといわれた「250GTO」は約54億円にてオークションにて落札。

こちらの個体は、FIAGT選手権にて出場するために生産された非常に希少なモデルで、車体番号は6885と付けられていました。
パワートレインは、排気量3.0L V型12気筒自然吸気エンジンを登載し、最高出力330psを発揮する、当時はとんでもないハイパワーを有する最強モデルでした。
ボディカラーはジアッロ系で、残りの2台の内の1台はフェラーリ・ミュージアムにて展示されているのだとか。

ちなみに、故プレストン・ヘン氏といえば、過去に「ラ・フェラーリ・アペルタ」の購入権を得ることができず、ホンダ/アキュラ「NSX」を即買いしては「フェラーリなんかよりも「NSX」のほうがずっと乗りやすいわ!」とわざわざフェラーリ本社に手紙を送りつけた程。
それだけ「ラ・フェラーリ・アペルタ」を購入できなかったことが悔しかったのでしょうが、これだけのコレクターで購入できない程に、相当にハードルが高いのですね。

彼が世界最高峰のフェラーリコレクターだ!
関連記事②:これはキツい。フェラーリコレクターの実業家が「ラ・フェラーリ アペルタ」を購入できなかったことに腹を立て、フェラーリ社を提訴した模様【動画有】(2016/11/25投稿)

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元レーサーであり、アメリカの起業家としても有名なPreston Henn氏(85)ですが、彼はフェラーリのスペチアーレモデルの他、他社の限定車も多数持つコレクターとしても非常に有名。
そんな彼も「ラ・フェラーリアペルタ」を購入しようと1億円の小切手と一緒にセルジオ・マルキオンネ氏に手紙を送付したところ、「ラ・フェラーリアペルタは完売しました」と返信が来たことに腹を立て、「ラ・フェラーリアペルタを購入する権利を拒否された」としてフェラーリを訴えました。

しかも、フェラーリだけでも、「275GTB」、「デイトナスパイダー」、「512」、「テスタロッサ(色違い2台)」、「F40」、「F50」、「エンツォ・フェラーリ」、「マセラティMC12」、「FXX」、「599GTBフィオラノ」、「458イタリア」、「458スペチアーレ」、「488GTB」、「ラ・フェラーリ」、「550バルケッタ」、「スーパーアメリカ」、「ミハイル・シューマッハのF1マシン」と、とんでもない台数を所有しています。

これだけ数多くのフェラーリを所有しておきながら、「ラ・フェラーリ アペルタは完売しました」の短文の手紙が返ってくるのは提訴してもおかしくないレベルですね。

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