1本当たり400gの軽量化。更に強力されたブレンボ製ブレーキキャリパが公開に

2020-05-26

先日より開催中のアメリカ・ニューヨークオートショー2018にて、ブレンボが”美しくも革命的な”ブレーキキャリパを発表しました。
このブレンボ製ブレーキキャリパは、新たなデザインに加えて、1本当たりの重量を400g軽量化に成功。
これは、同じ剛性を持つ他のキャリパーと比較して、キャストアルミキャリパーの重量対剛性比率が最も高くなると言われていますが、それでも8%の軽量化を実現するというのは相当なことであると言われています。


これらを実現するために、ブレンボのエンジニアがコンポーネントの剛性をシミュレーションし、余分な材料を識別できるソフトウェアツールである”トポロジー最適化”を実装。
この結果、パフォーマンスを最適化するための新しいジオメトリの構築と同時に、過去45年以上のモータースポーツの経験とノウハウを活かして、ジオメトリと質量削減に役立つこととなりました。

なお、見た目的にはバットマンの選択武器でもある”バットラング”のようにも見えますが、こうした強力なブレーキキャリパはパガーニ「ウアイラ」に採用されることとなります。
また、キャリパカバーのカラーにおいても、ユーザーが求めるカラーにすることが可能で、基本的にはカバーに”着色できないカラーは存在しない”と説明しています。

Reference:CARSCOOPS

関連記事:約50%の軽量化。ブガッティ専用の超強力ブレーキキャリパを3Dプリンタにて製造(2018/1/23投稿)

ブガッティが、次期ハイパーカーモデルの開発に向けて革新的な技術を採用するかもしれません。
それは、生産車両としては業界初となる8ピストンのモノブロックブレーキキャリパという世界最大の足回りを製造するというもの。
しかも、ブレーキキャリパを製造する方法が3Dプリンタ技術ということで、従来のチタニウムを使用すると約4.6kgの重量だったものが、3Dプリンタ製品では約50%カットの約2.9kgにまで軽量化が可能になるとのこと。

ブガッティの新技術責任者であるFrankGotzke氏によると「サイズを大型化するにも関わらず、軽量化できる技術というのは革新的で非常に印象に残るパーツとなる。更にはブレーキの性能も大幅に強化されることから、この技術は積極的に活用していきたい」とコメント。

この全く新しい技術のブレーキキャリパは、生産時間に約45時間必要とするわけですが、この製造プロセスにおいては、チタン粉末を落とすために400ワットの4本のレーザーで物質を溶かしていき、2,213個所のレーザー加工を実施。
その後は、熱処理によってパーツが強化されるため、ここに今度は平滑化を図るために、5軸ミルによってピストンのようなすべての機能面の輪郭部を機械加工していきます。
こうした長いプロセスにより、新しく生み出されたブレーキキャリパは、「シロン」に装着しているモノよりも強力なものになるとのこと。
※特定のチタン合金は、一般的に航空機のウィング部に使用される。

なお、ブガッティは、今年の上半期に3Dプリンタ技術にて製造したパーツの実機試験をスタートするとし、更には生産時間短縮のための改善と調査を進めていくとしています。

もちろん、今回のような超強力ブレーキング機能を持ってして挑むのが、以前0-400-0km/hの加減速時間の世界記録を塗り替えたケーニグセグ「アゲーラRS」。
ブガッティが次期ハイパーカーを生み出すときには、既に別メーカが新たな記録を打ち立てている可能性がありますが、それでも更に上を行くモデルを生み出すことは間違いなさそうですし、そういった目標があるからこそ一つ一つのパーツの改善や新技術を生み出すきっかけになるのだと思いますね。