メルセデスベンツがでデザイン迷走?新型クーペコンセプトの『巨大ライトアップグリル』が過去最大級に。一方アウディはGクラス対抗オフロードを開発か

新型GLC EQといい、メルセデスベンツに一体何が起きているんだ…

2025年9月、メルセデスベンツがピュアEVクロスオーバーEQCの後継となる新型GLC EQを公開し、そのフロントグリルが巨大化し、まるでBMWのキドニーグリル肥大化を彷彿とさせるものがありました。

そして今回、メルセデスが新たなコンセプトモデルとなる新型2ドアクーペコンセプトのティーザー画像を公開したわけですが、明らかにGLC EQよりもフロントグリルが大口化。

もはやフロントマスクのほとんどがグリルなのではないか?と思わせるほどの巨大化ですが、果たしてどれほどのサイズ感なのか見ていきましょう。


コンセプトカーとはいえ、メルセデスが迷走しなければ良いのだが…

こちらが今回、メルセデスベンツが突如として公開した新型クーペコンセプトのティーザー画像。

今回公開されたティーザー画像は、長らく姿を消していたSクラスクーペやSクラスカブリオレのスピリットを蘇らせる可能性のある「新コンセプトカー」で、いわゆるメルセデスの新たなフラッグシップモデルを示唆しています。

具体的な名称は明らかになっていませんが、ティーザー画像を拝見する限り、やはり一番注目したいのが巨大なライトアップグリルとクラシックな2ドアクーペのフォルム。

特にフロントグリル(厳密にはライトアップグリル)については、メルセデス史上最大クラスの大口グリルなのではないかと思いますが、メルセデスのデザイナーが大幅刷新されたのか、それとも「メルセデスのこれまでのデザインイメージを破壊」するためのコンセプトモデルなのかは謎。

メルセデス関係者「今回のコンセプトカーは未来の姿を形作る」

このコンセプトカーについて、メルセデスベンツのデザインチーフであるゴードン・ワゲナー氏は、自身の公式インスタグラムにて近日発売予定のモデルについていくつかのヒントを明かしました。

彼はこの謎のモデルについて「the shape of things to come (未来の姿を形作る)」と呼び、ドイツ・ミュンヘンで初公開された新しいグリルは「the spark for a creative impulse (創造的な衝動の火花)」だと述べました。

つまり、将来的にこの巨大グリルを採用したクーペモデルが市販車として登場することを意味しています。

ティーザー画像から読み取れる細部を見ていこう

改めてティーザー画像を見ていきましょう。

上の画像はフロントクォータービューで、大部分は暗闇に包まれていますが、星型のLEDグラフィックを備えたスリムなヘッドライトや、深めのフロントスプリッター、そしてブラック仕上げの大口径アルミホイールなどが確認可能。

そして巨大なフロントグリルは、厳密にはグリルレスバンパーになるため、内燃機関を搭載するフラッグシップではなく、100%電気自動車であることを示唆しています。

こちらは別のティーザー画像。

膨らんだリアアーチがズームインされ、2ドアクーペのレイアウトが確認できます。

ドアハンドルは、サイドシルに非常に近い位置にあり、リアセクションのヒンジドアとフレームレスウィンドウを示唆しているのがわかります。

別のティーザー画像も見ていきましょう。

こちらはおそらくインテリアの一部だと思いますが、青い光に照らされ、まるで特注のアトリエから持ち出されたかのような素材で覆われたキャビンを公開。

1910年代半ばから1930年代にかけて、ヨーロッパやアメリカで流行したデザイン様式「アールデコ」を彷彿とさせる美しいデザインで、精巧なディテールとモダンなレイアウトを融合させていますね。

あと、今回のコンセプトモデルのダッシュボードやコックピットなどに関する画像は公開されていないものの、次世代ピュアEVモデルであることを考えると、ダッシュボードには、インテリア アーキテクチャに溶け込むような巨大なデジタルスクリーンが搭載される可能性が高く、それこそGLC EQをイメージするようなフルワイド巨大モニターも有り得そう。

ヴィジョン・メルセデス・マイバッハ6を再定義するモデルの可能性も?

ワゲナー氏は以前、インスタグラムにて次期モデルのインスピレーション源として、ビジョン・メルセデス・マイバッハ6クーペ (Vision Mercedes Maybach 6 Coupe)とカブリオレのコンセプトカーを挙げていました。

2016年と2017年にペブルビーチにて発表されたこれらのショーカーモデルは、最終的に量産モデルには至らなかったものの、メルセデスブランドの近年のデザインステートメントの中でも最も記憶に残るものの一つとなっています。

メルセデスのラインナップに主力クーペが戻ってくるという噂は以前からあり、同社が2025年初め、メルセデスマイバッハとAMGをベースに、2ドアクーペのSクラスモデルを商標登録していたことを考えると、もしかするとヴィジョン・メルセデス・マイバッハ6クーペの新たな形として、先ほどの巨大グリルを採用するモデルが登場するのかもしれません。

ちなみに、肝心の現行Sクラスセダンに関しては、2026年にはフロントマスクを大幅刷新するであろうマイナーチェンジが予定されていて、2020年代末頃に登場が予想される次世代モデルでは、内燃機関とバッテリーEVの両方のパワートレインが提供されるとの情報もあるため、このセダンタイプとは切り離されたモデルと考えた方が良いのかも。

結局のところ、今回のティーザー画像でコンセプトカーが、単なるデザインスタディなのか、それとも未来の姿を本格的に予感させるものなのかは依然として不明ですが、ティーザー画像を拝見する限り、メルセデスはグランクーペという芸術の探求をまだ終えていないことは確かだと思います。

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