このカラーリングはヤバいな…ブガッティが完成までに「約2年」、スケッチに「400時間」もかけたシロン・スーパースポーツのワンオフモデルを世界初公開!

ブガッティが「今までで最も挑戦的」と語るワンオフモデルとは?

ブガッティが世界限定500台のみ販売したシロン(Bugatti Chiron)。

本モデルをベースに、シロンスポーツ(Chiron Sport)やディーヴォ(Divo)、シロン・ピュールスポール(Chiron Pur Sport)などの派生モデルが登場しましたが、今回はその中でも更に特別で複雑過ぎるワンオフモデルが世界初公開されました。

2023年8月10日より開催のモントレーカーウィーク2023にて、ブガッティが「完成するまでに約2年」かけ、更に内外装デザインの「スケッチだけで400時間」もかけたモデルが、シロン・スーパースポーツ(Chiron Super Sport)のワンオフモデルゴールデン・エラ(Golden Era)になります。

一体どのようなワンオフモデルで、どれほど複雑なのかチェックしていきましょう。


ブガッティのワンオフモデル「ゴールデン・エラ」を見ていこう

こちらが今回、モントレーカーウィークにて世界初公開されたブガッティ究極のワンオフモデルとなるシロン・スーパースポーツ・ゴールデン・エラ。

フロントが全てノクターンブラックにてペイントされた不気味な顔つきで、Aピラーからリヤにかけてグラデーションをかけながらドレゴールド(Dore Gold, Doreはフランス語で金色)に変化していくユニークなデュアルトーンカラーに仕上げられています。

ブガッティを新車オーダーする際、ボディカラーから内装、カラードステッチ、オーナメントパネルなど、基本的にはユーザーのリクエストに応える形でカスタマイズが可能になるわけですが、今回はそのなかでも「ほぼ無限」にリクエストに応える”ブガッティ・シュール・ムジュール・プログラム”によって叶えられたワンオフモデルとなります。

何と塗装されたボディ表面に「ブガッティの歴史をスケッチ」

画像を見てもおわかりの通り、サイドにはグラデーションカラーに合わせてブガッティの100年以上の歴史を彩る”手書き”スケッチが施されていますが、こうしたカラーリングやスケッチは、全てブガッティオーナーのオリジナルのリクエストによるもの。

本来、カーボンパネルにブラックからゴールドにグラデーションをかけたような2トーンカラーに仕上げるだけでも至難の業なのに、ここから更に手書きのスケッチによるアートワークを加味するだけで、更に複雑さが増しますし、このモデルが完成するまでに約2年、そしてブガッティの歴史を彩るスケッチを作成するのに400時間(16.7日)を費やしています。

ちなみに、ボディ表面にデザイナーが特別なペンで直接描くという技術は、これまでブガッティが取り組んできたビスポークプロジェクトの中で最も挑戦的なプロジェクトの一つとのこと。

左右でスケッチデザインが全く異なる

しかもこのスケッチ、全て手書きなのはもちろんのこと、左右で全く異なるデザインがスケッチされているのも特徴。

敢えて塗装・ペイントではなく、ペンによる手書きに強いこだわりを持った理由として、ブガッティのデザインディレクターであるアヒム・アンシャイト氏によると「紙にスケッチするときに使用するペンを実際に使用した場合にのみ、これらのスケッチを本物に仕上げることができることは最初から明らかでした。それ以外のものを使用すると、見栄えの悪いものになり、偽物のようでとても低品質になる。だからこそ時間と労力をかけてでも、オーナーが求めるブガッティの歴史を描き切る必要があった」とのこと。

手書きだからこそ表現できるデザイナーの魂が宿ったエクステリアなわけですが、全く同じスケッチを描くことは難しいわけですし、このモデルこそ2台も存在しない究極のワンオフモデルと呼ぶにふさわしい一台ではないかと思います。

ちなみに上の運転席側には、1987年以降のブガッティの歴史を記録した計19点のスケッチが描かれていて、象徴的なW型16気筒エンジンも確認できます(運転席は現代のモデルを描いている)。

こちらは助手席側になりますが、ドアサイドパネルには、過去にブガッティが販売したタイプ41ロイヤルや、タイプ57SCアトランティックなどのアイコンを含む、計26点のユニークな図面が描かれています(助手席側は旧世代のレトロモデルを描いている)。

エアブレーキ用となる油圧式リヤスポイラーの裏面には、ワンオフモデルの名称である”Golden Era”のロゴも。

2ページ目:シロンスーパースポーツ・ゴールデン・エラの内装もヤバかった!