ポルシェが自動車業界の将来についてコメント「いずれ販売台数は少なくなる。だからこそ一台あたりの収益性を”高める”もしくは”維持する”必要がある」

2020-05-27

~ポルシェも今後の自動車業界には大きな不安を抱えているようだ~

自動車業界は現在、100年に1度の大変革期を迎えている状況にありますが、その中でドイツのスポーツカーメーカであるポルシェが、自動車ニュースサイトAutocarとのインタビューにて今後の自動車業界並びにポルシェが行動していくべきことについてコメントしています。

ポルシェの財務及びITのボスであるルッツ・メシュケ氏によれば、「ポルシェは将来的に顧客が徐々に少なくなっていき、一人あたりの購入する台数も少なくなっていく恐れがる。メーカはこれらの潜在的な損失をサポートするために、日々模索する必要がある」とコメントしています。


~EV市場が加速するという事は、その分車両本体価格も高騰することになり、”クルマが買いにくくなる”~

今後、日本に限らず全世界において、排ガス規制の絡みもあって都市間の交通量を減らしていく考えがあることから、こういった考えのなかで自動車業界は必然的にEVモデルをラインナップしていく必要があり、しかしそうなると内燃機関モデルよりも高額となってしまうことから、購入する顧客がどんどんと減っていくという負の連鎖に陥ってしまうとして、そういった問題を解消するための一つとしては、一台あたりの収益性を高めたりキープしていく必要があると説明しています。

ちなみにブルームバーグの調べによれば、世界で最も収益性の高いクルマに新型「911(992)」が選ばれ、「マカン/カイエン」といったプレミアムSUVモデル等よりも販売台数や全体的の販売比率は11%とそこまで高くないのに、利益率は30%を超えるというとんでもない事実が明らかにされています。

もちろん、こうした利益率を高めている背景には、ポルシェの高額ともいえるオプション費用が大きく影響していると考えられ、ボディカラーやLEDヘッドライトだけで約50万円は発生しますし、オートエアコンでさえもオプション扱い(しかも約15万円もする)となることから、必要最低限となるオプション内容があまりにも多すぎて500万円近くかかってしまうのも当たり前。

こうした車両本体価格よりも別のところで付加価値が大きな影響を受けているのだと思いますが、オプション以前に車が売れない危機感の方が大いにあることを想定すると、やはりオプション費用を抑えることはできず、もしかすると更にオプションの幅が広がることも十分に考えられるのではないかと思われ、そうなると”より車が買いにくくなる”という問題にも発展しそう。

~ポルシェは新たな事業にも参入することを検討しているようだ~

ちなみに、ポルシェは最近になって新しく参入した分野として、北米の一部にてサブスクリプションサービスを提供し、今後2年間でアジアや欧州へと展開する計画もあるそうですが、そもそもこういったサービスだけでは、都市部に住む人が増えてしまい自家用車の必要性がどんどん失ってしまい、結果的にポルシェが必要とする売り上げの向上にはつながらないのが現実。

ポルシェの仮定として、人口の60%が主要都市に住む場合、それらの都市の自動車販売は大幅に減少してしまうため、そうなると現在のような収益性をキープすることは非常に難しく(15%の収益性がマージン目標)、今後は自社ブランドだけでなく、投資も含めて新しいビジネスモデルについても考えていく必要があるとして、今後の自動車業界には大きな危機感が迫っていると予測しています。

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Reference:motor1.com