当時事故車で「約32万円」で購入した1962年式フェラーリ250GT SWBカリフォルニアスパイダーが競売へ。何と落札金額は驚異の「約24.6億円」だった件

当時購入した事故車が、まさか7,517倍に跳ね上がるなど誰が予想しただろうか…

新車価格よりも中古車相場の方が高いフェラーリ。

その中でもクラシックモデルやスペチアーレモデルの高騰ぶりは凄まじく、新車価格帯の2倍以上は当たり前。

どのスーパーカーブランドのなかでもフェラーリは一線を画すものがありますが、今回非常に珍しい個体が競売に出品され、何と当時の購入価格よりも7,517倍に跳ね上がっての落札となりました。

一体どのようなモデルで、どれぐらいの価格帯にて落札されたのか見ていきましょう。


僅か37台しか製造されなかった希少なフェラーリ250GT SWBカリフォルニアスパイダー

こちらが今回、アメリカ・フロリダにあるアメリカ・アイランド・コンクールコレクターカーウィークの競売にて出品され、当時の購入価格よりも7,517倍にて落札されたという幻のフェラーリ。

このモデルは、1960年~1963年に僅か37台しか製造されなかったショートホイールベースタイプの250GT SWBカリフォルニアスパイダー(Ferrari 250 GT Short Wheel Base California Spider)と呼ばれ、今回出品されたのは1962年式と割かし後半に製造されたもの。

ボディカラーは何とも珍しいブルー&メタリック系のAzzurro Metallizzato(アズーロ・メタリザート)。

後のフェラーリ・カリフォルニアへとつなぐグランドツーリング

シャシーナンバーは「3099」で、パワートレインは排気量3.0L V型12気筒エンジンを搭載し、より大きなキャブレターとワイドなボラーニホイールが装備され、トランスミッションは4速MTを搭載。

250GTOという名称は聞いたことがある方も多いと思いますが、250GT SWBカリフォルニアスパイダーは中々に珍しい個体。

それもそのはず、このモデルは当時のニューヨーク国際モーターショーのために特別に製造されたもので、250GTのバリエーションモデルは北米市場向けに特別に開発されたものであり、その名前は現代のフェラーリ・ カリフォルニアとして復活し、その後のポルトフィーノ(Portofino)/ポルトフィーノMに引き継がれました。

直接的ではないにしても、現代のポルトフィーノの祖先が、この250GT SWBカリフォルニアスパイダーということにもつながるわけですが、元々このモデルの使い道としては、平日は仕事に出かけ、週末はレースをするために運転できるスポーツカーとして開発され、金銭的に余裕のある若い愛好家を対象として販売されました。

スタイリングとしては、スイープバックフロントガラスと最小限のインテリア機能、軽量の折りたたみ式ソフトトップトップ、レーシングカーにインスパイアされたバケットシートが特徴となっています。

ボディカラーは、先述にもある通り「MM 16240コードのAzzurro Metallizzato」と呼ばれる特殊カラーで、1960年~1962年に製造されたピニンファリーナデザインで250GTシリーズの最初に登場した希少カラーであり、その後のモデルでは見たことの無いレアモノ。

そんなレアモノのフェラーリが、当時どうして2,400ドルにて購入できたの?

見るからに新品レベルの美しさを持つ250GT SWBカリフォルニアスパイダーですが、実はこのモデル、1971年にアメリカ・ロサンゼルスのサン・ペドロ地区にて、フェラーリ愛好家であるチャールズ・ベッツ氏とフレッド・ピーターズ氏が「ポルシェの部品」を探していたときに、たまたま2,400ドル(日本円に換算して約32万円)にて購入したものでした。

「えっ、フェラーリを2,400ドルで購入?どういうこと?」と思われる方も多いと思いますが、実はこの250GT SWB、当時「事故車」として販売されていたんですね。

2ページ目:格安で購入→修理→レストア→20年以上保管し続けた結果、競売での落札価格はとんでもないものだった!